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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《豚の血抜き》

La saignée du porc

素描・版画
17世紀

執筆:
Maget Antoinette

この田舎の光景の作者は、17世紀オランダの偉大な素描家の一人に数えられる。レンブラントを除いて、作品の多様さ、質の高さと量によって、オランダ風俗画の黄金時代にかくも名を残した芸術家は稀である。ファン・オスターデのこの《豚の血抜き》は、フォドール美術館(アムステルダム)所蔵の水彩の準備習作である。この素描は、その軽快な作風によって、よりじっくりと念入りに制作された完成作の絵画とは異なっている。

冬の前

ここに描かれた場面には、ファン・オスターデの作品に特有な人物が登場している。人物はずんぐりして、子供は年寄りじみており、体型のバランスがあまり取れていない。三人の男性が、興味津々の子供に囲まれて、忙しく立ち働いているのに対し、一人の女性が左手の開いた扉から出てきたところである。黒チョークの下描きとペンによる線描からは、キアロスクーロ(明暗法)に長けたファン・オスターデの才能のすべてがうかがえ、灰色の淡彩のタッチによって、光と影が最もふさわしいやり方で配置される。各々の細部が、ファン・オスターデの鋭い観察の感覚を強調する。壁に立てかけられた梯子、前景右側の樽と籠といったあらゆるものが、この田舎の生活のイメージを一層雄弁に語っている。

金儲けに長けた著名な画家

アドリアン・ファン・オスターデは、フランス・ハルスの弟子だったが、それよりさらにアドリアン・ブラウエルとの交友に影響を受け、その農民画のジャンルの継承者となる。ファン・オスターデは、1634年にハールレムのギルドの一員となり、1647年には最古参会員となった。ファン・オスターデがキアロスクーロ(明暗法)において影響を受けたレンブラントの作品との比較は幾度も繰り返されたが、とりわけその版画芸術においては、偉大な巨匠の影響がその技法と作風に見受けられる。アドリアン・ファン・オスターデは、晩年の20年間において、売り物として絵を描いた。ファン・オスターデは、こうした営利活動を営んだ稀なオランダの巨匠の一人である。ファン・オスターデの作品が版画を通して大いに普及したにもかかわらず、その芸術は、17世紀オランダ絵画に大きな影響を及ぼさなかった。その代わり、ファン・オスターデの芸術は大変人気が高く、多数の模作が作られた。こうした模作や贋作に多くの蒐集家が騙されたが、それでも18世紀から19世紀にかけて蒐集家はファン・オスターデの作品を熱心に蒐集したのである。

水彩と素描

1670年から1680年にかけて制作された作品は、小さな絵画に似ている。念入りに線描と水彩をほどこされたこれらの作品は、幅広の力強いタッチが露な、それ以前の習作とは明らかに異なっている。ファン・オスターデは、その習作の質の高さが示すように、繊細な素描家であった。しかしながら、当時の美術愛好家の間でファン・オスターデが大いなる名声を博したのは、水彩による風俗画である。ファン・オスターデは、その画家活動の全体を通して、動きのある場面を無秩序に描いたものから、室内情景を扱ったより落ち着いた作品へと作風が変遷する中で、主題ではなく、技法を多様に変化させる術を心得ていたのである。

出典

- Le monde paysan d'Adriaen et Isack van Ostade - Dessins, Aquarelles et Eaux-Fortes de la Fondation Custodia - Collection Frits Lugt, cat. exp. Paris, Institut Néerlandais, 1981

- BACOU Roseline, Dessins du Louvre - Écoles allemande, flamande, hollandaise, Paris, 1968, n 90.

- LUGT Frits, Inventaire général des Dessins des Écoles du Nord, École hollandaise, Paris : Éditions Albert Morancé, 1929, Tome II, n 506, pp. 2-4, pl. VI.

- MALLET J., "The etchings of Adriaen van Ostade (1610-1685)", in Le Connaisseur, février 1924, pp. 95-98.

- SERULLAZ Arlette, Rembrandt et son temps - Dessins des collections publiques et privées en France, cat. exp. Paris, Musée du Louvre, 1970, n 112, p. 50.

作品データ

  • アドリアン・ファン・オスターデ(ハールレム、1610年-ハールレム、1685年)

    《豚の血抜き》

    1670年以降

    W.エスデイレ・コレクション、1834年に取得、1840年6月18日-25日までロンドンで競売(845番)。イス・ド・ラ・サル・コレクション、1878年に寄贈

  • 黒チョークによる描線にペンと褐色インク、灰色の淡彩、水彩のために尖筆でなぞった線

    縦17.20 cm、横14.20 cm

  • Collection W. Esdaile, acquis en 1834 ; vente, Londres, 18-25 juin 1840, n 845 ; collection His de La Salle, don en 1878

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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