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作品 《踵に小翼をつけるメルクリウス》

彫刻部門 : 17-18世紀のフランス

《踵に小翼をつけるメルクリウス》

© 2007 Musée du Louvre / Pierre Philibert

彫刻
17-18世紀のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

ピ ガールはメルクリウス像で、1741年にアカデミー入会資格の承認を得、これを原型に1744年の入会作品を制作した。1742年のサロンでは、実物大を はるかに凌ぐ石膏原型を、対になるヴィーナス像とともに提出した。この2体の像は王の為に大理石で制作され、1750年にプロイセン王フリードリヒ2世に 贈呈された。

旋回する姿態

腰掛けた岩から飛び上がらんばかりの神の使いメルクリウスは、羽つき兜のペタソス(円形帽)の小翼同様に飛翔の為の小翼を踵につける。神は旋回する姿態で ある。手足の位置の工夫により、構図を一周できる複数の視点を得ている。神は小翼をつけることには注意を払っていないが、両腕と片足がその一点に集まりそ の仕草は強調されている。かがみ込んだポーズ、手足や肩の線の上昇斜線、外へ向けられた顔や遠くを見つめる視線が、今や空へ飛び立たんとするメルクリウス にダイナミックな印象を与えている。
こ のポーズは多分、版画で良く知られていたヤコブ・ヨルダーンス(17世紀のフランドルの画家)のアルゴスを殺そうと剣を抜くメルクリウスの姿から想を得た ものであろう。しかしピガールは、丸彫りが作り出す対角線や複数の角度による妙技によるヴァイタリティーを持ち込み、これが神の姿を速さの寓意像に変え る。
メルクリウスのトルソは《ヴェルヴェデーレのトルソ》(ヴァティカン)のヴァリエーションである。この古代の大理石の一片は、座った筋肉質の男を表 し、ミケランジェロ、そして多くのアーティストや愛好家をその力強さで魅了した。当時としては稀なことであるが、補足修復されたことは無く、「天才」の作 品をむさぼり喰う「時」の比喩となった。1663年のジャック・ビュイレットの浮彫りの入会作品《絵画と彫刻の和合》の中で見られるように彫刻そのものを 象徴した。

入会作品

ローマ滞在(1736−1739年)後パリに戻った1741年に、ピガールはメルクリウスのテラコッタでの原型を王立絵画彫刻アカデミーの会員資格承認作 品として提出する。ある逸話によると、リヨンを通った際宿代の代わりにこの原型を宿に残しそうになったということである。アカデミーは、入会作品の課題に 他の主題を課すかわりに、この原型を大理石で制作するよう課す。1744年7月30日に入会となる。
当 初メルクリウスは独立した像として構想される。1742年から、ピガールはその対になる作品として、ラテン語作家アプレイウス(125−170年頃)の物 語『黄金のロバ』の話の一場面を表す、プシュケを探すように命ずるヴィーナスの像を加える。王室総務局は1746年に、この2像の等身大での大理石制作を 注文した。1748年に完成したこれら2体は、ルイ15世によってプロイセン王フリードリヒ2世に贈呈され、ベルリン近くのサン・スーシ宮の庭に設置され た。

作品の成功

作品は即座に成功となる。ヴォルテールは『ルイ14世の世紀』(1751年)で最も美しい古代ギリシア作品と比較している。アーティスト達は複製を所持 し、画家達は自分の絵の中に登場させる。ピガールの友人だった画家のシャルダンは、《デッサンの勉強》(1747年、東京)や《芸術のアトリビュート》 (1766年、ミネアポリス)の中で彫刻の現代的シンボルとして登場させている。1770年以降、セーヴル陶器製作所で縮小版素焼き(ビスキュイ)が制作 される。

出典

- ROCHEBLAVE Samuel, Jean-Baptiste Pigalle, Paris, 1919, p. 161-173.

- REAU Louis, Jean-Baptiste Pigalle, Paris, 1950, p. 35-36.

- LE CORBEILLER Clare, « Mercury, Messenger of Taste », in The Metropolitan Museum of Art Bulletin, été 1963.

- LEVEY Michael, « The Pose of Pigalle’s Mercury », in Burlington Magazine, CVI, octobre 1964.

- BRESC-BAUTIER Geneviève, Sculpture française XVIIIe siècle (École du Louvre, Notices d’histoire de l’art, n°3), Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1980, n° 19.

- GABORIT Jean-René, Jean-Baptiste Pigalle, 1714-1785. Sculptures du musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1985, p. 38-42.

作品データ

  • ジャン=バティスト・ピガール(パリ1714年-パリ1785年)

    《踵に小翼をつけるメルクリウス》

    1744年

    1744年アカデミー入会作品

  • 大理石

    高さ58cm、幅35.5cm、奥行き33cm

  • 1793年アカデミーコレクションから革命期接収、1848年から1850年の間にルーヴル所蔵

    M.R. 1957

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    アカデミーの小ギャラリー
    展示室25

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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