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作品 《通称〈「節制」の水差し〉用盆》

工芸品部門 : ルネサンス

《通称〈「節制」の水差し〉用盆》

工芸品
ルネサンス

執筆:
Brigitte Ducrot

この大皿の装飾は、ルネサンス期にきわめて好まれた一連の装飾モチーフから選んで用いられており、同心円状に区切られた中に、寓意画とモチーフとが交互に配されている。皿の名は、中心部の円に描かれた「節制」の擬人像に由来するものである。この盆はふつう水差しと一対になっており、同じ陶磁器作品がいくつも制作された。この作品は、ベルナール・パリシーの作風を受け継いだ、16世紀フランスにおける装飾用透明鉛釉陶器の見事な例となっている。

継承され続けた伝統

ルネサンスにおいては、イタリアのマジョリカ陶器が、錫(すず)釉飾り絵陶器では重要な位置を占めていたが、フランスでは透明鉛釉陶器の制作の方がはるかに盛んであった。革新と研究のこの時代には、陶器の装飾は、陶工ベルナール・パリシー(1510-1589年頃)に倣って、非常に洗練された技法(表面の型押し、型起こし成形など)を用いて行われた。金属酸化物を利用した鮮やかで奔放な色遣いが、鉛を含む釉薬を用いることにより、はっきり浮かび上がってきている。型起こし成形によって複製が非常に容易となっており、同時期の同種の作品が方々の美術館で陳列されているのが見られるのも不思議なことではない(例:ハンブルク美術工芸博物館)。19世紀になってからも、パリシーの作品の再発見とともに、その作品モデルの評価の高さゆえに、さらにその複製は続けられた(例:フィラデルフィア美術館)。

フランス風「物語絵付け」装飾

同心円状に区切られた構図では、一体になった部分と、浮彫りでできた部分とが対比された配置になっている。胸像柱、仮面飾り、唐草模様などのモチーフでできた装飾が、楕円形の飾り枠の中におかれた擬人像と交互に配されている。これらの寓意画は、中心の絵柄から読み解いてゆくことができる。古代哲学の四つの枢要徳の一つである「節制」は、「四元素」の擬人像によって取り巻かれている。これらの元素は、それが有用なものとなるためには「節制」によって支配されねばならない。皿の肩部分には、七つの「自由学芸」―― 一方には「文法」、「論理学」、「修辞学」、他方には「幾何学」、「算術」、「音楽」、「天文学」――が描かれ、「知性」の女神であり「自由学芸」と「科学」との守護女神であるミネルワが伴っている。

金属工芸と陶磁器との結び付き

その形状と装飾からすると、この皿は16世紀の金属製大皿の装飾様式を再現しただけであると言ってよい。それは、ルーヴルの同じウィンドウに展示されているフランソワ・ブリオ(1550-1616年頃)作の錫製水差しおよび盆を、いくつかの変更を加えてそのまま写したものであるとすら言える。寓意画の原作は、ニュルンベルクの錫容器職人、カスパール・エンダライン(1560-1633年)による金銀細工の小プレート作品の中に求められる。この職人の活躍した時代は、フランドルの影響がフランスにおいてとりわけ強く感じられた時期である。この皿は、ルネサンス期における金属工芸と陶芸とが密接な協力の下に作品を生み出していたことの見事な証左である。

出典

- BALLOT Marie-Juliette, Bernard Palissy et les fabriques du XVIe siècle, La Céramique française - Musée du Louvre, Paris, Éditions Albert Morancé, 1924, p. 30, pl. 36.

- Les Objets d'art. Moyen-Age et Renaissance, Guide du visiteur. Louvre, Paris, Editions de la Réunion des Musées nationaux, 1994, p. 153-154.

Dassas Frédéric, La Terre vernissée dite de Bernard Palissy, Paris, Musée du Louvre, 1995, Feuillets du Louvre n 6/31, ill. 4.

作品データ

  • フランス、パリ ? 1590年頃

    《通称〈「節制」の水差し〉用盆》

    1590年頃

    パリ ? (フランス)

  • 透明鉛釉陶器

    直径42 cm

  • ルーヴル所蔵品

    N 193

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    ベルナール・パリッシー
    展示室30

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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