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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《郵便広場に到着した乗合馬車》
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《郵便広場に到着した乗合馬車》
© 2002 RMN / Hervé Lewandowski
絵画
フランス絵画
風俗画家であるルイ=レオポルド・ボワイーは、ここでパリという都市生活の一場面を描いているが、この主題は前例のないものだった。乗合馬車の到着を描いたこの作品は、19世紀初頭のフランス人にとって重要性を増しつつあった旅行の果たす役割を表わしている。「近代生活の画家」の先駆者であったボワイーは、様々な状況を活写しながら当時の社会の年代記を描き出した。そこで画家が造形上の模範としたのは、17世紀のオランダ風俗画であった。
近代生活の一場面
19世紀初頭のパリにおいて、フランスとヨーロッパからやって来る乗り物が集まる郵便広場(かつてモンマルトル通りに位置していた)に一台の乗合馬車が到着したところが描かれている。馬車は壁に刻まれた文字が示しているように、フランス北部もしくはベルギーから来る乗り物に割り当てられた場所に停車している。様々な階級と世代に属する人々が場面に描き込まれており、中央では一人のブルジョア階級の紳士が家族に迎えられているところである。左側では花売りの女が兵士に絡まれているが、むしろ彼女は優雅な将校に見蕩れている。貧窮した移民と思われる年老いた一人の女性は、未だに乗り合い馬車の中に座り込んでいる。人々は取次業者に委託された荷を降ろしているところだ。画家は場面の感傷的な要素にとりわけ注目していると同時に、ナポレオン戦争と資本主義の発展によって増大した、19世紀初頭における旅の役割も喚起している。ボワイーは、歴史画より下位のジャンルとみなされていた風俗画に属する、都市の日常生活のエピソードを描写している。こうした主題は、例えばグルーズにおけるような、とりわけ18世紀フランスの風俗画における図像表現の伝統の中には例がなかったものである。
新古典主義時代の風俗画家
ルイ=レオポルド・ボワイーは、この作品を1803年に制作して、1804年のサロンに出品し、そこで買手を見つけようとした。この絵はサロンで評判を得たものの、実際に買手がついたのはかなり後のことであった。この作品は、帝政期に花開いた画家の後期の様式に関連付けられる。アンシャン・レジーム下で、ボワイーは北方の伝統に基づいた「雅な宴」を描く画家として始めた。その後フランス革命を機に、画家はサロンに出品するようになるのだが、その際不道徳とみなされた主題を変えなければならなかった。ボワイーは当初、肖像画家として活躍し、1798年のサロンで見事な集団肖像画《イザベイのアトリエに集う画家たち》(ルーヴル美術館)によって大きな成功を収める。《郵便広場に到着した乗合馬車》は、ボワイーが都市生活を描いた最初の作品の一つであり、これは後に画家の得意とする分野となる(《にわか雨》(ルーヴル美術館)など)。画家は社会事象に対する感覚を持ちあわせており、それが彼を「近代生活の画家」の先駆者とならしめたのである。
本物と見まがう絵画
ボワイーは、既に全体習作の素描(ルーヴル美術館)で研究した現実の場面から想を得て絵画を制作しており、この絵は一連の肖像を集めたものと言ってよいだろう。中央で夫人が抱きついている男性は、ボワイーの同僚で友人であるギヨン=レティエールを描いたものである。多数の人物の集まりが、画面前景の両脇にバランスよく配置されており、中央では人物群はより奥行きに沿って配置されている。建造物が大きな対角線を形作っている背景の上に、あらゆる人々が浮かび上がっている。磁器のように滑らかな筆致の緻密な仕上げが、17世紀のオランダ絵画(ダウやファン・ミーリス)に対するボワイーの賛美を物語っている。
出典
- SIEGFRIED Susan L., "Boilly : de nouvelles images de la rue et de la circulation à Paris", in La Modernité avant Haussmann - Formes de l'espace urbain à Paris 1801-1853, Éditions Recherches, 2001, p. 285-288.作品データ
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ルイ=レオポルド・ボワイー(1761-1845年)
《郵便広場に到着した乗合馬車》
1803年
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油彩、板
縦0.62m、横1.08m
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1845年取得
INV. 2678
来館情報
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)
休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
