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作品 《鎖に繋がれたプロメテウス》

彫刻部門 : 17-18世紀のフランス

《鎖に繋がれたプロメテウス》

© 2007 Musée du Louvre / Pierre Philibert

彫刻
17-18世紀のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

人間の守護神、プロメテウス巨人は、人間に与えようとしてオリンポスの火を盗んだ。怒ったゼウスは、恐ろしく残忍な罰を科す。コーカサス山頂に彼を繋ぎ、毎日やってくる鷲に、途切れること無く再生する肝臓を噛み付かせるというもの。プロメテウスは苦痛に叫び、犯罪の道具の松明は足下にひっくり返り横たわる。

受刑者を彫る

ニコラ=セバスティアン・アダンは、ローマのフランス・アカデミー滞在後間もなくの1735年に、王立絵画彫刻アカデミーへの入会資格が承認される。会長のギヨーム・クストゥーが入会作品用に定めた課題は、18世紀初期からの彫刻家のインスピレーションの源となった劇的な死という主題に沿う、プロメテウスの処刑であった。アーティストは1ヶ月後にエスキスを提出するが、様々な注文に追われて多忙だったため、石膏像の提案は1738年を待つことになる。たぶん自分の結婚、又は兄の入会がきっかけになったのであろう、1757年にやっと入会作品を完成させようと決意する。石膏像からのブロンズ鋳造はアカデミーから断固拒絶された為、大理石像を提出し、1762年6月26日に入会を果たす。

苦痛と喧噪

アダンは喧噪と表現力から、バロック様式の晩年の極みともいえる妙技を発揮した傑作を提出する。英雄の苦痛は、筋肉が張り血管が膨張した四つ裂きの刑に処された体の中に読み取れ、それは人体解剖学的に沿った細部と共に表現されている。彫刻家は暗に《ラオコーン》との対決を意図したが、身体は不均衡で、叫ぶ顔は空を見上げ、後者の中庸さは無い。《ラオコーン》群像は最も賞賛された古代彫刻の一つで、死との格闘の中での人間の苦痛の種々な様相を呈しており、もがき苦しむ中で最大限保たれたラオコーンの尊厳が誉め讃えられた。プロメテウスの表現は曖昧である。それは苦痛なのか、それとも怒りなのか。アダンは1736年から1740年までヴェルサイユの庭園の仕事をしており、アーティストはこの庭に置かれたセバスティアン・スロッツの《アリステウスとプロテウス》(1723年)の群像をも考慮にいれたのであろう。

流れに逆らう美意識

上方の風に攫われた外套の布、松明の煙により、英雄の体の広がりが一層増すように見える。 ギザギザした 岩山のシルエットは四つ裂きの印象を強める。腕と鎖が長方形を形づくる一角から、英雄の叫ぶ顔が飛び出す。アダンは陰影が作り出す妙技を使っていて、布の襞間の深い影は岩山の尖部の強い光とコントラストを成す。1763年のサロンにこの作品が登場した際、ファルコネの《甘い憂鬱》とヴァッセの《ニンフ》を前に、もう既に時代遅れとなっていた美意識を巻き返したようである。ディドロと、古代の偉大なる静謐さへの回帰主義支持者達はこの作品を酷評した。しかし、制作の妙技を評価する一般には好評だったようだ。言い伝えによると、プロイセン王のフリードリヒ2世は3万リーヴルという高額を支払い、デンマーク王は「アダンよ、(…)そなたの名は不死となろう」と宣言した。

出典

- Diderot et l'art de Boucher à David, catalogue d'exposition, hôtel de la Monnaie, 1984-1985, Paris, 1984, pp. 434-436.

- PRADEL Pierre, "Une figure de Prométhée en terre cuite. Essai pour le morceau de réception de N.-S. Adam à l'Académie de peinture", in Le Pays lorrain, 39e année, n 3, Nancy, 1958, pp. 129-130.

- Fiche 210D, L'Estampille, janvier 1988, pp. 65-66.

作品データ

  • ニコラ=セバスティアン・アダン(ナンシー、1705年−パリ、1778年)

    《鎖に繋がれたプロメテウス》

    1762年

    1762年アカデミー入会作品

  • 大理石

    高さ1.14m、幅0.82m、奥行き0.48m

  • 1735年王立アカデミー入会資格承認、アカデミー・コレクションの革命期接収

    M.R. 1745

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    アカデミーの小ギャラリー
    展示室25

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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