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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《首を傾げて座る男》

Homme assis, la tête penchée

素描・版画
16世紀

執筆:
GrollemundHélène

1995年に取得されたこの素描は、古くから、16世紀スペイン最大の芸術家の一人であるアロンソ・ベルゲーテの作とされている。この画家のオリジナルの素描、また16世紀前半のスペイン派の素描はきわめて稀少であることから、この作品はことさらに貴重である。きわめて独特なその精神、その作風は、イタリアに長期間滞在したこの画家独自のものである。

ミケランジェロに比肩する芸術家

この座った男は身体をかがめており、それがその内向的な物腰を強調している。しかし、その身振りはある種の優雅さを保っており、手の指は長く、先がほっそりとしている。全身の輪郭線は鋭く尖った線で描かれ、静止している人物像にまで生き生きとした躍動感を与えている。乱れたままの、あるいはゆるく整えられた髪のほつれた部分、および、顔の部分の細くこまかい規則的な描線は、ベルゲーテの他のオリジナル素描、例えばフィレンツェのウフィツィ美術館の《救い主キリスト》、またパリの国立高等美術学校の人物群像においても見ることができる。今日この芸術家の素描作品全体の根幹をなしている素描群との作風の比較から、ハッチングの技法の巧みさと緻密さ、身体の波打つような形の力強さと緊張感、そして特にその螺旋状の動きが明らかに見て取れるが、同じ特徴を、この芸術家の絵画および彫刻作品にも認めることができる。黒インクを用いた細かいクロス・ハッチングの技法は、主としてルネサンスのイタリアの巨匠、例えばパルミジャニーノ、そしてとりわけミケランジェロのそれに比較することができる。二人の作風の類似点は数多く、しかも本質的なものであるが、それ以上にベルゲーテは、イタリア滞在の際(1507-1518年頃)に十二分に吸収することのできた、ミケランジェロの芸術の本質をよく理解していた。すなわちそれは、自由な彫塑的表現力によって抑制されながらも、同時に全的に開放された力強さと不安定性なのである。

円熟期の素描

この作者のオリジナルの素描のうち最も見事なものは、その大部分がトレド時代、すなわち1540年から1550年頃のものとされているが、この素描も当然のことながら、その一つとして数えることができる。この作品は、アロンソ・ベルゲーテが手がけたトレドの大聖堂内陣の制作に関連付けて考えることができるが、この事業は16世紀のトレドにおける最も野心的な試みの一つであった。ベルゲーテが造営事業に加わったことが史料に現われるのは1537年以後のことである。ベルゲーテが請け負ったのは、大司教座教壇および、聖職者席の上に並ぶ《キリストの変容》の群像を彫り、内陣の聖職者席を完成させることであった。この《座る男》は、トレドの内陣の人物像のいずれとも正確には結びつけられないが、それでもそこには、手、手足の腱、ほっそりとした指に見られる同じ力強さ、同じ髪、そして同じ姿勢の脚、すなわち、内陣の楢(なら)の木のパネルの一つに見られるヨブ像のそれと同じ、膝を半分折り踝(くるぶし)を重ねた姿勢を見ることができるのである。とは言え、これらの親縁性ゆえに、必ずしもこの作品をベルゲーテの円熟期のものと考えねばならないわけではない。なぜなら、それ以前の時期の素描に関して、我々は未だに限られた知識しか有していないからである。

出典

- BOUBLI Lizzie, Inventaire général des dessins : Ecole espagnole XVIe-XVIIIe siècle, Paris : RMN, 2002, notice 4.

- BOUBLI Lizzie, "'Magnífico mastre Alonso Berruguete' : introduction à l'étude de son oeuvre graphique", in Revue de l'art, n 103, 1994, pp.11-322.

作品データ

  • Alonso BERRUGUETE (Paredes de Nava, entre 1486 et 1490 - Tolède, 1561)

    《首を傾げて座る男》

    1540-1550年頃

  • ベージュ色の簀の目線入り紙に、ペンおよび黒インク、他の素描の上に糊で貼付

    縦0.265 m、横0.150 m

  • 17世紀にフランシスコ・デ・ソリス所蔵?1995年6月30日にモナコのクリスティーズで競売(3番)、同競売にて取得

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

右下に17世紀(?)の古い書き込み:de Mano de Beruge(ベルーゲ作)