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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《黄金の子牛の礼拝》

L'Adoration du Veau d'or

素描・版画
17世紀

執筆:
Grollemund Hélène

この注目すべき大きさの見事な素描は、カルロ・カルデッリのために1653年に制作された絵画《黄金の子牛の礼拝》のための最も完成度の高い準備習作である。絵画の方は、現在カールスルーエ州立美術館で見られる。また、絵画の対作品としては《ヤコブ、ラバンとその娘たち》がある。クロード・ジュレは、1660年に改めてこの主題を扱うことになろう(マンチェスター・アート・ギャラリー)。

忠誠の試練

画面右側の森のはずれで平伏するヘブライ人たちの真ん中で、司祭が小さな祭壇に供え物を捧げている。中央では、山々と曇った空に囲まれた遠方の水場の前で、若いイスラエルの娘たちが手を取り合って踊りながら行進している。左側の中景には、力強い木立が伸び、岩だらけの高い山々を背景にくっきりと浮かび上がっている。このエピソードは、旧約聖書(「出エジプト記」第32章1節)から引かれたものである。神から十戒の石板を授かった後シナイ山から帰還したモーセは、同胞のヘブライ人がアロンによって建立された祭壇で黄金の子牛像を崇めているのを見つける。モーセの怒りはすさまじく、十戒の石板を叩き割り、地に投げ捨ててしまう。対作品の《ヤコブ、ラバンとその娘たち》(ペットワース・ハウス)と同様、《黄金の子牛の礼拝》は、不信心と欺瞞を暗示している。

絵画愛好家の注文

この素描の裏側への書き込みから、作品はイギリスの肖像画家ピーター・レリーのために制作されたものと推定されていた。しかし実は、この書き込みは誤りである。クロードが贋作を防ぐために、全ての絵画の(ペン、チョーク、淡彩などによる)模写を残した『リベル・ウェリタティス(真実の書)』には、この作品は1653年にカルロ・カルデッリ(1626-1663年)のために描かれたと明確に記されている。《黄金の子牛の礼拝》は、この若きローマの愛好家のために制作された宗教的主題に基づく3枚の絵画の中の最初の1枚であった。カルデッリが早逝した後、1686年以降、この3枚の絵画はイギリスに渡った最初の絵画となり、そこでロランの作品は格別好評を博することになる。その3枚とは、この《黄金の子牛の礼拝》とその対作品、バーミンガム・アート・ギャラリーが所蔵する《聖パウロの船出》である。

ます目を引いた下絵

クロードは、彼の作品の中で最も野心的で洗練されたものの一つに確実に数えられるこの絵画に多大な重要性を与えていたに違いない。この作品のために他に2枚の素描(フランクフルトのシュテーデル美術研究所とロンドンの大英博物館)があり、祭壇の左側で踊る人物群のためにも1枚の素描(ロンドン、大英博物館)がある。3枚の全体習作は、制作が進んでいく過程をはっきりと示している。最初に、ロランは、人物に関しては、ラファエッロが装飾したロッジアのフレスコを直接模倣していた。次いで、プッサンの似たような絵画(ロンドン、ナショナル・ギャラリー)を思わせる岩と踊る娘のモティーフが導入される。3枚目の習作、すなわちルーヴル美術館所蔵の素描になって始めて、絵画でも用いられる横長の構図が取り入れられたのである。このルーヴル美術館の素描にはます目が引いてあるが、絵画はさらに変更されている。モーセとその同胞によって建立された黄金の子牛像を引き立たせるために、ロランは、懇願者のグループと踊る娘のグループの配置を入れ換えたのである。さらにロランは、立っている人物群を右側に追いやることによって、風景をよりたっぷりと描いた。他にも、これこれの特定の絵のためとして描かれた準備素描には、ルーヴル美術館の素描と同じ特徴を示しているものがある。すなわち、最終的な下絵にはます目が引かれているが、絵画と全く同じ構図ではないのである。それは、最後の素描が知られていないだけなのか、それともクロードが直接絵画に変更を加えたからなのかは分かっていない。

出典

- BACOU Roseline et BEAN Jacob (sous la dir. de), Le dessin à Rome au XVIIe siècle : XCIe exposition du Cabinet des dessins, cat. exp. Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1988, n 74.

- MEJANES Jean-François, Dessins français du XVIIe siècle : LXXXIIIe exposition du Cabinet des dessins, Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1984-1985, n 84.

- ROETHLISBERGER Marcel, Claude Lorrain : The drawings, Berkeley et Los Angeles, University of California Press, 1968, n 725-729.

- RUSSELLl Helen Diane, Claude Gellée dit Le Lorrain 1600-1682, exp. Washington, National Gallery of Art, Paris, Galeries nationales du Grand Palais, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1983, n 48.

作品データ

  • クロード・ジュレ、通称ル・ロラン(シャマーニュ、1600年-ローマ、1682年)

    《黄金の子牛の礼拝》

    1653年頃

  • ペン、濃褐色と灰色の淡彩、下部に酸化した白のハイライト

    縦20.6 cm、横38.5 cm

  • ロンドンのジョン・バーナード(1784年歿)、おそらく1787年のバーナードの競売の直後、フランス革命以前に王室コレクションに収蔵

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

ジョン・バーナードが裏側に書き込み:This is the original Drawing for the famous Picture that he painted for Sir Peter Lely(335番 / 15 hy 8 /これは、ピーター・レリー卿のためにロランが描いた有名な絵画のためのオリジナルの素描である。)