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《龍と闘う聖ゲオルギウス》

© 2011 Musée du Louvre / Thierry Ollivier

彫刻
ルネサンスのフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

ミシェル・コロンブは、ガイヨン城内の上部礼拝堂の為の祭壇背後の大理石製衝立の注文を1508年に受けた。この礼拝堂はダンボワーズ枢機卿の守護聖人である聖ゲオルギウスを奉る。聖人が龍を退治し、捕われの身の王女を救うという絵画的場面をヴォリュームに置き換えた。この初のイタリア風浮彫りの中では、彫刻家はまだ遠近法、自然や架空物表現をマスターしていないものの、ルネッサンスを宣言する構図の明確さや統一性が図られている。

聖ゲオルギウスの伝説

ローマの官吏ゲオルギウスは、トレビゾンドを通過しようとした。この地方は、毎日喰い殺す為の若者を捧げるように強要する龍におののいていた。この日は王女の番だった。ゲオルギウスはこの獣との激闘に挑み、槍で突き抜いたあげく王女を救う。全くの伝説の人物ゲオルギウスは騎士の守護聖人となった。その信仰は特に十字軍遠征の後のヨーロッパに広まった。

ガイヨンの為の注文

ミシェル・コロンブは有名なフランス人彫刻家だが、残念ながら大部分の作品は消失している。確かな作品は2点あり、フランス王妃アンヌ・ド・ブルターニュからの公式注文のナントのブルターニュ公フランソワ2世の墓(1502—1507年、ナント大聖堂)と、この《聖ゲオルギウスの浮彫り》である。この注文は、ガイヨン(ウール県)の自分の城を第一次フランス・ルネッサンスの温床としたジョルジュ・ダンボワーズ枢機卿(ルーアンの大司教で王ルイ12世の大臣)によるものである。城の上部礼拝堂の祭壇用のこの大理石製衝立により、枢機卿は自分の守護聖人に栄誉を捧げようとした。浮彫りは高齢の彫刻家の工房があったトゥールで1509—1510年に制作された。革命期には城の一部同様に上部礼拝堂も破壊され、大理石の遺跡は、この浮彫りの例の様に1797年にフランス記念物博物館により取得され、1818年にルーヴル美術館に所蔵された。

イタリア・ルネッサンスが響くゴシック想像図

このフランス彫刻初の大型浮彫りはゴシックと第一次ルネッサンスのつなぎ目に誕生している。コロンブは絵画的なイメージをヴォリュームに置き換えてはいるが、遠近法はまだ完全には習得していない。垂直面の重ね方も不器用である。第2景の王女のサイズは小さすぎるし、聖人と龍のヴォリュームが大きく飛び出す浮彫り仕上げには苦労が見られ、自然表現である岩の上の細い木々はキノコに見える。衣服、騎士の甲冑、アンヌ・ド・ブルターニュの時代に流行した王女の体に合わせた胴衣(シュルコ)は同時代のものである。龍はゴシック時代の想像上の動物で、恐ろしいというより奇怪な創造物である。龍の鱗や翼、馬具、騎士の鎖鎧や甲冑などの装飾的細部に払われた注意はゴシック時代最後の大版画家のそれに価する装飾の豊かさである。しかし明確さや構図の統一がルネッサンスを宣言している。イタリアから輸入された装飾の典型である、唐草文様、牛頭文様、グロテスク文様やカンデラブルム(燭台)文様で飾られた枠は、多分フィレンツエ出身のジェローム・パシュロの指揮による、ガイヨン城造営工事の為に働いていたイタリア人装飾家達によるものである。馬上の騎士の質素で明確な姿は、その激しさで構図を支配する。ケープの舞上がりには優雅さと柔軟さが備わっている。馬の姿は少々硬いものの、頭と頸は繊細に肉付けされている。細部の美しさは動作の統一を損なってはいない。

出典

- Michel Colombe et son temps, Actes du 124e Congrès national des sociétés historiques et scientifiques, Nantes, avril 1999, Paris, 2001.

- PRADEL Pierre, Michel Colombe, le dernier imagier gothique, Paris, Plon, 1953, pp. 56-58.

- VITRY Paul, Michel Colombe et la sculpture française de son temps, Paris, Librairie centrale des beaux-arts, 1901, pp. 361-362.

作品データ

  • ミシェル・コロンブ、ブルジュ?1430年—トゥール1512年

    《龍と闘う聖ゲオルギウス》

    1509-1510年

    トゥール

  • 大理石

    高さ1.28m、幅1.82m、奥行き0.17m

  • 1793年革命期接収、1798年フランス記念物博物館、1816年ルーヴル美術館所蔵

    M.R. 1645

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    ミシェル・コロンブ
    展示室11

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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