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作品 《2人の女性の立像》

素描・版画部門 : 18世紀

Deux femmes debout

Musée du Louvre, dist. RMN-Grand Palais - Photo S. Nagy

素描・版画
18世紀

執筆:
Boyer Sarah

《修道士リュス》のためのこの部分習作は、ボストン美術館の別ヴァージョンと同じ姿態で娘と母を描いている。ここでは老母の左腕だけが修正され、曲げられている。また画面右下には、最終的な作品に対して逆向きに手が描かれているのがはっきり見える。きわめて繊細な筆遣いのこの素描は、贅沢といってもよい青みがかった紙に、絵画的な技法によって、黒チョーク、白のハイライトと擦筆(ぼかし)が組み合わされているため一層豊かに見える。

無遠慮な修道士

無垢な若い娘を誘惑しようとした修道士リュスは、変装し、神の御意思だなどとうそぶいてその若い娘と関係し、結果一人の娘が生れる。しかしながら、隠者リュスは、娘の魅力に屈する前に、偽善から驚いた振りをして、仲介人として自分の子供の魅力をほめそやしに来た母親の申し出を最初は断った。リュスは、洞窟の前で迎えられ、観者に背を向け、2冊の本を足元から遠くないところに置いている。リュスの褐色の粗末な僧服は、若い娘のドレスの青、白、赤の調和とは対照的であり、リュスは娘にこっそりみだらな眼差しを投げかけている。ここで選択された色彩のコントラストは、3人の主要な登場人物の対照的な身振りに応じている。シュブレラスにおける日常を正確に描写しようとする配慮、趣ある細部に対する感覚、簡潔さへの志向は、ここですでに明らかである。

教訓なしのコント(物語)のために

シュブレラスは、1732年から1741年にかけ、ローマのフランス大使サン=テニャン公爵のために、ラ・フォンテーヌの『コント(物語)』に基づき、部分的にボッカッチォの『デカメロン』に想を得て4枚の絵画を描いた。それは、《隠者、通称修道士リュス》(INV. 8011 ; INV. 32917)、《鷹》(INV. 8010)、《修道士フィリップの鵞鳥》(INV. 8009)と《恋する遊女》であり、今日全てルーヴル美術館の所蔵である。しかしながら、シュブレラスには多かれ少なかれ修正を加えつつ絵を繰り返す傾向があり、この連作の中の作品の特定を難しくもしている。それゆえ、各々のエピソードには、複数の異なったヴァージョンが知られている。蒐集家に好意的に迎えられたシュブレラスの作品を基に、1735年から1740年にかけて、おそらくローマでジャン=バティスト・ピエールによって版画が制作されたものと思われる。シュブレラスの作品では、きわどい話はユーモアをもって語られ、例えば修道士フィリップの息子は、魅力的な娘たちが鵞鳥のように群れているのを発見した際の驚きも満足も隠さない。パテル、ランクレ、ブーシェ、フラゴナールやローマのフランス・アカデミー館長ヴルーゲルもこうしたテーマを描いた。しかしながら、シュブレラスにおける物語の親しげで絵画的な描出は、ヴルーゲルにおける逸話の細部の重視とヴェネチア風の発想とは対照的である。多彩な創意の中にも上品な繊細さに溢れる、こうしたシュブレラスの文学的な絵画の傑作は、いろいろな研究の対象になっている。

出典

- MEJANES Jean-François, Les Collections du Comte d'Orsay : dessins du musée du Louvre, cat. exp. Paris, musée du Louvre, 1983, n 94.

- ROSENBERG Pierre, MICHEL O., Subleyras. 1699-1749, cat. exp. Paris, musée du Luxembourg, Rome, Villa Médicis, 1987, n 21.

- SCHALHORN Andreas, Historienmalerei und Heiligsprechung : Pierre Subleyras (1699-1749) und das Bild für den Papst im 17. und 18. Jahrhundert, Munich, Scaneg Verlag, 2000.

作品データ

  • ピエール・シュブレラス(サン=ジル=デュ=ガール、1699年-ローマ、1749年)

    《2人の女性の立像》

    1732-1736年頃

  • 青色の紙に黒チョーク、白チョークのハイライトと擦筆、黒チョークで縁取り

    縦38.70 cm、横27.20 cm

  • ドルセー伯爵コレクション、1793年に亡命貴族の財産として接収

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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