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「王家の」壺

© 1996 RMN / Martine Beck-Coppola

工芸品
18世紀:新古典主義

執筆:
Muriel Barbier

おそらく装飾用の壺として納入されたこの巨大な作品は、1768-1770年頃-装飾品の形状の変革が起こっていた時期に-王立セーヴル磁器製作所で製作された。上部には王冠を頂き、キジバトの形をした取っ手がついている。壺に取り付けられた絵飾りは、フランソワ・ブーシェから着想を得、画家のシャルル=ニコラ・ドダン(1734-1802年)とジャン=バティスト=エティエンヌ・ジュネ(1789年に死亡)の二人の手によるものとされている。「王家の」壺は、セーヴルへの新古典主義の導入を特徴的に表すものである。

革新的な形状

1792年を境に装飾様式に新しい形状が登場する。そこにおける完全な均整は、ロカイユの装飾要素とは決別するものであった。この改革の原因は、1747年からセーヴル製作所の彫刻の工房で、モデルとなる型の素描画家を務めていたエティエンヌ=モーリス・ファルコネの介入による、と説明される。彼が開発する、建築や彫刻の意匠からインスピレーションを得た壺の数々は、その後に決定的な影響を与えることになる。「キジバトの壺」(19世紀の呼び方)、または「王家の壺」は、長方形の外に張り出した蛇腹層が、アカンサスの葉の形をしたコンソールの上に乗り、縦溝のない支柱へとつながっている。ここに見られる、ルイ15世様式後期の穏やかな形状は、(セーヴル製作所には当作品の石膏でできた型が保存されている)蓋の役割をしている王冠や、側面でくちばしをつつく鳩のような装飾部分により、軽やかな印象になっている。この鳩の意匠は、有名なドイツのマイセン製作所で製作されていたものから、インスピレーションを得たものである可能性が高い。セーヴルの職人達は、同業者の仕事によく通じていたのである。

フランソワ・ブーシェに霊感をえた飾り枠

「新しい青」と呼ばれる色の地を持つこの壺には、円筒状の形の膨らんだ部分にカルトゥーシュ(楕円形の花枠装飾)が二つ飾られている。一つ目には、二人の羽根をもつプット達(子供の姿のアモル像)が、座って、積み重なった二つのハートの盾が矢に貫かれたものを、手に持っている。場面は川が流れる風景の中である。このカルトゥーシュはシャルル=ニコラ・ドダン(1734-1803年)の作である可能性がある。矢を引くアモルの図はフランソワ・ブーシェの作品を基にしてピエール・アヴリンヌが印刷した『第四の本』の子供のグループの図版から取ったものである。ルイ=フェリックス・ド・ラ・リュの、版画に複製されている右側の子供の像は、ブーシェの作品«エステ»にも再現されている。さらに、ハートと矢を携えた盾の図は、ロンドンのワラス・コレクション所蔵の、1757年の楕円形の椀の彩色飾り枠と、1758年の磁器製嗅ぎ煙草入れの下部にも見られる。    

新古典主義的装飾

突き出た蛇腹層上には4つのメダイヨンがお互いに、キジバトのくちばしにつるされ、金鍍金を施した浮き彫りの葉飾りでつながっている。これらのメダイヨンは、男性、または女性の反面像が、古代のカメオ風に茶色の地に単色画法で表されている。このタイプの装飾の流行は、セーヴルで1768年頃に始まった。ルーヴルの壺のメダイヨンは、おそらく、1753年からセーヴル製作所の絵画工房の長であったジャン=バティスト=エティエンヌ・ジュネの作品である。これによく似たカメオは、1769年製作で現在ロンドンのワラス・コレクション所蔵のティーポットとコップや、ワデスドン・マナーの一対の壺に見ることができる。

出典

Un défi au goût, Musée du Louvre, Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1997, p. 94.
Cinq années d'enrichissement du patrimoine national 1975 - 1980, Paris, Grand Palais, 1980, p. 133.
Brunet M., Preaud T., Sèvres. Des origines à nos jours, Fribourg, Office du livre, 1978, p. 102 - 103.

作品データ

  • 王立セーヴル磁器製作所

    「王家の」壺

    1768-1770年頃

    フランス、セーヴル

  • 軟磁器

    高さ51cm、幅28.5cm、奥行き25cm

  • 1975年にルーヴルが取得

    OA 10591

  • 工芸品

来館情報

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水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

陰刻の焼印で:PT