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『ドン・キホーテ物語』の壁掛け

© Musée du Louvre, dist. RMN / Thierry Ollivier

工芸品
18世紀:ロココ

執筆:
Ribou Marie-Hélène de

この壁掛けは、セルバンテスの小説に着想を得、18世紀における、軽くて装飾的な美術への嗜好を示している。タピスリーは豊かな装飾からなる枠や、囲み部分、そして絵を真似た中央の絵柄から構成されている。ダルジャンソン伯の連作は、それぞれが《舞踏》、《サンチョ・パンサの審判》、そして《魔法をかけられた頭》を表わす、3枚の大きなタピスリーと、ルーヴルに展示されている、ドン・キホーテとサンチョ・パンサを表わした2枚の小さいタピスリー、または(窓間壁の)飾り絵からなる。

装飾品としてのタピスリー

黄色のモザイクと呼ばれる地の上には、様々な装飾が展開されている。花飾り、楽器、松明、コウモリの羽根(前足)等である。タピスリーの下部には、細い2本の低木と2匹の犬が、金鍍金を施した木を真似た、オルレアンの紋章の盾形紋を支える台を囲んでいる。上部には、中央の絵の額の上に、孔雀が乗っている形をしている。この装飾地は、細い紫がかったピンク色の下地から、縁飾りで分けられている。中央には、ドン・アントニオの舞踏会で、2人の婦人に囲まれて踊るドン・キホーテを表わした、見せかけの絵がある。ドン・キホーテの忠実な従僕、サンチョ・パンサが、右端で踊りのステップを踏む素振りを見せている傍ら、音楽家が一人、後ろ斜め45度の角度で、半ば横たわって、ギターを弾いている。二人とも、まるで場面を楽しむのに招待しているかのように、見物人の方を向いている。

準王家の贈り物

オルレアン公ルイは、この壁掛けを、1723年からのオルレアン家への奉公に感謝するために、ダルジャンソン伯爵に贈る目的で注文した。マルク=ピエール・ド・ヴォジェ・ド・ポールミー、ダルジャンソン伯爵は、実際1723年から1740年にかけて、摂政オルレアン公、次いでその息子ルイの書記官、印章守、評議委員長、家・領地・財政の監督の任務に従事していた。新しい型の囲い部分のための下絵とタピスリーが、オルレアン公の私費で、ゴブラン製作所でつくられたが、他の個人的な注文とおなじく、この注文も製作所の会計にはあらわれていない。3枚の大きなタピスリーは、シャルル=アントワーヌ・コワペルが、彼のアトリエから1730,1733,1734に初版が出たばかりの最新の型を、ゴブランに届け、それに基づいてルフェーブルの工房で織られた。ルフェーブルが1736年に引退していることから、この3枚のダルジャンソンのためのタピスリーの製作は、1736年以前に完成するには、1732年頃に始まっていたはずである。2枚の飾り絵の作者も同じく、この連作のために特別に下絵を描いたコワペルであるが、どうやらこちらは、タピスリーに織られることはなかったようである。

流行の型

17世紀末を境に、より軽やかで愉快な装飾への嗜好が現われてくる。この傾向から、18世紀の初頭において、クロード・オードランの絵を基にした、《神々の扉とグロテスク(ルネサンス時代に発見されたローマの廃墟に由来する装飾様式)風の12ヶ月》、のような壁掛けが制作された。《ドン・キホーテ物語》においては、絵の主題は、その空想的でいながら喜劇的な面がとても好まれていた、セルバンテスの小説からとられている。しかしながら、その周辺の図は、物語性というよりも、それ自体が魅惑的という点で、ここで表わされている(ドン・キホーテの)場面に共通している。壁掛けは、18世紀を通して流行し、1716年から1751年の間にコワペルは、下絵を28枚も制作した。主題は、物語性を尊重する気遣いというよりも、壁掛けの大きさと装飾性に応じて選ばれた。それ自体が時に何枚かの連作にさらに分かれた、9作の連作と、6枚のタピスリーの囲み部分が知られている。最後の連作は1794年になるまで完成しなかった。

出典

- FENAILLE Maurice, Etat général des tapisseries de la manufacture des Gobelins depuis son origine jusqu'à nos jours (1600-1900), t. III, XVIIIe siècle, 1ère partie (1699-1736), Paris, 1904, pp. 199-201

- Cinq années d'enrichissement du patrimoine national. 1975-1980, Cat. d'exposition, Paris, Galeries nationales du Grand Palais, 1980

作品データ

  • ル・フェーブルの工房とオードラン

    『ドン・キホーテ物語』の壁掛け

    1732-1736年

    ダルジャンソン家のコレクション

    ゴブラン製作所(フランス、パリ)

  • 機織タピスリー縦機タピスリー、毛、絹、1cmにつき8本糸

    高さ3,60 m、幅5,05 m

  • 1978年代物弁財として美術館に収蔵

    《バルセロナの舞踏》

    OA 10664, OA 10666, OA 10667

  • 工芸品

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

オルレアン公ルイのイニシアル;オルレアン家の紋章;ダルジャン家の紋章;右下に署名:LE. FEBVRE; 縁に:LE. FEBVRE [白百合] G.