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ある男の肖像

© 2011 Musée du Louvre / Thierry Ollivier

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Lepetoukha Charlotte

この毅然とした表情の力強さに満ちた肖像は、長い間、頭部を保護する皮製の冑のために競争用二輪車の御者の肖像と思われていた。この説を見直し、この紀元3世紀半ばの典型的な、簡潔な肖像の中に、宗教的人物の像を見出なければならないのかもしれない。

存在感あふれる肖像

この肖像は、短く刈られた口髭と顎鬚をもつ、人生の盛りを迎えた男性の肖像である。荒く加工された短い髪束で表現された髪形は、頂点に2本の紐が交差され補強された高めの冑をのせている。この冑は、耳を大きく開けながら、うなじのところまで垂れている。表情の力強さは、額のこおばりや、毅然とした視線、そして緊張した口により浮かび上がる。中心から反れる鼻はこの表情から感じられる荒々しい印象に一役買っている。

いくつかの仮説

表情の硬さと特徴的な形の冑は、この肖像に表わされる人物を推定するに際し提案された、様々な仮説に大きな影響を与えた。この頭部が近代の胴鎧の胸像の上に取り付けていられた時期には、この作品に異国の君主を見出そうとする傾向にあった。しかしこれを兵士の肖像とする見方は切り捨てられ、代わりに御者を表わしたものと推定されるようになった。というのも革製でできているように見える冑は剣の打撃をかわすより競争用二輪車からの落下から身を守るのにより適しているように見えるからである。しかしながら、セビーリャに保管されている肖像は、これと同じ被り物を付けつつも、競争用二輪車の御者の衣装ではない着衣を身に付け表現されている。このルーヴル美術館の作品に伝統的に与えられてきた推測も、今日では疑問視されている。もしかするとこれは宗教的人物であるかもしれない。

ガリエヌス・ルネッサンスの証

この人物像は簡潔さに大いに気を配りながら加工されている。髭や髪の束を描くための、のみの計算された使用や、毅然とした、しかし節度のある表情の構造化された顔は、この時期をガリエヌス・ルネッサンスと語られるまでになる、ガリエヌス帝(在位紀元259-268年)の統治下のローマ美術に影響を再び及ぼした、ギリシア古典主義を反映している。

出典

Exposition "Le cirque romain", Toulouse, novembre 1990-février 1991, cat. n 40, pp. 84-85

K. de Kersauson, Catalogue des portraits romains, II, Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1996, n 235, p. 496

作品データ

  • ある男の肖像

    紀元250年から265年

  • 大理石、丸彫

    高さ38cm

  • 旧ルーヴル美術館コレクション目録番号、MR 622(常用番号Ma 341)

    Inventaire MR 622 (n° usuel Ma 341)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    ドゥノン翼
    1階
    ローマ美術:後期古代 紀元3‐5世紀
    展示室27

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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