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作品 うずくまるアフロディーテ

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ヘレニズム時代のギリシア美術(前3-前1世紀)

うずくまるアフロディーテ

© 2006 Musée du Louvre / Daniel Lebée et Carine Deambrosis

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ヘレニズム時代のギリシア美術(前3-前1世紀)

執筆:
Marie-Bénédicte ASTIER

前4世紀から伝わった沐浴するアフロディーテの主題は、女性の裸体を演出するのを好んだ、ヘレニズム時代の芸術家のなかで大成功を収めた。このモチーフは、庭や浴場を飾るためのローマン・コピーにより、頻繁に再現された。この女神は、時にはアムルに付き添われている。サント・コロンブのヴィーナスは、前3世紀におそらくビテュニアのドイダルセスにより制作された、あるうずくまるアフロディーテを表現した、多くの古代の複製品のうちのひとつである。

見繕いをするアフロディーテ

この大理石のアフロディーテは、ギリシア、ローマ芸術家が抱く、その全ての素晴らしさを表した女性裸体への関心を巧みに表現している。この作品は官能性の賛歌、快楽への誘いである。これは1827年から1830年にかけて、通称「鏡の宮殿」と呼ばれた、フランス、イゼール県ヴィエンヌ街のサント・コロンブの浴場で行われた発掘の際に発見された。この女神は、身をかがめ、おそらく項に水をかけるため右手腕を左肩の方に寄せ、左腕は膝に置いた姿で、見繕いをしている瞬間を捉えられている。

ギリシア、ローマ彫刻家にひいきにされた主題

前4世紀の創作に続き、沐浴をするアフロディーテの主題は、ヘレニズム時代の芸術家のなかで成功を収めた。彼らは、多彩な仕草の女性裸体像を習作するのを好んだ。とりわけ装飾効果に有効なこの主題はまた、特に庭や浴場の装飾目的の作品のように、ローマ美術の美術愛好家や複製品作家に高く評価された。このチーフは、この作品の例のように頻繁にアムル(エロス)に伴われていた。アフロディーテは、今日彼女の背中に小さい手形のみ残る、幼い子供の神に伴われている。他のローマン・コピー(ナポリの複製品)に表れているにも関われず、ギリシアの原型でのその存在は不確実である。というのもそれは、どちらかというと複数の複製品作家により選択された、追加とも充分に考えられるからである。

ヘレニズム時代の研究に従属したクラシック時代の伝承

サント・コロンブのヴィーナスは、おそらくブロンズ製であった前3世紀から2世紀初頭に制作された、あるうずくまるアフロディーテを表現した、多くの古代の複製品のうちのひとつである。今日失われたその原作は、大プリニウス(『博物誌』35巻35章)によるローマのオクタウィアの回廊の描写の解釈から、ギリシアの彫刻家ビテュニアのドイダルセスに帰属される。この帰属はしかしながら仮説に過ぎない。というのもそれは、そこから彫刻家の名を読み取るよりも「ある座わるアフロディーテ」と言い表される傾向にあったからである。うずくまる姿勢の大胆さ、人物像の極端に片方の腰を前に出す姿勢、彫像のピラミッド型の構成は、ヘレニズム時代の研究のなかに、このアフロディーテを確実に配置させる。構成は、上半身の前の両腕の交差により閉ざされているが、この人物像はエロスの方にやや傾けられた頭の動きにより三次元の空間に組み込まれている。前4世紀後半、プラクシテレスの有名なクニドスのアフロディーテにより高く評価された、女性裸体の古典的なモチーフは、官能的な曲線、ふっくらした形、豊満な肉体をもつ体の官能性を表現する題材であった。彫刻家は、小さな胸のモデリング、腹部の豊満な曲線、オリエント伝統に見られる表現に定着している、ややどっしりとした腿のなどへ特別な配慮を用いた。

出典

- LAVAGNE H. (dir.), Nouvel Espérandieu, tome I, Recueil général des sculptures sur pierre de la Gaule, Paris, 2003, n° 60, p. 28-29.

- SLAVAZZI F., Italia verius quam provincia : diffusione e funzioni delle copie di sculture greche nella Gallia Narbonensis, Napoli, 1996, p. 56, p. 126, p. 215-216, n° 54, fig. 51.

- MACHAIRA V., Les groupes statuaires d’Aphrodite et d’Eros, 1993, p. 77-78, n° 49, pl. 51-52.

- PASQUIER A., La Vénus de Milo et les Aphrodites du Louvre, Paris, 1985, p. 63-65.

- MANDERSCHEID (H.), Die Skulpturenausstattung der Kaiserzeitlichen Thermenanlagen, 1981, p. 71, n° 28, pl. 15.

- BRINKERHOFF D. M., Hellenistic Statues of Aphrodite : studies in the history of their stylistic development, New York, 1978, p. 35-36, p. 42, pl. 13.

作品データ

  • うずくまるアフロディーテ

    ローマ皇帝時代の作品(1世紀‐2世紀)

    フランス、イゼール県、サント・コロンブ

  • 大理石、丸彫

    高さ96cm

  • 旧ジェランテ・コレクション、1878年購入

    N° d'entrée MNB 1292 (n° usuel Ma 2240)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    1階
    カリアティード(女像柱)の間
    展示室17

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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