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作品 アウグストゥス帝のカメオ

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

アウグストゥス帝のカメオ

© 1994 RMN / Martine Beck-Coppola

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

1785年、ルイージ・ヴァラディエールは、紀元1世紀に制作されたアウグストゥス帝の肖像が彫られた、貴重なカメオを引き立たせるため、豪奢な金具を制作した。帝国における彼の肖像の普及を語る貴重な証拠であるこの胸像は、アウグストゥス帝の統治下(前27年‐紀元14年)に制作された、堅石、大理石、カメオに刻まれた、多くの皇帝の肖像のうちのひとつである。18世紀に制作された台座には、鷹の頭、シマキシャチホコガ、胴鎧などの、多くの古代のモチーフが含まれている。

アウグストゥス帝の肖像画

このカメオは瑪瑙(めのう)でできたアウグストゥス帝の胸像を表わしている。彼はパルダメントゥムという軍隊の指導者がまとう緋色のマントを身に着けている。この肖像画は、プリマ・ポルタのリウィアのヴィラで発見された彫刻の系統に属している様に思われ、前20年頃に制作されたとされる、皇帝の彫像の主だった型の一例である。この作品は、おそらくアウグストゥス帝の生前、紀元1世紀初頭に制作されたと思われる。このカメオの顔のモデリングは、その彫像と同様にこの人物が発するエネルギーを伝えている。そして非常に特徴的な髪形、特にフォーク形を形成する毛筋や、目の上と左こめかみにかかるペンチのような形の前髪は、その彫像のものに類似している。

皇帝の肖像の普及

この作品の性質は不確かなものである。厳密にはカメオでもなく、丸彫でもない、この球体を背景にした胸像の特徴的な表現の仕方は、彼が長杖、もしくは王杖のようなものを頭に頂いているように見えるが、その役割ははっきりと断定できない。この作品は現代に残る多くのアウグストゥス帝の肖像のうちのひとつに数えられる。それらは大理石製肖像だけでなく、堅石や、沈み彫、またはこのようなカメオなどの、より高価な材料も使って制作されていた。これらの肖像は、皇帝の姿を帝国の属州に広く伝えるのに役立ち、帝国のプロパガンダとして役に立った。これらの作品は、パリのフランス国立図書館のメダル室に保管されている、もう1点のアウグストクスの肖像を表わすカメオも証明するように、概してとても質の高いものであった。

ルイージ・ヴァラディエールの金具

1785年、ルイージ・ヴァラディエールは、1741年から教皇庁に保管されていた、この見事なカメオを引き立たせるため、豪奢な台座を制作する任務を受けた。この金具は、近代的な人物像と、教皇庁のコレクションに由来する、古代ローマの美術品を混ぜ合わせた独創的な作品である。赤い大理石でできた六角形の台座の周りには、金めっきをしたブロンズの6人の奴隷が座っている。彼らは、幼稚な表情の仮面を表わす、玉髄製の古代のシマキシャチホコガによってそれぞれ引き離されている。その仮面は、明細に表現されている部分もあれば単純化された部分もある。その上には、前1世紀または、紀元1世紀の多様な断片を含む武器装飾が置かれている。それらは、瑪瑙(めのう)でできたシマキシャチホコガ、同じ素材で彫刻された鷹の頭、水晶でできた胴鎧、紅玉髄でできたつぼの破片などである。この武器装飾の上には、翼を広げ、エマイユを引いた金の月桂冠を支えている金めっきをしたブロンズの鷹がいる。その月桂冠のなかにヴァラディエールは、アウグストゥス帝のカメオをはめ込んだ。ヴァラディエールは、現在マドリードのプラド美術館にある、クラウディウス帝(帝位紀元41-54年)にささげられた大理石の記念建造物に着想を得たのではないかと思われる。そこには、皇帝の肖像が同じく、鷹と武器装飾の上に置かれている。19世紀末又は20世紀初頭に解体されたこの作品は、1988から1990年にかけて再構成された。

出典

- L'Oro di Valadier, un genio nella Roma del Settecento, Rome, Ecole française de Rome, Villa Médicis, 1997, n 5, pp. 70-72.

- ALCOUFFE D. (dir.), Luigi Valadier au Louvre ou l'Antiquité exaltée,  catalogue d'exposition, Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 1994, n 5, p. 84-98.

- BOSCHUNG D., Die Bildnisse des Augustus, Berlin, 1993, n 150, p. 170

-  MEGOW W. R., Kameen von Augustus bis Alexander Severus, Berlin, Walter de Gruyter Publishers 1987, n 32, p. 172.

作品データ

  • アウグストゥス帝のカメオ

    紀元1世紀のカメオ、台座はルイージ・ヴァラディエールが1785年に制作

    プリシラの墓地、ローマ(イタリア)、

    イタリア

  • カメオ:カットされためのう;台座:瑪瑙(めのう)、水晶、大理石、金めっきしたブロンズ、エマイユ

    高さ(カメオ)14cm、高さ(全体)54cm

  • 旧ガスパロ・カルペーニャ枢機卿コレクション、1741年ローマ教皇庁に蒐集、1797年ナポレオン接収品(トレンティーノ条約)、1801年ルーヴル美術館に収蔵

    Bj 1839

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    アンリ2世の間
    展示室33

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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