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作品 アクエンアテン王とネフェルトイティ王妃

古代エジプト美術部門 : 新王国時代(前1550-前1069年頃)

アクエンアテン王とネフェルトイティ王妃

© Musée du Louvre/Chr. Décamps

古代エジプト美術
新王国時代(前1550-前1069年頃)

執筆:
Élisabeth David

ルーヴル美術館には、ネフェルトイティ王妃を表した作品はほとんど無い。唯一、この古代エジプト美術部門にあるアクエンアテン王(アメンヘテプ4世)とネフェルトイティ王妃が手を繋いで並び立ち、真直ぐ前を向いている小像があるのみだ。この彫像は、アクエンアテンの治世下で崇拝されていた、独特な宗教の儀式を示唆している。彫像はおそらく私人の祭壇に祀られ、その前で家族の者が君臨する王夫婦に対し祈祷を捧げていたと考えられている。

公的性格を持つ図像

王と王妃は手を握り合い、歩いている姿で表されている。少々離れてまっすぐに立ち、笑みを湛えることなく正面を見詰めている。薄い亜麻の衣装はひだが体にぴったりと付き、幅の広い首飾りは両肩を覆っている。この王夫婦は、ほとんどの公的肖像に見られるように、王はケペルシュ王冠(青冠)を、王妃は上部が平らな冠をかぶっている。王家であれ私人であれ、このように夫婦が手を繋いでいる肖像は、古王国時代から存在してはいたが、エジプト美術ではごく稀にしか見かけられない。類型学的な観点から言えば、この彫像はごく一般的なものである。様式は、完璧にアマルナ美術様式に従っている。プロポーションは短かめのカノン(規範)、男女ともに似た体型をしており、首は前方に伸び、頭を上げ、リボンが風になびいている。一方、狭く丸いなで肩、きわめて短い胸部、膨らんだ腹部と腰部と腿、きゃしゃな腕と脚など、アマルナ美術独特の肉体的なゆがみは全て表現されている。

手がかりとなる銘

2人が立っている後ろにある幅の広い背面支持板の裏側には、各行に3個のカルトゥーシュ(長楕円形の枠に王名が記されたもの)が、縦2行にわたってヒエログリフで記されている。2行ともに太陽神のカルトゥーシュが2個続き、その後、左の行には王のカルトゥーシュが1個、一方、右には王妃のそれが1個刻まれている。それまでエジプトでは、王が、神と人間の仲介役を担っていたが、アクエンアテンの統治下になって、王と王妃がこの役割を担うことになる。王夫婦はかつて無いほど精力的にこの役割を果たした。太陽はもはや神の姿を取らず、実在感の希薄な単なるアテン神の太陽円盤として表現された。地上における神の唯一の具現者は王夫婦となった。従って、宗教的図像では、王と王妃だけが太陽光線を浴びている。この彫像の銘文にも、太陽と王および王妃の深い関係を示した内容が刻まれ、王の後ろには「地平線に君臨する太陽よ、アテン神の円盤から発する日光となって地平線で喜び輝く太陽よ、永遠に生き続けよ。上エジプトと下エジプトの王、ネフェルケペルウラー・ウアエンラー(アクエンアテン王)よ、永遠に生き続けよ」と記してあり、王妃の後ろには、同様の神の名に続いて「偉大なる王妃ネフェルネフェルアテン・ネフェルトイティ王妃よ、永遠に生き続けよ」と書かれている。

アクエンアテンの宗教、「王と王妃なくして救いは無い」

アマルナ発掘の際に、私人の住居から、王と王妃を描いたステラ(石碑)や彫像など、記念の小品がいくつか発見された。手の届かないアテン神の太陽円盤の地上での唯一の生きた姿として王夫婦が崇拝され、多くの家庭には王夫婦を祀るための小祭壇があった。ルーヴル美術館のこの彫像は持ち運びやすく、おそらく、家に置く崇拝の対象であったと思われる。背面支持板に書かれた一連の聖なる称号から、彫像の制作年代が特定できる。このような称号はアメンヘテプ4世アクエンアテンの統治下9年目以降、あるいは14年目以降からしか見かけられないので、紀元前1345年から王の亡くなった年の紀元前1337年までの間に制作されたと言える。

出典

- ZIEGLER Ch., BOVOT J.-L., Art et archéologie : L'Egypte ancienne, Ecole du Louvre/Editions de la Réunion des musées nationaux/Documentation française, Paris, 2001, p. 206-207, fig. 110.

- Le Monde de la Bible, 2000, tome 124, p. 20-21.

- ANDREU G., RUTSCHOWSCAYA M. H., ZIEGLER C., L'Egypte au Louvre, Hachette, Paris, 1997, p. 54-55, notice 13.

Pharaohs, Treasures of egyptian Art from the Louvre, catalogue d'exposition, Cleveland, 1996, p. 60-61, 96.

- ALDRED C., Akhenaten and Nefertiti, Londres, 1973, p. 63, pl. 39-40.

作品データ

  • アクエンアテン王とネフェルトイティ王妃

    新王国時代、第18王朝、アメンヘテプ4世治世下第9年以降、前1345-前1337年

  • 丸彫彫刻、石灰岩、彩色

    高さ22.2cm、幅12.3cm、奥行き9.8cm

  • 1938年にルイーズ、イングボルグとアサートン・カルティスから遺贈

    E 15593

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    2階
    新王国時代:アクエンアテンとネフェルトイティの時代 紀元前1353‐紀元前1337年頃
    展示室25

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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