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作品 アグリッパ

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

アグリッパ

© 2008 Musée du Louvre / Daniel Lebée et Carine

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Lepetoukha C.

この厳格さを秘めた表情から、オクタウィウス(後のアウグストゥス帝)の副官で娘婿のアグリッパの肖像ということが分かる。この造形的完成度の高い胸像は、今日失われた原作から制作された、古代ローマ時代の複製である。古代の文献によると、いくつもの肖像が彼に敬意を表すために設置されており、そのことからこの肖像もその内の一つだったと思われる。全ての可能性を考慮して考察してみると、紀元前25年頃にパンテオンに設置されたブロンズ製巨像という可能性が一番高い。

完成度の高い肖像

この胸像は熟年の男性の姿で、頭が左に傾いた様子で表されている。髪形は、短くボリュームのない髪束が前方に寄せられた形で構成されている。滑らかな顔の肉付きは、彼が過ごした歳月を物語っており、固い決心が見られる表情により生命感を与えられている。この表情から発射される威厳は、突出した弧を描く眉により陰を落とされた眼差しによって際立たされている。しかしながら感情表現は、極端な悲壮感を通して表わされてはないなく、この作品は深い簡素な表現に留まっている。

オクタウィウス(後のアウグストゥス帝)の側近

この肖像はガビエスのカミーユ・ボルゲーゼ公の所有地にて1792年に発見された。この作品は、1807年にナポレオンが他のボルゲーゼ・コレクションと共に買い上げるまで、ローマのボルゲーゼ公の邸宅に置かれていた。この肖像の認証は当時の硬貨との比較によりほぼ確定することができる。この影のかかった眼差しを持った気迫に満ちた表情は、マルクス・ヴィプサ二ウス・アグリッパ(紀元前63から12年)のものである。アグリッパは、彼と同じように最も多くの肖像をもつアウグストゥス帝の娘婿であり友である。セクスティウス・ポンペイウスとマルクス・アウレリウスを敗退させた主な功労者のアグリッパは、君主の権力を手に入れることができた。政治を司り、芸術を擁護した彼の役割は古代ローマの政界で決定的なものであった。というのも彼は、プラエトル(法務官)、司令官、コンスル(執政官)、造営官としての任務も果たしていたからだ。彼は、ガリア地方のガールの橋などの水道橋、公衆浴場、柱廊や下水道などの改修や建設などを実践した大規模都市政策の先駆者であった。

ローマ原作のギリシア複製品?

この種の肖像の作品例は多く存在する。ルーヴル美術館の頭部は肉付きや骨の構造の存在を顕著にした、造形の高度な品質により抜きに出ている。そしてこの肖像の中に、ローマで活動をしていたギリシャ彫刻家の技や、さらにそのモデルになった作品をも見出したかったのだろうか。実のところこの作品は、古代ローマの作品を元にして制作した複製品である。特有の処理がされた髪形は、この作品のモデルがブロンズ製のものだと思わせる。しかし古代の文献に参照すると、アグリッパの最も有名なブロンズ肖像の内の一つは、パンテオンに設置されていたものである。この建物は彼の指導の下に紀元前25年に完成された。そのことからこの大理石製の複製品は数年後の、紀元前25年から24年頃に位置すると考えられる。しかしながらこの論理は仮説的なものに留まる。というのもこれらの肖像はその土台なしで発見されており、その結果、文献の記載事項と確実に関連付けるのは不可能となる。

出典

F. Johansen, "Ritratti marmorei e bronzei di Marco Vipsanio Agrippa", in Analecta Romana Ist. Danici, VI, Copenhague, 1971, pp. 26-27 fig. 9, p. 45 note n 48.
K. de Kersauson, Catalogue des portraits romains, I, Paris 1986, n 22, p. 54.
Denon, l'oeil de Napoléon, catalogue de l'exposition, Musée du Louvre, Paris, 20 oct. 1999-17 janv. 2000, n 209, p. 204.

作品データ

  • アグリッパ

    前25-前24年頃

    ガビウス(イタリア)

    ローマ(イタリア)?

  • 大理石、丸彫

    高さ46cm

  • 旧ボルゲーゼ・コレクション、1807年購入

    Inventaire MR 402 (n° usuel Ma 1208)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    ドゥノン翼
    1階
    ローマ美術 ユリウス=クラウディウス朝I アウグストゥス帝とティベリウス帝の治世 紀元前27‐紀元37年
    展示室23

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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