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作品 アッシジの聖フランチェスコの聖遺物箱

工芸品部門 : 中世

アッシジの聖フランチェスコの聖遺物箱

© 1995 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
中世

執筆:
Muriel Barbier

この聖遺物箱はアッシジの聖フランチェスコの聖遺物を収めたもので、比較的制作年代がはっきりしている。というのも、おそらく同聖人が列聖された1228年以降に制作されたからである。四葉形という形は、同時代のほかの聖遺物箱にも見られる。一方、いくつかの装飾モチーフと、ぎこちない仕上げは、むしろ12世紀作の手本との関わりを思わせる。聖フランチェスコの聖遺物箱は、リモージュにおける13世紀初めの様式発展を代表する作例である。

リモージュ起源の形

四葉形の聖遺物箱は、厚い木材の芯を銅で覆ってある。鍍金をほどこした1枚目の銅板には、聖遺物を収めた小窓上に、ギリシャ十字形の切り込みが5つ入っている。2枚目の銅板には水晶〔ロッククリスタル〕のカボション〔半球形に研磨したもの〕が5つ取り付けられ、聖遺物が見えるようになっている。一方裏面には、エマイユをほどこした銅板が1枚あるのみである。同様にエマイユをほどこされた円形の脚の中ほどには、畝のある球形の装飾がついている。脚のついた多弁形の聖遺物箱はリモージュを発祥地とする形で、12世紀以降神聖ローマ帝国とフランス北部で知られていた。やはりルーヴルが所蔵する聖ハインリヒの聖遺物箱も、その一例である。同じタイプながらより古いこの作品に比べると、本作品は円形の脚の支えを取り除いた点と、畝のある球形の装飾を加えた点に違いがある。

新しい図像

エマイユ・シャンルヴェをほどこした裏面の銅板には、聖フランチェスコの聖痕発現が描かれている。これは、1226年に死去し1228年に列聖された、同聖人の最古の表現に属する。聖人は植物装飾の間にニンブス〔頭光〕を伴う姿で表され、顔を上げてセラフィム〔熾天使〕の方を向いている。両手と両足にはキリストの聖痕が見える。この表現は、1229年にチェラーノのトマスが著した聖フランチェスコの第一奇跡伝の内容と非常に近く、国立中世美術館〔クリュニー美術館〕が所蔵する、似たような聖遺物箱を構成していた四葉形のプレートにも見られる。アッシジの聖フランチェスコへの崇拝を表す聖遺物箱は、リモージュで初めて制作された。この現象は、小さき兄弟会〔フランシスコ会の正式名称〕の修道院が早くもリムーザン地方に設立され、そこへ列聖からほどなく同聖人の聖遺物が届いたことによって説明される。

古風な様式

形と図像は新しいが、エマイユの構想と様式はより古い時代の手本に近い。脚部は尾に濃淡をつけた向かい合う孔雀で飾られるが、これは12世紀の作例に近い。聖フランチェスコとセラフィムの顔と体にはエマイユがほどこされているが、12世紀以前にはあまり見られないものである。そして植物装飾は、13世紀の「リモージュの作品」に豊富に見られる葉模様のフリーズをまさに想起させる。ゴシック美術の萌芽につながる革新的な主流からは外れるにせよ、リモージュの工房では、本作品の流れを汲む作品がいくつか生み出された。

出典

L'Oeuvre de Limoges. Émaux limousins du Moyen Âge, exposition au Louvre, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1995.

作品データ

  • アッシジの聖フランチェスコの聖遺物箱

    1228年以降

    マジョルカ島の教会由来(推定)

    フランス リモージュ

  • 木材の芯、銅の切り抜き、水晶〔ロッククリスタル〕とガラスのカボション〔半球形に研磨したもの〕、銅に毛彫り、透かし彫り、金鍍金、エマイユ・シャンルヴェ〔生地彫り七宝〕

    高さ36.2cm、幅20.6cm、脚部直径15.2cm

  • 1889年収蔵、ロア氏コレクション旧在

    OA 4083

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    ジャンヌ・デヴルー
    展示室3

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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