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作品 アッティカ赤像式スキュフォス

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

アッティカ赤像式スキュフォス

© 1996 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Marmois-Sicsic Sophie

その二面にはトロイア戦争の挿話が描かれている。それはアガメムモンによる、アキレウスの奴隷ブリセイスの誘拐と、再び戦いに参戦することを拒み、憤慨したアキレウスの元に送られた使者を描いたものである。これらの場面は握手の下にある、一方は木と、もう片方は腰掛けにより分離されている。

ブリセイスの誘拐とアキレウスへの使者

『イリアス』の初めに語られるブリセイスの誘拐は、アキレウスを憤慨させ、戦いから身を引くことを決断させた。しかしユリシーズと大アイアスにより構成された使者は、彼に再び戦いに参戦することを頼んだ。若い娘の誘拐が原因のこの休戦は、51日間、パトロクロスの死まで続いた。その苦痛に打ちひしがれたアキレウスに送られた使者は、頻繁にギリシアの壺に表現された。より広がりを持つ装飾が可能な、この種の飲み物用の壺にしては大型の、ルーヴル美術館のスキュフォスの一面に、マクロンはアガメムモンによるブリセイスの誘拐を描いた。顎髭を生やし、マントが付いた胴鎧をまとったこの王は、槍と、端がライオンの頭で装飾された毛皮に納めた剣で武装している。彼はキトンとヒマティオンにより頭部が覆われた、若い娘の腕をつかんでいる。刻字により命名されたタルテュビオス、ディオメデスが、この二人の人物の後を追っている。彼らはぺタソスを被り、クラミュスを身につけ、エンドロミデス(ブーツ)を履いている。もう一面の構成は、より抑々しく、握手の下に置かれた折りたたみ式腰掛椅子(ディフロス)に似た椅子に座ったアキレウスは、ヒマティオンを身にまとい、赤い加筆により色づけされた薄いサンダルを履き、彼の冑と剣は壁にかかっている。ギリシアから送り込まれたユリシーズは、対話をしている人物の姿勢で、自分の剣に寄りかかり、足を組み、大アイアスとポエニックスと共にアキレウスの帰還を交渉している。 

マクロンとヒエロン

アッティカ赤像式陶器の壺装飾画家の中でも、最も多くの作品を制作した作家のうちの一人マクロンには、約350個の作品が帰属され、画家としては極少数の作品にのみサインをした。彼は三十個程の杯にサインをした陶工ヒエロンと共に常に仕事した。ヒエロンは紀元前5世紀の第1四半期の間、有名な杯の装飾画のアトリエを指揮し、エウフロニオスの画家、ブリュゴスの画家、ピュトンと競い合った。ヒエロンとマクロンは優美な形の杯を大量生産し、このルーヴル美術館の作品に見られるように大型のスキュフォスを丹念に装飾、加工した。そしてそれは、ボストン美術館に保管してあるこの作品の類似品で、マクロンのサインがあり、その飾り鉢にヘレネとパリスが表現されているものにも見られる。マクロンはトロイヤの作品群に関連する主題、ディオニソス、格闘技、宴会の主題を好んだ。このルーヴル美術館のスキュフォスの様式は、それぞれ隣り合わせに配置された、四人の巨大な人物像の周りに単純に編成された構成、丸い輪郭の頭とやや平たいその頂点、そして特に彼が製作した杯の上で踊るメナドが着用する、動きのある、蛇行した折り目をもつ女性の衣紋にみられる、繊細に表現された人物像の着衣の線に特徴付けられる。診察所の画家がそのうちの一人である、マクロンの弟子と後継者は、同じ工房にて仕事をし、紀元前470年まで小型の壺を生産し続けた。

出典

- VON BOTHMER D., The Eye of Greece, 1982, pp. 40-41, p. 45, p. 47, p. 52.

- SHAPIRO H.A., Myth into Art, 1994, pp. 15-16, fig. 7-8.

- KUNISCH N., Makron, 1997, p. 195, n° 331.

- Feuillet pédagogique 3/25 "La guerre de Troie".

- DENOYELLE Martine, Chefs-d’œuvre de la céramique grecque, 1994, p. 132, n° 61.

作品データ

  • マクロンに帰属、陶工ヒエロンのサイン

    アッティカ赤像式スキュフォス

    紀元前480年頃

    アテナイ

  • 陶土、赤像式

    高さ31cm、直径28cm、幅40cm

  • 1863年取得

    G 146

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ギャラリー・カンパーナIV 赤像式ギリシャ陶器 アテネ 紀元前5世紀
    展示室43

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

握手に陶工のサインが線刻:ヒエロンA面とB面:アガメムモン、タルテュビオス、ディオメデス(アキ)レウス