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作品 アッティカ赤像式杯

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : アルカイック時代のギリシア美術(前7-前6世紀)

アッティカ赤像式杯

© Musée du Louvre, dist. RMN / Philippe Fuzeau

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
アルカイック時代のギリシア美術(前7-前6世紀)

執筆:
Marmois-Sicsic Sophie

例外的な大きさにより豪華な壺を思い浮かばせる、この壺の構成は、テセウスに捧げられている。この作品は、メダイヨンの中に、紀元前500年から470年頃の彼の活動後期の間、杯を専門にしたある工房の巨匠であったエウフロニオスのサインがしてある。オネシモスは、その広口の内側がテセウスとアンフィトリテの出会い、外側がトロイゼンからアテナイに導く道中にいるテセウスの偉業により構成された、抑々しい装飾が描かれている。

テセウス

メアンダー文により縁取られた幅の広いメダイヨンは、アテナの目の前で、女神アンフィトリテより、テセウスの神の血統を証明する、冠の授与を表現している。若いテセウスを支えるトリトンの存在と、その場を泳ぐイルカたちは、この場面が海の底で繰り広げられていることを示す。青年の姿で表現されたこの英雄は、薄く、透明なキトンの下は裸で、肩帯の剣を身に付けている。巧みに加工された王座に座り、細かい折り目の付いたキトンと、頭に覆いを成すヒマティオンをまとい、赤色の加筆で描かれたサンダルを履いた、アンフィトリテは、テセウスに向かい手で合図をしている。中央にはアテナが正面を向いて立っており、槍とアテナイの象徴であるフクロウを手にしている。その視線は、アンフィトリテの方に向けられ、その仕草はこの場面の厳粛さを強調する。アンフィトリテと同様、冑の鱗と神盾、フクロウの羽、そのキトンの襞などの、衣服と象徴は、細部のとても細かい線密さを伴い描かれている。広口の外側は、トロイゼンからアテナイに導く道中に、この英雄が成し遂げた4つの偉業の表現により、テセウスの物語郡を仕上げている。それらはメアンダー文の上にあり、ヒマティオンや剣などのこの英雄の象徴が掛けられている木々により分けられている。ブロンズ製のたらいの近くでテセウスは、スキロンを海に放り込むための彼の部隊をひっくり返した。ひっくり返った頭、とびでた目、無造作な髪のスキロンは、落下を避けるため岩にしがみつこうと試みる。この場面の横でテセウスは、プロクルステスの髪をつかみ、剣の一刀でまさに彼を殺そうとしている。もう一方の面では、テセウスは正面を向いた顔にて強調される、激しい恐怖の眼差をしたケルキュオーンと戦っている。テセウスの最後の偉業は、紐を使いマラトンの牡牛の脚を固定することである。

エウフロニオス

紀元前500年代頃、エウフロニオスは杯の生産専門の陶工の工房を指揮するため、画家としての活動を中止した。ブリュゴス、ヒエロン、ピュトンの他の3人の有名な陶工は、紀元前5世紀第1四半世紀に同じような工房を立ち上げた。ルーヴル美術館に保管してある杯は、例外的な大きさでメダイヨンのなかには、陶工エウフロニオスのサインがしてある。そしてJ.D.ビーズレイにより帰属された画家オネシモスは、エウフロニオスの弟子であり後継者であった。二人の作家は、約10点の杯の製作において共に協力し合った。

オネシモス

オネシモスの名は、ルーヴル美術館に保管してあるもう一枚の杯(G105)に赤い加筆で書かれた、その画家のサインにより知られている。そのメダイヨンのなかには陶工エウフロニオスのサインも見受けられる。オネシモスは、創意に富んだ画家であり、アッティカ赤像式先駆者派にて修行をした。彼はまた、動きのある体について多くの研究を行い、人体の筋肉へ大いなる関心を持っている。こ人物の異なった仕草が表現された杯の外側の装飾はまた、この分野での彼の研究の全てを表している。

出典

- NEILS J., The Youthful Deeds of Theseus, 1987, pp. 58-61, n 15.

- Euphronios, Peintre à Athènes au VIe siècle av. J.-C., catalogue d'exposition, Paris, 1990, pp. 214-218, n 55.

- CARPENTER T.H., Les mythes dans l'art grec, 1994, p. 162, fig. 237 et 244.

作品データ

  • 陶工エウフロニオスによるサイン画家オネシモスに帰属

    アッティカ赤像式杯

    紀元前500年‐490年頃

    チェルヴェテリ(カエレ)、(イタリア)

    アテナイ(ギリシア)

  • 陶土、赤像式

    現存する高さ39.90cm、幅49cm、直径39.90cm

  • 1871年取得

    G 104

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ギャラリー・カンパーナIV 赤像式ギリシャ陶器 アテネ 紀元前5世紀
    展示室43

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

メダイヨンのなかに陶工のサイン:エウフロニオス、銘:テセウス、アテナ、アンフィトリテ、トリトン、スキロン、プロクルステス、ケルキュオーン