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作品 アッティカ赤像式聖杯型クラテル

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

アッティカ赤像式聖杯型クラテル

© 1993 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Sophie Padel-Imbaud

クレオフラデスの画家は、紀元前5世紀第1四半世紀に活躍したアッティカ赤像式の最も優れた代表作家である。彼は、ルーヴル美術館のクラテルが証明するよう、大型の壺の周りを中断することなく一周にわたり人物装飾をした初めての作家のように思われる。ここで表現されている挿話はよく知られたものである。それは、ディオニュソスのにぎやかな行列に伴われオリュンプス山に帰還したヘパイストスであり、それはとりわけ叙述的にそして力強く表現されている。

クレオフラデスの画家

この聖杯型クラテルはクレオフラデスの画家に帰属している。彼に与えられた名は、この画家が手がけたいくつかの壺にサインをした陶工に由来する。クレオフラデスの画家は、アッティカ赤像式の最盛期である、紀元前5世紀第1四半世紀に活動した。事実この時代には、優れた画家が多く存在し、彼らは描線の正確さや多彩な主題により際立っていた。そしてこの時代は又、大型または小型陶器の画家のはっきりとした区別が見受けられる時時期であった。クレオフラデスの画家は大型壺の最も優れた代表作家である。彼はエウテュミデスの弟子であり、その師匠から彫刻を思わせる描線の力強さ、とクラテルへの愛着を受け継いだ。

ヘパイストスのオリュンポス山への帰還

この作品の人物像装飾は、握手の上にて中断することなく壺を完全に一周している。それは、既に黒像式の画家が頻繁に表現した神話のエピソードを描いているが、それは、この作品の中で革新されている。この装飾はヘパイストスのオリュンポス山への帰還を物語っている。一説によると、ヘラとゼウスの息子であるヘパイストスは、出生時のあまりの醜さより、母によってオニュンポス山の上から投げ捨てられた。目もくらむようなこの落下により、彼は脚に障害を持つようになる。その後ネレイス達により受け入れられた彼は鍛冶屋としての腕を磨いた。青年になったヘパイストスは、ヘラに復讐をするため彼女にわなが仕掛けられた黄金の王座を贈った。腰をかけ瞬間、この天空の王妃は魔法の紐により自由を奪われた。神々はヘパイストスにヘラを解放し、オリュンポスに帰還するよう懇願した。頑固な彼は、耳を塞いだが、結局ディオニソスのみが彼の考えを変えさせることができた。

陽気な行列

この神話は、この作品のなかで極めて叙述的に描かれている。正面の端には、紐により脚を縛られた状態で王座に座ったヘラが見受けられる。その中央には、職人の円錐型帽子ピロスを被り、ペンチを手に持ち、雄ロバに乗ったヘパイストスに対し、ペタソスを被り、羽の付いたブーツを履き、彼をヘラのもとへ連れて行く、神々の使者ヘルメスがいる。
壺の裏側は鍛冶屋の神に伴ったディオニュソスの行列により占められている。カンタロスを手にしたディオニュソスは、とがった耳を持つサテュロスに支援されている。壺全体にわたりサテュロスとメナドは、動き回り、踊りそして音楽を奏でている。極めて真っ直ぐな鼻、厚ぼったい唇、そしてすでに斜めの角度で表現された目をもつ整った人相は、折り目が構造化された襞の明瞭さと薄めた釉薬の使用、髪や獣の肌に使用された薄い茶色などとともに、この画家の特徴である。

出典

- DENOYELLE Martine, Chefs-d’œuvre de la céramique grecque, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1994, p. 122, n° 56.

作品データ

  • クレオフラデスの画家に帰属

    アッティカ赤像式聖杯型クラテル

    紀元前480年頃

    アテネ

  • 陶土、赤像式(赤色と白色の加筆)

    高さ42cm、直径49cm

  • カンパーナ・コレクション、1861年購入

    G 162

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ギャラリー・カンパーナIV 赤像式ギリシャ陶器 アテネ 紀元前5世紀
    展示室43

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

赤色の加筆「ヘパイストス」