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作品 アッティカ赤像式聖杯型クラテル、通称「ニオベ族のクラテル」

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

アッティカ赤像式聖杯型クラテル、通称「ニオベ族のクラテル」

© 1994 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Sophie Padel-Imbaud

おそらくアテナイまたはデルポイの大型フレスコ画に着想を得たニオベ族の画家は、二つの情景をこの特別なクラテルに装飾した。その多くの人物像は、起状の風景を浮かび上がらせる地面の線に沿って段上に重なっている。片方は、ニオベの子供たちを矢で大量虐殺するアポロンとアルテミスがおり、反対側には、すでにクラシック時代の平静をともなった構成により、アテナと武装した英雄たちに囲まれたヘラクレスが表現されているが、その解釈は定かではない。

不可思議な群集

この壺の正面は異なる高さに配置された十一人の人物像を表現している。そのうち二人の人物のみが識別できる。中央のヘラクレスは棍棒と弓を持ち、ライオンの皮を左上にかけており、左側にはアテナがいる。彼らの周りには複数の戦士がおり様々な仕草で表現されている。この場面の解釈については、多くの討議がされた。そのうち二つの仮定が頻繁に引用された。一つはイオルコスへの有利な風向きを待つアルゴナウタイと、もう一つは、ペルセポネの誘拐未遂の罪を負った、テセウスとペイリトオスを開放するため、地獄へ降りるヘラクレスの挿話である。

ヘラクレスとマラトンの戦士たち

より最近立てられた最後の仮定は、月桂冠を被り、皺がよった、裸眼では見分けが付かない段つきの台の上に立つヘラクレスを、はっきりと演出していることに焦点を当てた。それは彼が偉業を成し遂げた後の、神化された英雄の彫像である。古代の原典によれば、ヘラクレスはマラトンの勝利に手を貸すためそこに立ち寄った。それ以来彼は、アテナイにて崇拝を受け取る事になるといわれている。そのことからこの絵に、戦いの前にこの英雄の保護を受けるために来たマラトンの戦士を見受けることができる。壺のB面は、稀に表現される伝説を描いており、それはこの画家の名前の由来となった。そこにはアポロンとアルテミスによる、ニオベの子供たちの虐殺が描かれている。ニオベは七人の娘と七人の息子の母親であり、二人の子供しかいない女神レトよりも優位に立つ自負していた。この女神の子であるアポロンとアルテミスは、これら運の悪い人間の子供たちを全て殺害し、彼らの母の名誉を急いで回復した。画家はまさにこの瞬間を表現した。神の射者は、その半分が横たわり既に死んでいるニオベの子供を矢で打ちのめしている。

彫刻と巨大な絵画の影響

このクラテルの様式の特徴は、彫刻又は同時期の壁画に大きく影響を受けている。アルテミス、アポロン、ヘラクレスなどの主要人物の仕草は、オリュンピアにて見受けられる、厳格様式の彫刻のそれを思い浮かばせる。しかしこの壺に格別な特徴を与えるのは、壁画が与えた影響のためである。文献による証言のみ残る、紀元前5世紀の第2四半世紀に発展したこの主要美術は、異なる高さに配置された多くの人物を含む複雑な構成を作り上げた。その構成はこの作品の中で広がりを持って表されており、壺装飾では最も古い人物像の伝統的なイソケファリーが表れている。

出典

- DENOYELLE Martine, Chefs-d’œuvre de la céramique grecque, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1995, p. 138, n° 64.

- DENOYELLE Martine,  Le Cratère des Niobides, 1997.

作品データ

  • ニオベ族の画家に帰属

    アッティカ赤像式聖杯型クラテル、通称「ニオベ族のクラテル」

    紀元前460年から450年頃

    イタリアのオルヴィエートに由来

    アテナイ

  • 陶土、赤像式(白色の加筆)

    高さ54cm、直径56cm

  • ティシュキエヴィッチ・コレクション、1883年購入

    G 341

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ギャラリー・カンパーナIV 赤像式ギリシャ陶器 アテネ 紀元前5世紀
    展示室43

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

A面:ヘラクレスとアルゴナウタイ、またはマラトン(?)のヘラクレスB面:ニオベの子供たちの虐殺