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作品 アッティカ赤像式聖杯形クラテル

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : アルカイック時代のギリシア美術(前7-前6世紀)

アッティカ赤像式聖杯形クラテル

© Musée du Louvre, dist. RMN / Philippe Fuzeau

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
アルカイック時代のギリシア美術(前7-前6世紀)

執筆:
Kardianou-Michel Alexandra

ギリシア陶器の中の傑作品であるエウフロニオス作の、通称「アンタイオスのクラテル」と呼ばれる、聖杯形クラテルは、アッティカ赤像式の壺生産の中でも最も洗練された作品の一つである。戦う体の筋肉の細部の正確さと同じように前代にない表現の仕方、アンタイオスの顔の写実主義は、まさに斬新で、革新的な要素である。巨大な群れは、それに加え、背後の逃げる女性たちの分岐した構成により引き立たされている。

エウフロニオスと先駆者たち

赤像式の技術は紀元前530年頃アッティカにて出現し、黒像式の使用に終わりを告げた。最初の10年は、開拓の時期であった。そして紀元前520年代頃に、他に例のない斬新な「先駆者たちの作家郡」が結成された。フィンティアス、エウテュミデス、そしてとりわけエウフロニオスなどの画家たちは、幅広く、好奇心があり、革新的であり、カキュイリオンやエウキテオスなどの陶工と連結し、仕事を分担しながら、想像力豊かで、斬新な先駆者の集まりをつくった。その前任者の厳しい枠から解放された彼らは、いくらかの遠近法を作り上げる短縮法を使いながら、より自然な姿勢の体にボリュームを与え、壺の空間を埋めていった。筋肉は、明るい栗色に薄められた釉薬の使用により、正確な肉体の細部まで表現されている。同じ自然主義は、布地の折り目の加工を特徴付けている。それらは、スタムノス、ペリケ、把手が螺旋状のアンフォラなどの壺の新しい形の由来でもある。エウフロニオスは、画家の活動を紀元前520年頃に始め、20年間続けた。紀元前5世紀の最初の30年、彼は陶工として仕事をした。彼の最後の作品は、紀元前470年代に推定される、ピストクセノスの画家が描いた杯である。

英雄と巨人

エウフロニオスは神話の構成を描くと同時に、日常生活の場面も表現した。2種類の装飾は、この壺に共存する。B面には、座っている仲間の中央にある壇上に上がる、アウロスを持つ若い男が描かれた音楽コンクールが装飾されているのに対し、A面ではヘラクレスと巨人アンタイオスとの戦いが行われている。棍棒、矢筒、などの英雄の武器とライオンの皮は、その場に描かれ、ポセイドンとゲー(大地)の息子アンタイオスは、記載された文字により判断がつく。この場は、その戦いの後の様子である。アンタイオスは大地との接触による力を取り込んだ。彼を衰えさせるためヘラクレスは、絞め殺す前に彼を持ち上げた。アンタイオスの体はゆだねられた姿勢で描かれている。右手は力なく横たわり、その顔には疲れが見える。やや開いた口は、苦しみで引きつったゆがみのなかに歯を見せている。目の上部の方の虹彩もまた、その末期が近いことを強調している。依然迫力のある体勢で足をふんばるヘラクレスは、そこに注がれた努力を全く見せない。そのうちの一人には山形模様で完璧に描かれた顔を囲むカールされた毛により整えられ、もう一人には、大まかな筆遣いで加工された無頓着な毛で表現され、アンタイオスの目立った口ひげや眉毛などの、髪形や顎鬚の加工の違いは、彼らの対比を浮彫にする。画家は、文明化したギリシア世界の英雄と、野蛮な巨人の大きな違いを強調したかったのかもしれない。背景の女性たちは、2つの体の重要性を強調する遠近法をつくるため、最も小さく描かれた。

出典

- "Euphronios Peintre. Rencontres à l'École du Louvre", in Actes de la journée d'étude organisée par l'École du Louvre et le Département des Antiquités grecques, étrusques et romaines du musée du Louvre, 10 octobre 1990, 1992.

- Euphronios, Atti del Seminario Internazionale di Studi, Arezzo 27-28 Maggio 1990, 1992.

- Euphronios und seine Zeit, Kolloquium in Berlin 19-20 April 1991, 1992.

- Capolavori di Euphronios, un pioniere della ceramografia attica, 1990.

作品データ

  • 画家エウフロニオス(によるサイン)陶工エウキテオス(に帰属)

    アッティカ赤像式聖杯形クラテル

    アルカイック時代、紀元前515‐510年頃

    チェルヴェテリ(イタリア)

    アテナイ(ギリシア)

  • 陶土、黒像式、釉薬、線画、赤色の加筆、線刻、山形模様

    高さ44.80cm、直径55cm

  • 購入寄贈、旧カンパーナ・コレクション、旧D.ヴォン・ボートマ・コレクション、1863年、1978年

    通称「アンタイオスのクラテル」

    G 103

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ギャラリー・カンパーナIV 赤像式ギリシャ陶器 アテネ 紀元前5世紀
    展示室43

来館情報

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