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作品 アッティカ赤像式鐘形クラテル

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

アッティカ赤像式鐘形クラテル

©2005 Musée du Louvre / D. Lebée et Carine

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Sophie Marmois-Sicsic

人間の中で最も美しいと見なされていた、トロイアの若い英雄ガニュメデスは、ゼウスにより誘拐され、オリュンポスで酌をする召使として使用された。この主題は、一方の面に鶏を手にし、輪で遊ぶ青年、その反対側に王杖を持ったゼウスを表現している。二人の人物は単にメアンダー文により装飾された帯の上に配置されている。エウフロニオスの画家により作り上げられた、この装飾の原則は、とても頻繁にベルリンの画家により使用され、それはその活動期間全体に見受けられる。

ゼウスとガニュメデス

その美しさにより有名なトロイアの若い英雄ガニュメデスは、ゼウスに誘拐されたといわれるが、他の神話の説では、トロイアの街の近くで父が所有する羊の群れを世話しているとき、ゼウスの鷹によりさらわれたとされる。鐘形クラテルのそれぞれの面は、ベルリンの画家がその活動期間全体にわたり使用した構図により構成されている。それは、壺の黒い表面に浮彫にされたある人物像が、メアンダー文により装飾された帯の上に配置される形を取る。クラテルの正面には、裸体で、解かれた赤茶色の髪をもつ、赤い加筆で描かれた葉の冠をつけた青年が、棒を用いて輪を回しながら歩いている。古代にて、輪は、子供と青年に使用された遊戯道具のひとつであった。この壺でこの道具は、ガニュメデスの若さを象徴している。その他に彼が手にする鶏の存在は、壺に描かれているよう、カップルがそれぞれ交わす愛の贈り物を表現し、ゼウスとガニュメデスの間に芽生えた誘惑駆け引きを説明している。もう一方の面ではヒマティオンを身にまとい王杖を持ったゼウスが、この若者に向かい慌しい一歩を踏み出している。二面にわたり配置されながらも、その動作や象徴の演出により結び付けられた、これらの人物像、特にガニュメデスのそれは、簡潔さと、構造の調和を強調する。

壺の形

鐘形クラテルの変形型であり、その握手の斜めの配置により特徴付けられる小耳付きクラテルは、宴会の際、ワインと水を混ぜるために使用された。アッティカの壺の生産品の中でもかなり珍しい、この種のクラテルは、ベルリンの画家に頻繁に使用された。脚の不在は、この壺が基盤または支柱の上に置かれていたことを想像させる。陶工はこの作品の中で調和の取れた均整のクラテルを製作した。というのも壺の高さは、その直径に等しく、その底部は輪の直径に等しいことが認められるからである。

ベルリンの画家

このアッティカの無名の画家は、ビーズレイにより、ベルリンに保管してある名祖アンフォラから命名された。彼は自分の手がけた壺にサインをする事は無かった。アッティカ赤像式の先駆者の流派の下で修行し、そこから動きのある体の研究と裸体の表現の仕方を学んだ、この優れ素描家は、その活動期間の間(紀元前500年から460年)大量の壺を生産した。彼は大型の壺を装飾だけで無く、多くのアンフォラをも装飾した。それらは、共通する動きにより関連付けられた、孤立した人物像を引き立たせるため、付属的装飾は極わずかしか使用されなかった。繊細さと柔軟さに特徴付けられる彼の技術は、この画家を、立体的な線と、ガニュメデスの髪に見られる、薄められた釉薬の使用に秀でた者としている。

出典

- DENOYELLE Martine, Chefs-d’œuvre de la céramique grecque, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1995, p. 114-115, n° 52.

- Feuillet pédagogique "Jeux et Jouets dans l’Antiquité", n° 3/48.

- Feuillet pédagogique "John Davidson Beazley et l’analyse scientifique des vases grecs", n° 3/15.

作品データ

  • ベルリンの画家に帰属

    アッティカ赤像式鐘形クラテル

    紀元前500年から490年頃

    エトルリアに由来

    アテナイにて制作

  • 陶土、赤像式

    高さ33cm、直径33cm

  • 1861年購入

    G 175

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ギャラリー・カンパーナIV 赤像式ギリシャ陶器 アテネ 紀元前5世紀
    展示室43

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

A面:ガニュメデス、B面:ゼウス