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作品 アッティカA型黒像式杯

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : アルカイック時代のギリシア美術(前7-前6世紀)

アッティカA型黒像式杯

© 2007 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
アルカイック時代のギリシア美術(前7-前6世紀)

執筆:
Kardianou-Michel Alexandra

幅の広い長い脚をもつ、連続した反りのこの黒像式の杯は、紀元前6世紀中期にアテナイで活動していた陶工ニコステネスのサインがしてある。その形の多様さと生産の豊富さは、この陶工を全く特別な存在にしている。広口の二面は、杯のものにしては、どちらかというと珍しい主題にて装飾されている。それは二艘の戦艦が帆を立てて航海している様子を描いている。把手の下の飛び跳ねるイルカと、サイレンはこの場面を補完している。

陶工であり画家であるニコステネス

自分の工房をもつニコステネスは紀元前545年から510年に活動し、黒像式139点、赤像式10点の壺にサインをした。その量の多さ、質、多様性により異例な彼の作品群は、陶工のサインがしてあるアッティカ黒像式の壺の、全体の四分の一を占める。かれは最も古いプシュクテルのうちの一つにサインをし、大型壺の装飾にシックスの技術を導入した。彼は、脚の長い、口が広がった、円錐の蓋をもつピクシスまたは、通称「ニコステネスのアンフィら」とよばれるアンフォラのようら、壺の型を再現した。平らな把手、ブロンズの原作やエトルリアの作品を真似る胴部などの形は、彼の製作の中でも最も特徴的である。このブッケロのアッティカ黒像式アンフォラ版は、輸出のためにのみ作られ、それはニコステネスの商売への慧眼をうきたたせている。彼はアナクレス、リュドス、そして他のオルトス、エピクテトスなどの赤像式の壺の画家と仕事をした。

装飾

この杯は、それぞれの面に二艘の戦艦が表現されている。真っ直ぐな舳先をもつそれぞれの船には、お守りの目の装飾が、その船嘴がいのししの頭の形をした舳先の上に描かれている。操縦士は、立ち、見張りをしている。舵手は端が曲がった白鳥の首の形をした船尾にいる。梯子はそこに横向きで付けられている。イルカたちは船に続き、把手近くの唐草模様の葉飾りの上に描かれているサイレンは、この装飾を補完している。この画家は、おそらくユリシーズとサイレンのホメロスの叙情詩を暗示したかったのかもしれない。

ギリシアの船

移動する波の連続は、ギリシア人船乗りに、二段式ガレー船に列を成す五十人のこぎ手を含む古代のペンテコンターから、重ねられた二列のこぎ手による幅の狭い船への変更を押し薦めさせた。その尖った船嘴と戦いのデッキとともに、二段式ガレー船は、運送と同じよう戦争に適しており、櫂や帆は即座に進化した。700年から650年頃フェニキア人は、彼らの船の速度と積量を増加させ、より遠い市場を開拓し、彼らのライバルであるギリシア人を西部に押しやり動けなくさせた。600年頃コリントス人は、三つ目の櫂の列を他の二列と同じ縦の線上ではなく、外柄にずれたところに設置した。きわめて扱いやすい三段オールの帆船は、第三期のギリシア植民地化の勝利、そしてその後の480年のペルシアの艦隊に対しサラミスの海戦での勝利を確固たるものにした。発掘にて、ギリシア船の小型モデルを発見する。それは、頻繁にテラコッタ製でありが、時には象牙やブロンズ製のものもある。ブロンズの装飾品を備えつけられた船嘴は、多くの場合動物の頭の形をしている。見せかけの部品は明るい色調で描かれていた。アルカイック時代の壺に描かれた最古の三段オールの表現は、6世紀初期に当たる。杯の装飾では珍しいこの主題は、ディノスにては頻繁であった。そこでは、船が口の内側に表現されていた。壺が液体で満たされたとき、これらの船は浮いているように見える。

出典

- BOARDMAN J., Les Grecs outre-mer. Colonisation et commerce archaïques, 1980.

- CASSON L., Ships and Seamanship, 1971.

- MORISSON J.S.M. et WILLIAMS R.T.,Greek Oared Ships, 1968.

- TOSTO V., The Black-figure Pottery Signed NIKOSTHENESEPOIESEN, 1999.

作品データ

  • ニコステネス(に帰属)

    アッティカA型黒像式杯

    アルカイック時代;紀元前530年から520年頃

    ヴルチ(イタリア)

    アテナイ(ギリシア)

  • 陶土;黒像式、釉薬、線刻、白色と赤色の加筆

    高さ11cm、直径28cm、幅35cm

  • 1833年頃カニーノ公による発掘。旧デュラン・コレクション、ブグノ・コレクション、ホープ・コレクション、ロンデル・コレクション、1866年取得

    A面とB面:船

    F 123

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ギャラリー・カンパーナIII 黒像式ギリシャ陶器
    展示室42

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

おそらく前方の帆の上に、ギリシア語の記載事項(陶工ニコステネスのサイン)NIKOSTHENESE.OIE(ニコステネス製作)