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アテニエンヌ

© Musée du Louvre, dist. RMN / Thierry Ollivier

工芸品
19世紀

執筆:
Barbier Muriel

このアテニエンヌは執政官ナポレオン・ボナパルトのために制作され、チュイルリー宮の寝室を飾っていた。この作品は古代の三脚台から着想を得ており、木工細工師マルタン=ギヨーム・ビエネ(1764‐1843年)によって制作された。ビエネの活動は1792年の同業者組合廃止以降、家具や金銀細工にも広がっていた。このアテニエンヌは、19世紀初頭に人々の間で見られた古代趣味と、ナポレオンの好みを示している。ナポレオンはこの品をセント・ヘレナ島まで持って行った。

アテニエンヌとは何か

このアテニエンヌの形は古代の三脚台を基にしている。古代の三脚台は、桶を支える三脚の小さな家具である。たいていブロンズ製だが、銅、銀、石、あるいは金で作られたものもあった。普段コンロとして使用されるものもあれば、 奉納品として神々を讃えるために神殿へ納められるものもあった。三脚台は古典主義時代、急速に広まった。18世紀中頃の古代に対する関心を機に、この種の家具は新たな発展を遂げる。1773年ジャン=アンリ・エベールは、ひとつで小型円卓、香炉、コンロ、植木鉢などに利用できる三脚台を考案し、「アテニエンヌ」(アテナイの女の意)と名付けた。ジョゼフ=マリ・ヴィアンの絵画《徳高きアテナイの女》の中で、ギリシアの女が三脚台の上に奉げ物を供えているところから想を得たものである。

古代と水のモチーフ

このアテニエンヌの図案はシャルル・ペルシエ(1764‐1838年)によるもので、非常に優雅である。イチイ材の脚は上品な弧を描き、上に載ったパルメットの柱頭の中には上彫と金めっきを施した丸彫りの白鳥が巣を作っている。白鳥は羽と首で、波模様のフリーズで飾られたブロンズの輪を支えている。このブロンズの輪は葦と樫の葉を彫刻した洗面器を支える。脚の間の棚は、蜜蜂で飾られた小さな四角い接合部品とイルカとで脚に繋がれている。イルカと白鳥は、古代のモチーフであるとともに、水を象徴するモチーフでもある。こうして、このアテニエンヌの洗面器という役割が示されている。

19世紀初頭に特徴的な作品

白鳥は、統領政府時代と帝政期に繰り返し現れる主題である。建築家であり室内装飾家でもあるベルトーは、このモチーフをレカミエ夫人の寝台の装飾に選んでいる。19世紀初頭という古代の文化が人々の好みへ大きく影響した時代に、三脚台の形はこれまでになく流行した。ペルシエとフォンテーヌらの建築図案集には、この種の家具の図案が数多く紹介されている。しかし、三脚台はもはや多様な用途を組み合わせたものではなく、このナポレオンの三脚台のように洗面台として使用された。「アテニエンヌ」という名称は君主が使う贅沢な作品だけに与えられた。ビエネは他にも化粧用や書斎用の小型調度を制作しており、ビエネ作のアテニエンヌはこれ以外に2点知られている。1点はニューヨークのメトロポリタン美術館に、もう1点はフォンテーヌブロー城に収蔵されている。

出典

Exposition Martin-Guillaume Biennais, l'orfèvre du Roi, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 2003, pp. 21-22.
Exposition D'après l'antique, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 2000, pp. 346-347.

作品データ

  • マルタン=ギヨーム・ビエネ(1764‐1843年)図案:シャルル・ペルシエ(1764‐1838年)

    アテニエンヌ

    1800‐1804年の間

    パリ、チュイルリー宮、ナポレオン1世の寝室

    フランス、パリ

  • イチイ、金めっきしたブロンズ、金めっきした銀

    高さ90cm、直径47cm

  • OA 10424

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    ビエネ
    展示室70

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

洗面器と水差しに銘文:Ce meuble qui a servi à l’Empereur Napoléon jusqu’à ses derniers moments est échu en partage à sa sœur Caroline(皇帝ナポレオンの最期まで使用されたこの家具は、遺産分配により妹カロリーヌの所有となる)