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作品 アテネ、通称「アングルのミネルヴァ」

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

アテネ、通称「アングルのミネルヴァ」

© 2006 Musée du Louvre / Daniel Lebée et Carine Deambrosis

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

この胸像は、紀元前460年から435年に活動したアテナイの彫刻家、ペイディアスの作品に着想を得た、多数ある一連のローマン・コピーのうちの一つである。アテナイのパルテノン神殿にあるアテナ像を手本にして制作された、この種の人物像は、アテナイのアクロポリスのブロンズ製アテナ・プロマコスやプラタエアのアテナ・アレイアなどにも使われた。おそらくモデルとなったアクロリトンの技術を真似るため、複製品作家により用いられた部品をはめ込む技術は、この仮定をより確固たるものにする。

アングルのミネルヴァ

迫力のあるアングルのミネルヴァは、フランス人画家アングルが、ローマのフランス・アカデミー院長を勤めていた頃、ローマのメディチ家のヴィラの庭にあった。そして彼はこれをフランスに送ることを決意した。作品は、パリの国立美術学校に数十年保管された後、1913年ルーヴル美術館に収集された。この像は、紀元前5世紀に制作されたギリシアのオリジナル作品に着想を得た、豊富な一連のローマン・コピーのうちの一つである。頭部と両腕は、おそらくオリジナル作品のアクロリトンの技術を真似するための技法による、はめ込みのへこみが示唆するように、体の末端は異なる素材にて、別に彫刻され付け加えられた。肩にかけた神盾によりアテナと判断できる。メデューサの頭部を装飾するアマルテイアのヤギの皮は、かつては鉄製の蛇にて縁取りされていた。この女神はおそらく、三つの羽飾りの付いたアッティカの冑を被り、アテネの偉大さと彼女の守護神の強さを意味する象徴を備えていた。

ペイディアス古典主義の反響

この作品は、アテナイの彫刻家(紀元前470年から435年に活動)の跡を追う、紀元前5世紀後半に発達した古典主義と、ペイディアスの技巧を忠実に転写している。女神の姿勢、均整の調和、寛衣の加工は、パルテノン神殿で彫刻された人物像に全面的に現れている美しさを引用している。このアテネはそれらと同じような格好をしている。彼女は、キトン、ぺプロス、左肩に無造作にかけられたマントをまとった姿である。作家は、異なる生地の対比を演出する。右足の動きは、キトンの薄い襞を持ち上げるが、ペプロスの深く刻まれた折り目は、柱の溝のように、重心のかかった脚の硬直さを露にしている。

ペイディアスのアテネの複製品

この作品の類似性が万人に受け入れられるのなら、その名については論議されている。アングルのミネルヴァにより制作された神像のタイプは、パルテノン神殿に設置された、紀元前440年頃ペイディアスによって制作された金と象牙の傑作品、パルテノン神殿のアテネの複製品の一種のように推測される。その着物は、その神像に同じく、姿勢は単に逆転している。ポウサニアスの『ギリシア誌』などの古代の文献によると、この彫刻家はこの女神を模った多数の有名な神像を制作した。その中で、この作品の複製作家が着想を得たものを断定するのは困難である。一部のものは、紀元前5世紀中期頃にアテナイのアクロポリスに設置されたブロンズ製巨像、アテナ・プロマコスの複製品に関連付けるが、他の者は、殆ど同時期にレムノス島の住民によりアテネに贈られた、アテナ・レム二アの影響を受けていると推測する。複製作家が用いたアクロリトンの技術を理由に、プラタエアのアテナ・アレイアを示唆するものはいない。というのもこの仮定は、古銭学による証明に逆らうように思われるからである。

出典

Holtzmann B., L'Acropole d'Athènes : monuments, cultes et histoire du sanctuaire d'Athéna Polias, Picard, Paris, 2003, p.99.
Rolley Cl., La sculpture grecque, II. La période classique, Picard, Paris, 1999, p.132, fig.118.
Haeger-Weigel E., Griechische Akrolith-Statuen des 5. und 4. Jhs. v. Chr., Berlin, 1997, p.86-90, p.200-208, p.269-270, n 13, pl.12.1, 15.2, 43.2, 47.2.
Harrison E.B., Palagia D., Pollitt J.J., Personal Style in Greek Sculpture, 1996, p.54-58.
Potvin M., Plis et drapés dans la statuaire grecque, Louvre. Visite jeune public, Paris, 1991, n 13, p.25.
Ridgway B. S., Fifth Century Styles in Greek sculpture, Princeton, 1981, p.169-170, fig.111.
Chamoux Fr., "Le type de la Minerve Ingres (Athéna Médicis)", Bulletin de Correspondance Hellénique 68-69, 1944-1945, p.206-239.
Michon E., "Le" Torse Médicis ", au Musée du Louvre ", Les Musées de France 4, 1913, p.49-52, pl.19.

作品データ

  • アテネ、通称「アングルのミネルヴァ」

    ローマ皇帝時代の作品(紀元1世紀または2世紀?)

    ローマ、イタリア

    ローマ(?)、イタリア

  • ペンテリコン産の大理石(アッティカ)、丸彫

    高さ2.60cm

  • 旧メディチ家のヴィラの収蔵品、アングルにより収集、1913年国立美術学校帰属

    アテネ、メディシス

    N° d'entrée MND 990 (n° usuel Ma 3070)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    1階
    メルポメネのギャラリー
    展示室15

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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