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作品 アフロディーテ、通称「アルルのヴィーナス」

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

アフロディーテ、通称「アルルのヴィーナス」

© 2006 Musée du Louvre / Daniel Lebée et Carine Deambrosis

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
C. Lepetoukha

この作品の先駆けとなる、プラクシテレスのクニドスのアフロディーテとの類似性は、アルルのヴィーナスのなかに、おそらく紀元前360年頃に制作されたテスピアイのアフロディーテと思われる、この彫刻家の作品の複製品を見ることができる。

《アルルのヴィーナス》

この彫像は、しなやかに片方の腰を前に出す姿勢で立つ女性像を表現している。下半身を覆うヒマティオンは、かなり細い上半身を露にしている。挙げられた右手にはリンゴを持ち、左手には、顔の向きがそれに伴う鏡の柄の存在が確認できる。中央の分け目より分離され、しなやかなウエーヴにより整えられた髪形は、シニョンと、その先端が肩にかかる二重のリボンによりまとめられている。その髪形は、厚ぼったい唇とまぶたが刻まれた楕円形の顔を縁取っている。

ルイ14世のための修復

アルルの旧古代劇場が位置する場所にて1651年に発見されたこの作品は、1683年アルルの町より王に寄贈された。拡大された操作ににもかかわらず、その両腕が見つかる事はなかった。しかしこの不完全な状態は、17世紀の人々には受け入れられず、断片的な古代彫刻に過去のしなやかさを与えるために修復が行われた。それは、王室の彫刻家ジラルドンに任された。作品は、当時の嗜好に従った仕上がりになり、それは鏡の間に設置される特権を得た。作品は、1798年ルーヴル美術館に移転されるまでそこに展示されていた。一部のものによると、作品を変質させるまでに変貌させたとも言われるが、修復の範囲を把握するのは困難である。最もジラルドンが欠落した部分を補ったのは確かである。左腕の位置が正しいものならば、右腕はこの型の他の複製品から、むしろ挙げられているように考えられる。ジラルドンは、支柱をも削除した。その一つは右肩の上にあり、それはリボンに変えられた。もう一つは、右の腰に位置したが、思うように極端な方法で肉体のボリュームに変化させられなかったようである。もう一方で、この彫刻に過度な装飾無しに、アフロディーテを示す象徴のみを持たせることで、彫刻家はおそらく裏付けされた考えを基に見解を与えたが、アルルの人々は愛の豪奢な女神よりむしろ、それがむしろアルテミスであると想像していた。

テスピアイのアフロディーテの反映?

《アルルのヴィーナス》は、紀元前4世紀中期に活動したアテナイの彫刻家、プラクシテレスの作品に結び付けられた。クラシック時代に修行した彼は、やや重々しい口やまぶたとクラシック時代のコントラポストを尊重する彫像の仕草の中に、5世紀の特徴を残している。しかしながら流動的なリズムの均衡に生命感を与える、曲がりくねった線と上半身の裸は、新しい要素である。それは、後のアテナイ制作、特にその最も知られた作品である、クニドスのアフロディーテを予兆する。この型とそれは、同じ楕円形の顔、同じ髪形の構成、同じくねりを表している。しかし《アルルのアフロディーテ》はその肉体の全体的な露出をまだ行っていない。文献に記載された、プラクシテレスが制作した全てのアフロディーテのなかで、紀元前360年頃にテスピアイに設置されたものがある。《アルルのヴィーナス》はこの作品の複製品と推測される。

出典

- FORMIGE J., « Note sur la Vénus d’Arles », in Comptes-rendus de l’Académie des Inscriptions et Belles-Lettres, t. 39, 1911, pp. 658-664.

- HERON De VILLEFOSSE A., « Un Moulage ancien de la Vénus d’Arles », in La Revue de l’Art ancien et moderne, t. 31, janv-juin 1912, pp. 11-96.

- MICHON E.,  « La Vénus d’Arles et sa restauration par Girardon », in Monuments Piot, 21, 1913, pp. 13-45.

- PICARD C., Manuel d’archéologie grecque. La sculpture. Tome 3 : période classique – IVe siècle (1ère partie), Paris, Picard, 1948, pp. 460-477.

- SISMONDO-RIDGWAY B., « The Aphrodite of Arles : a Problem of Chronology », in Studies in Art History, II, Maryland, 1976, pp. 35-42.

- SISMONDO-RIDGWAY B.,  « The Aphrodite of Arles », in American Journal of Archaeology, 80, 1976, pp. 147-154.

- Pasquier A., La Vénus de Milo et les Aphrodites du Louvre, Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 1985, p. 53.

- BOURGEOIS B., « La Vénus d’Arles ou les métamorphoses d’un marbre antique », in Actes du 4e colloque international de l’ARAAFU, Paris, 1995, pp. 125-137.

作品データ

  • アフロディーテ、通称「アルルのヴィーナス」

    アウグストゥス帝(紀元前1世紀末)時代に制作された作品

    1651年アルル(フランス)の古代劇場にて、三つの破片で発見

  • ヒメトス山(ギリシア、アテネ地方)の大理石、丸彫

    高さ1.94m

  • 1683年アルルの町より王に寄贈された旧王室コレクション;ヴェルサイユ宮殿に展示1797年革命接収品

    Inventaire MR 365 (no usuel Ma 439)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

鼻の先、首の下部、左耳の二つの破片、帯の先端部、右腕、左前腕、ヒマティオンの部分は修復された。