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作品 アフロディーテ、通称「ミロのヴィーナス」

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ヘレニズム時代のギリシア美術(前3-前1世紀)

アフロディーテ、通称「ミロのヴィーナス」

© 2010 Musée du Louvre / Anne Chauvet

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ヘレニズム時代のギリシア美術(前3-前1世紀)

執筆:
ASTIER Marie-Bénédicte

1820年のメロス島での発見よりこの神像は、その優美さとその解釈を巡るなぞにより人々を魅了している。この作品は、頻繁に半裸で表現されているアフロディーテ、もしくはミロで崇拝されていた海の女神アンフィトリテを表現したのであろうか。この彫像は、ヘレニズム時代末の彫刻家の研究を反映している。クラシック時代の反映に満ちたこの作品は、その螺旋状の構成、空間の中への人物像の挿入、腰の襞の滑りにより革新している。

手足を失った傑作品の発見

ミロのヴィーナスは1820年、キクラデス諸島の南西の島、メロス島(現代ギリシア語でミロ)で発見された。リヴィエール侯爵はこの作品をルイ18世に献呈し、後者は翌年ルーヴル美術館にそれを寄贈した。この作品はその当時より名声を得ていた。主に2つの大理石のブロックで構成されたこの彫像は、別に加工された複数の部分によりできており、はめ込み部品の技術を使い、上半身、両脚、左腕、左足はなどは、縦はめ込みにより結合されている。この加工方法は、ギリシア世界のなか、とくに前100年頃にこの作品が制作されたキクラデス諸島にてとても普及していた。この彫刻の両腕は発見される事はなかった。女神は腕輪、イヤリング、髪をまとめる帯などの鉄製の装飾品により飾られていたが、現在ではそのための固定の穴のみが残っている。今日失われた多彩装飾は、この大理石像を引き立たせていたと思われる。

象徴物を持たない名もなき女神のなぞ

この女神はなぞに包まれており、その仕草もまた解読不可能である。不足する部位と象徴物の欠落は、この彫像の復元と識別を困難にする。そしてその仕草は、様々な憶測を呼び起こした。柱に寄りかかる姿勢、アレスの型に肘を付いている様子、または多様な象徴物を持っている様などがその例である。弓またはアンフォラを持っていたか否かで、これはアルテミスまたはダナイスと推定される。多くのものが、半裸の状態、波型の輪郭の女性らしさ、形の官能性から、この肖像をアフロディーテの彫像と考える。彼女はおそらくパリスの審判を暗示するリンゴ、冠、その反映が映し出された盾または鏡を持っていた。しかしこれはまたミロ島で崇拝されていた海の神、アンフィトリテの可能性もある。

ヘレニズム時代の作品:クラシック時代の継承と革新

この彫像は時に、前4世紀末の原作より自由に着想を得た複製のように考えられていた。それはこの彫像と同様の型のローマン・コピーである、カプアのアフロディーテ(ナポリ国立考古博物館)に類似する事に由来する。実際ミロのヴィーナスは、クラシック時代の伝統と再び結びついているが、どちらかというと前2世紀末の古典主義的な再現のように見られる。その高慢な人相、顔の輪郭の調和、冷ややかさは、前5世紀の美学の名残である。髪型、肉体のモデリングの繊細さは、前4世紀の彫刻家、プラクシテレスの作品を想起させる。しかしながらこの作品は、前3世紀から1世紀の間のヘレニズム時代の期間に出現した革新を反映している。螺旋状の構成、三次元空間への人物像の挿入、小さな胸を持つ上半身の伸びなどは、この時代の特徴である。この女神は、腰の位置の衣服が滑り落ちたことにより、両脚でそれを挟む瞬間を捉えられている。その裸体は、細かく凹凸を際立たせて掘られた衣紋の光と影の効果と対照的である。

出典

- LAUGIER L., « La Vénus de Milo », Feuillet pédagogique du Musée du Louvre, 3, n°50, Paris, 2001.

- D’après l’antique, Musée du Louvre, Paris, 2000, p. 432-433, p. 441, n° 235.

- RODGWAY B. S., Hellenistic Sculpture, II, 2000, p. 167-171, ill. 21, fig. 5.

- HAMIAUX M., Les sculptures grecques, II, Paris, 1998, p. 41-44, n° 52.

- HAVELOCK C. M., The Aphrodite of Knidos and Her Successors, A Historical Review of the female Nude in Greek Art, University of Michigan, 1995, p. 93-98, fig. 13.

- HASKELL Fr., PENNY N., Pour l’amour de l’art antique : la statuaire gréco-romaine et le goût européen 1500-1900, Paris, 1988, p. 363-365, n° 178, fig. (éd. anglaise, Taste and the antique : the lure of classical sculpture 1500-1900, New Haven, 1981). 

- PASQUIER A., La Vénus de Milo et les Aphrodites du Louvre, Paris, 1985.

- CHARBONNEAUX J., « La Vénus de Milo et Mithridate le grand », in Revue des Arts, 1951, p. 8-16, fig. 1, 4, 7-9.

作品データ

  • アフロディーテ、通称「ミロのヴィーナス」

    前2世紀末

    ギリシア、キクラデス諸島のメロス島(現代ギリシア語でミロ)

  • パロス大理石、寛衣の位置でつながれた2つの大理石のブロックで構成された丸彫、左腕と左足は別に加工

    高さ2.02m

  • リヴィエール侯爵よりルイ18世に贈与、1821年取得

    N° d'entrée LL 299 (n° usuel Ma 399)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    1階
    パルテノンの間 クラシック時代のギリシャ彫刻 紀元前5世紀
    展示室7

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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