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作品 アブ・ロアシュ(アブ・ラワシュ)の石棺

古代エジプト美術部門 : 宗教と葬祭信仰

アブ・ロアシュ(アブ・ラワシュ)の石棺

© 2008 Musée du Louvre / Georges Poncet

古代エジプト美術
宗教と葬祭信仰

執筆:
Varry Sylvie

石灰岩でできた長方形のこの石棺は、ルーヴル美術館の古代エジプト美術部門で収蔵されている石棺の中でも、最も古いものである。これは、古王国時代の宮廷の重要な人物の埋葬用品であった。アブ・ロアシュ・ネクロポリスの発掘の際に、マスタバ墓(台形の形をした、主に貴族の墓)の中から発見されたもので、蓋は未完成なものの、桶には記念建造物の周壁の外観が描かれている。

建築物の縮小図

白石灰岩からできたこの石棺の質は卓越している。一本石からできた長方形の桶は、外側全体に浮彫が施され、無装飾で中高に膨らんだ未完成な蓋とともに石棺を構成している。発見された時には、蓋は桶に漆喰で密閉されていた。蓋の表面には、道具を使った痕跡や、彫る目印の赤いインクの線が残っており、両端には、桶の上に蓋をしやすいように手を添えるほぞが備えられている。
桶の四面に彫られた装飾は、短辺に3枚と長辺に6枚の戸が立ち並んでいて、それらの戸は突き出たつけ柱に囲まれてその奥に収まっている。それぞれの上部には格子窓が備えられている。戸と戸の間に稜ほう(周壁の突出部)が突き出し、壁龕(へきがん、壁に作られた窪みで彫像などが置かれた)が3つ彫られ、稜ほうを飾っている。壁龕の上には、二本並んだ散形花序のパピルス装飾が見える。「王宮ファサ-ド」と呼ばれるこの豪華な建造物的装飾は、初期王朝時代の稜ほうと凹凸がある周壁を連想させ、石に施されたこのタイプの装飾の見事な例としては、サッカラの第3王朝ジェセル王のピラミッド複合体の外周壁が挙げられ、今日でもまだ鑑賞することができる。

アブ・ラワシュの墓地群

1923年に、ビソン・ド・ラ・ロックがアブ・ロアシュで発掘した石棺である。石でできたマスタバ(台形をした主に貴族の墓)の地下埋葬室に安置されたままの状態で発見された。アブ・ロアシュの墓地は、現在のカイロの向い側、メンフィスの古代墓地群北端地域に位置している。この遺跡には、初期王朝時代の日乾煉瓦造で凹凸の壁を持つ墳墓や、第4王朝のファラオ・ジェドエフラーのピラミッド複合体、古王国時代の様々なマスタバの群墓がある。
王の葬祭複合体の近くの墓から出土したことや、この石棺が安置されていたマスタバ墓を含むマスタバ墓群の質が良いことなどから、銘文は無いものの石棺の所有者が、王のそばに仕えた高貴な人物だったことが推測される。

豪華な最後の住まい

石棺自体、この死者が社会的に高貴な人物であったことを示している。というのも、当時このような石棺はきわめて珍しかったからだ。死者は概して木棺に納められ、特に貧しい者はござや大きい瓶の中にさえ埋葬されていた。
その後、石棺やその他の素材でできた棺は、副葬品として最も重要な要素となっていく。棺は、遺体を保護すると共に、遺体の保存を必要とするエジプト宗教信仰の来世観を満たすものであったからだ。

作品データ

  • アブ・ロアシュ(アブ・ラワシュ)の石棺

    古王国時代、第4王朝?、前2620-前2500年

    アブ・ロアシュ出土

  • 彫刻、陽刻浅浮彫、石灰岩

    高さ95cm、長さ261cm、幅127cm

  • 1927年にエジプト考古局から購入

    E 12959

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階

    展示室14

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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