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作品 アプリア赤像式鐘形クラテル

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

アプリア赤像式鐘形クラテル

© 1993 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Padel-Imbaud Sophie

このクラテルは、紀元前5世紀のアッティカ地方のある悲劇の重要性を語る、極めて美的な証拠品である。それはギリシア植民地下のイタリア南部で生産された、ギリシア陶器のレパートリーのうちの一つであった。エウメニデスの画家は『オレステイア』の第三幕、アイスキュロスのオレステイウスの開幕の場面への嗜好にその名を由来する。その主な場面には、デルポイのアポロンによるオレステスの清めと、エリニュスを目覚めさせようとするクリュタイムネストラの影が描かれている。

デルポイにおけるオレステスの清め

この鐘形の稀に見る大型クラテルは、極めて正確に言うとアイスキュロスの悲劇『エウメニデス』の始めの場面を表現している。この場面は世界の臍、オムファロスの上に置かれた祭壇に象徴される、デルポイのアポロン神殿の上で開始されている。そこには恐ろしい復讐の女神達、エリニュスから逃げるオレステスが非難している。彼は父の敵である自分の母、クリュタイムネストラを殺害した短剣を握り締めたままである。彼の後ろには片手に月桂樹の枝を持ち、もう片方はこの若者の頭上に清めの動作を表す、子豚を握っているアポロンが立っている。この神の姉妹アルテミスはその脇に携わっている。左側には他の場面が展開されている。そこには、二人のうち三人が寝たままでいるエリニュスをむなしくも目覚めさせようとしている、クリュタイムネストラの影が描かれている。

アイスキュロスのエウメニデス

その全文が残っている唯一の古代の三部作は、紀元前458年に書かれたアイスキュロス作『オレステイア』である。この作品は、トロイヤ戦争後の帰還と王の殺害を語る第一幕『アガメムモン』、父の殺害後オレステスの復讐の第二幕『コエポロイ』、アトレウスの末裔の伝説の結末と彼らにまとわりつく不運を語る、『エウメニデス』から構成されている。ここでは巧みに描かれたその最終章は、エリニュスに追われていたオレステスがどのようにデルポイに非難したのか、より詳しく語っている。そこではアポロンが三女神を眠りにつかせたが、それに不満なクリュタイムネストラの影が女神達を起こそうとしている様子が描かれている。その間にアポロン神は子豚の血を使いこの若者を清めている。そしてアガメムモンの息子はアテネ神のもとに出向き、アテネとアポロンのおかげで裁きを受け、無罪を宣告された。この劇はエリニュスがエウメニデス(慈しみの女神たち)に変身し幕を閉じる。デルポイのオレステスの姿は、紀元前5世紀からアッティカ地方にて出現したが、実際には紀元前4世紀、ギリシア植民地下のイタリア南部の陶器にて発展し大成功を収めた。

アプリアの陶器とエウメニデスの画家

アプリア地方のターラント派は紀元前5世紀最後の30年の間に誕生した。紀元前4世紀初期より、簡素様式と装飾的様式の、二つの様式生産の根本的分化が現れた。この壺はその二様式を明らかにしている。というのもこの作品は、鐘形のクラテル、わずかな明色による加筆、伝統的図像などの簡素様式を持ち合わせながらも、存在感のある大きさ、多数の人物、装飾の複雑さなど、全体は装飾的様式に近い極めて抑々しい加工がされている。
簡素様式の発案者タポーリーの画家は、アイスキュロスのエウメニデスの開幕の場面の嗜好に名を由来し、その場面を最低二回は描いたエウメニデスの画家(紀元前380年から370年)を含む多くの後継者をもつ。この不思議な才能のある画家が手がけた壺は、数個しか知られていない。

出典

- DENOYELLE Martine, Chefs-d'oeuvre de la céramique grecque dans les collections du Louvre, 1994, p. 168, n 79.

- DENOYELLE Martine, Corpus Vasorum Antiquorum, Louvre 25, 1998, pp. 61-63, pl. 50 à 52.

- KNOEPFLER D., Les imagiers de l'Orestie. Mille ans d'art antique autour d'un mythe grec, 1993, p. 72, p. 73, pl. 18.

作品データ

  • エウメニデスの画家(に帰属)

    アプリア赤像式鐘形クラテル

    紀元前380年頃

    アルメント(?)イタリア

    アプリア

  • 陶土、赤像式の技術、白色の加筆

    高さ48.70cm、直径52cm

  • 旧カンパーナ・コレクション、1861年取得

    通称《エウメニデスのクラテル》

    Cp 710

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ギャラリー・カンパーナV 赤像式ギリシャ陶器 紀元前5世紀末‐紀元前4世紀
    展示室44

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