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作品 アポロン・サウロクトノス

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

アポロン・サウロクトノス

© 2006 Musée du Louvre / Daniel Lebée et Carine Deambrosis

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

紀元前330年から340年頃にかけて制作されたこの《アポロン・サウロクトノス》(トカゲを狩る人)は、アテナイの彫刻家プラクシテレスの、最も完成度の高い作品のうちの一つである。クラシック時代の継承に忠実なこの主題にもかかわらず、その大胆な様式により革新的なものとなっている。アポロンは木によじ登るトカゲをまさに捕まえようとする、青年として表現されている。ローマ時代何度もコピーされたこの彫刻群は、この神の浄化効力を想起させ、より和らげられた表現にて表された、アポロンとニシキヘビの戦いを思い浮かばせる。

トカゲを殺すアポロン

この大理石彫刻は、1807年のナポレオン1世によるカミロ・ボルゲーゼ公コレクション購入直後、ルーヴル美術館に帰属された。この作品は、大プリニウス(『博物誌』第34巻、69、70章)により、アテナイの彫刻家プラクシテレスの作とされる、ブロンズ製作品《アポロン・サウロクトノス》(「トカゲを狩る人」という意味のギリシアの主題)の最も優れたローマン・コピーとされている。今日失われたオリジナル作品は、紀元前4世紀中期頃に制作されたと推測される。アポロンは、トカゲを取る子供じみた遊びに熱中する、まだ幼さが残る青年の姿で表現されている。放心状態の視線のこの青年は、右手に握る槍によりこの動物を脅かしている。その左手は、この青年の姿の神が、物憂げに寄りかかる木の幹に沿い這い上がる、この小さな爬虫類を捕まえようと構えている。

不可思議な主題

この主題の不可思議さは、おそらくローマ皇帝時代のサウロクトノスのその後の繁栄に影響を与えた。というのもこの作品群は、ここで見られる作品のように、多数のローマン・コピーが存在し、それは、ラテン系詩人マルティアーリスのユニークな風刺詩により知られる、縮小版の複製品も製作されるほどであった。アポロンの動作の解釈は、この作品の元の宗教意味をこの平凡な様の場面に復元する、多くの仮定をもたらした。この作品は、この神の浄化効力、この不吉な動物を倒す者、災難を排除する者を想起させる。それで無ければ、より和らげられた表現にて表された、二シキヘビに勝利したデルポイでの戦いを表したものと思われる。ほかの呼び名もこの神と彼の祈祷師の役割を表すのに使用されている。それらは、アポロン・スミンテウス(鼠を狩る人)、アポロン・パルノピオス(キリギリスを狩る人)などである。 

プラクシテレス美術:クラシック時代の伝統と革新の間

紀元前375年から335年に活動したプラクシテレスは、特にギリシア彫刻初の等身大の女性裸体、《クニドスのアフロディーテ》にて有名である。彼のそれぞれの作品、特にアポロン・サウロクトノスもまた、紀元前5世紀の古典主義の知識を革新する、斬新な様式にて人々を驚かせた。プラクシテレスはここでは、彼が好んだ主題である、ほとんど女性のような優美な体の輪郭にて、片方の腰を極端に前に出した姿勢の、裸体の青年を彫琢している。彼は、一世紀前のポリクレイトスにより作り上げられたコントラポストの枠を超え、その人物像は支えを必要とする、不均衡な状態に達していた。そのことからこの木は、この人物の動作の空間を示唆するための、絵になる自然な要素と支柱の二つの役割を果たしている。この幹の硬さ、乾性、ざらつきは、滑らかな肉体を持つ体の波型の線と対照的である。その体の筋肉の形は巧みに和らげられ、温和さに包まれている。

出典

- HOLTZMANN B. & PASQUIER A., L'art grec, Manuels de l'Ecole du Louvre, Paris, 1998, p. 212-213;

- MARTINEZ J.-L., "Le marbre MA 441 du Louvre et les copies du type de l'Apollon Sauroctone", in Histoire de l'Art, 3, 1988, p. 17-28.

- HASKELL F. & PENNY N., Pour l'amour de l'antique, la statuaire gréco-romaine et le goût européen, 1500-1900, Paris, 1988, p. 177-179, n 79.

作品データ

  • アポロン・サウロクトノス

    紀元前340年頃に制作されたオリジナル作品を元に作られた、紀元1世紀から2世紀(?)のローマ皇帝時代の作品

    イタリア

  • 丸彫、大理石

    高さ1.49m

  • 旧ボルゲーゼ・コレクション、1807年購入

    Inventaire MR 78 (n° usuel Ma 441)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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