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作品 アメン神の理髪師アンクパケレドのカルトナージュ

古代エジプト美術部門 : 宗教と葬祭信仰

アメン神の理髪師アンクパケレドのカルトナージュ

© Musée du Louvre/G. Poncet

古代エジプト美術
宗教と葬祭信仰

執筆:
理髪師たちは私人や王の元で、あるいはアンクパケレドのように神殿内で働いていた。アンクパケレドは「アメン神の家」の理髪師だったことから、カルナクの偉大な神の神殿で働いていたと思われる。エジプトでは、現職の神官に剃髪が義務付けられていたので、神官の理髪師として働いていたと考えられる。

このカルトナージュ(ミイラを包む、亜麻布やパピルスを固めたもの)には、エジプト人、アンクパケレドのミイラが納められていた。屍衣に包まれた死者を表し、きわめて鮮やかな彩色が施されている。三部からなる鬘の上には、花模様のバンドが付いており、胸部を覆う幅の広い首飾りのすぐ下に、頭上に太陽円盤を戴き、翼を広げているハヤブサが二羽描かれている。そのうちの一羽は牡羊の頭の姿をしている。それ以外の部分は、守護的な役割を果たす様々な図像で装飾されているが、中でも有翼女神やオシリス神を象徴するものが数多く描かれている。

装飾

死者は、多数の象徴的な図で装飾された屍衣に包まれている。これらの図像によって、死者は無事に冥界にたどり着くことができると考えられていた。有翼神や物神などが主となるこれらの図像は、この時代のカルトナージュに一般的に用いられているものである。

第22王朝の典型的な葬祭慣習 カルトナージュ

首飾りの下では、太陽円盤を頭上に戴く、二羽のハヤブサが(片方は牡羊の頭をしている)翼を広げてアンクパケレドの遺体を守っている。その翼の間には、冥界の神であるオシリスが、ホルス神の四人の息子のうちの二人を従え、鎌首をもたげる一匹の蛇と相対している様子が描かれた絵が、二枚左右対称に配置されている。蛇は、一方の絵ではエジプトの赤冠を、もう一方の絵では白冠を戴いている。脚部には、オシリス神の極めて重要な象徴である、アビドスの聖遺物箱が描かれ、有翼のイシス女神とネフティス女神によって守られている。上部にダチョウの二重の羽が付いているアビドスの聖遺物箱は、アビドスの町にあり、その箱の中にはオシリス神の頭が保存されていたと信じられ、この時代に最も頻繁に見られた葬祭図像の一つである。

アメン神の理髪師アンクパケレド

第22王朝には、ミイラをカルトナージュの中に納めることが習慣となった。カルトナージュは、漆喰で固めた布の上に彩色を施して作ったミイラを包むものである。カルトナージュという用語は、葬祭具そのものを示すと同時にそれに使われる素材を指すこともある。一般には、何重にも亜麻の布を固めた上に(時には古いパピルスと共に固められることもあった)化粧漆喰と彩色を施して作られる。この手法には、安価で迅速に作れるといったいくつかの利点がある。第22王朝では、カルトナージュは、泥と藁で出来た芯の周囲に布を巻いて成形された。その際、足底の部分は布張りせず、開けたままにしておかれ、時には背中に長い切れ目を入れて開けておくこともあった。布張り作業が完了すると、足底から中子を取り除き、ミイラをそこから入れて、背中に入った切れ目を紐で縛り、足底の開いている部分を木片で塞いでから全体に装飾を施した。このようにしてミイラが納められたカルトナージュは、一つあるいは二つの木棺の中に安置される。アンクパケレドのカルトナージュの横に展示されている彼の棺を見ても分かるように、棺自体の装飾は、大抵簡素なものであった。

出典

- Coiffures antiques du Louvre, 1982, p. 13, 14, n 12.

- MICHALOWSKI , L'art de l'Ancienne Egypte, 1968, fig. 735.

作品データ

  • アメン神の理髪師アンクパケレドのカルトナージュ

    第22王朝、第三中間期、前945-前715年

  • カルトナージュ:固められた布に化粧漆喰

    高さ1.66m、幅0.40m

  • デュラン・コレクション、1824年購入

    N 2622

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階

    展示室14

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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