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アメン神の絵師長、デディアの両面ステラ

© Musée du Louvre/C. Décamps

古代エジプト美術
宗教と葬祭信仰

執筆:
Geneviève Pierrat-Bonnefois

デディアのステラ(石碑)は特に分厚いことで知られている。確かに、小祭壇にも似た記念碑である。豊かな装飾とアビドス(アビュドス)の神々への献辞から、冥界の主オシリス神を祀るきわめて古い至聖所で、デディアとその先祖に捧げるために彫られたことがわかる。念入りな構図は、創作者であるアメン神殿の絵師長にふさわしい。

聖櫃

この一本石でできた作例は、オシリス神、その妻イシス女神、およびその息子、ハヤブサの頭部を持つホルス神の聖櫃を表している。三柱の神はあたかも背面でつながった石から出現するかのように彫られている。このタイプの彫像は、地下墓室を掘る際に洞窟の奥の石の中に彫られた。アブ・シンベルのラメセス2世の岩窟神殿奥にある神々の大彫像は、このタイプの彫像のうち、最もよく知られた例である。
(高浮彫に彫られた神々に対して、)食物や睡蓮の花束を高く盛った供物の盆を持つ奉納者たちは、神々の足元に「沈み浮彫」で、細く壁龕(へきがん、壁に作られた窪み)の外部に描かれ、内部に彫られた三柱の神の方を向いている。彫刻家の魔術のような技法によって、数センチの厚みの石板に、聖なる祈祷台をほぼ三次元で表すことに成功している。小祭壇のように見える錯覚をさらに強めるために、ステラには異例の厚みが与えられたことが分かる。

何代にも渡るオシリス神の庇護

細い線の彫りが施されている裏側はそれだけで一つのステラ作品といえる。表側と異なり平面の上に沈み浮彫で彫られているが、むしろ刻まれていると言ってよい。下段にはこの奉納者夫婦が聖水で清めている場面が描かれている。デディアは、アメン神の絵師の長であった先祖全員の名とその妻達の名を列挙し、その下に自分の名を入れている。そしてステラの上部、アーチ形部分にアビドスの偉大なる神々を簡素に彫りあげ、その庇護の下に先祖の名を配置させている。古代エジプト人にとってアビドスは重要な巡礼の町であったが、デディアは、このようにしてアビドスの冥界の神への崇敬の念と先祖への崇敬の念を結び付けている。裏側は図像より文字の方が多く、図像と文字は異質な物にもかかわらず、その区別があまりつかない。
しかし、絵師 であり、このステラの設計者でもあったデディアは、見事な技法を駆使して碑文を演出している。先祖は生者と一緒に下部に、そして神々は上部に配置し、秩序だった世界観を醸し出している。作者がエジプト文字の特質を最大限に活用した作例である。

絵師の家系

デディアは、今日、カルナクという名で呼ばれる最も有名なアメン神殿の第5代目の絵師長で、芸術、技術、形式の伝統は世襲により受け継がれていった。ファラオ、セティ1世は前例を見ない巨大な列柱室を造営することになるが、この神殿の最も輝かしい時代に仕えていたデディアは、おそらく壮大な壁画(ファラオが神々に囲まれている場面)の構図の創作に携わっていたのではないかと推測される。この壁画は今日も、かの有名な列柱室の高い壁を飾っている。

出典

G. ANDREU, M. H. RUTSCHOWSCAYA, C. ZIEGLER, L'Egypte au Louvre, Hachette, Paris, 1997, p. 140-141, 254, notice 63)

Catalogue de l'exposition Mémoires d'Egypte , Paris, Bibliothèque Nationale, 1990, p. 67, 68, notice n 66)

Catalogue de l'exposition Naissance de l'Ecriture, Editions de la Réunion des musées nationaux , Paris, 1982, p.76.

作品データ

  • アメン神の絵師長、デディアの両面ステラ

    新王国時代、第19王朝、セティ1世治世下(前1290-前1279年)

  • 閃緑岩

    高さ80cm、幅48.5cm、奥行き最大22cm

  • 1827年にドロヴェッティ コレクションから購入

    C 50

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    2階
    新王国時代:ラメセスの時代 紀元前1295‐紀元前1069年頃 王子と廷臣
    展示室28

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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