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作品 アラ・パキス(平和の祭壇)の破片

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

アラ・パキス(平和の祭壇)の破片

© 2007 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

この浮彫は、アウグストゥス帝のスペインからの凱旋を祝うため、前13年から9年の間に、皇帝の栄誉を称えるためにマルスの原に建てられた平和の祭壇、アラ・パキスの一部である。皇帝は、皇帝の家族、神官、裁判官、元老院議員で構成された列の前に位置している。この行列はギリシアの古典主義を故意に連想させる。このバランスと洗練された構成から、この破片は、公式美術としての作品としてアウグストゥス帝が選出した、表現様式を示している。

「アウグストウスの平和」の祭壇

この破片は、アウグストゥス帝のスペインからの凱旋を祝うため、元老院からの発令で前13年から9年にかけてマルスの原に建てられた « アウグストゥの平和 »、いわゆる« アラ・パキス »の祭壇の一部であった。豪華に装飾された祭壇は、彫刻を施された大理石の囲いで囲まれていた。基壇は、白鳥とアウグストゥス帝の守護神アポロンを象徴する鳥を伴う、アカンサスの葉の唐草模様で飾られている。この豊かな装飾は、皇帝がローマにもたらした平和と繁栄を想起させる。祭壇の上部の浮彫は、雌狼の傍のロムルスとレムスのように、ローマの伝説的な建国に関連した様々な主題を表現している。両脇には、皇帝の家族、神官、裁判官、元老院議員などが皇帝の周りに集まり、2本の列をつくり上げている。ルーヴルの浮彫は、2人の子供を含む、それぞれの人物がまだ完全に認証されていない家族の列の破片である。

公共美術に残るギリシア古典主義の痕跡

この列は前5世紀のアテネの古典主義を故意に連想させる。この作品は荘厳な冷酷さをも湛え、前445年から438年に制作された、パルテノン神殿にあるパンアテナイア祭のフリーズの面影を残している。浮彫の高度な技術、動きに沿った布の襞の滑らかさ、人物の緩やかな動きなど、ルーヴル美術館に一部保存されているエルガスティネスの行列の様式と比較し得る。しかしながらこの作品の作者は、髪型や子供などの、ギリシア古典主義には見当たらない細部を表現し、歴史を題にしたローマ浮彫の伝統をこの浮彫に盛り込むことで、作品に新風を吹き込んだ。この作品における観念的な性質を持った装飾と、そのプロパガンダとしての役割から、このような題材が選出されるにいたった。というのもアウグストゥスは、ギリシア古典主義の中に、均整の取れた美術と、黄金時代を復興せんとする彼の計画に一致する器を見出したのである。ギリシアの古典主義は、事実アウグストウスの公式美術の典拠となる美術となった。

アウグストウス帝の栄光を称える建築計画

アラ・パキスは、前1世紀に提起された、マルスの原をアウグストゥス帝の栄誉を称えるための場とする、大規模な建築計画の一部であった。前31年のアクティウムの海戦の以前から、オクタウィアヌス(後のアウグストゥス帝)は、自らの英雄的性格を記念するため、そして彼の帝国の都、ローマに対する思い入れを表明するため、アウグストゥス帝霊廟という名で今日知られている、大規模な墓の建設に乗り出した。エジプトから持ち運ばれたオベリスクが針の役目を果たす巨大な日時計は、前13年から9年の間に建てられた。アウグストゥス帝の誕生日に合わせられたこの日時計は、皇帝の星座と誕生日を示している。巨大な祭壇と欄干を飾るその装飾は、一世紀に及ぶ内戦の後の黄金時代の復興を果たしたアウグストゥス帝の役割を想起させつつ、同様の観念的な影響力を担っている。この祭壇は、1937年から1938年にかけて、アウグストゥス帝霊廟の付近に、ほとんど全ての現存しいた破片を用いて再建された。

出典

- REHAK P., "Aenas or Numa ? Rethinking the Meaning of the Ara Pacis Augustae", in The Art Bulletin, june 2001, p. 190-208.

- HANNASTAD N., "Late-antique reworking of the Ara Pacis ?", in Journal of Roman Archaeology, january 2000, p. 311-318.

- BARTMAN E., Portraits of Livia. Imaging the Imperial Woman in Augustan Rome, Cambridge University Press, 1999, p. 80, fig. 65.

- ATNALLY CONLIN D., The Artists of the Ara Pacis, Londres, 1997, p. 55-56, fig. 9, 57, 60.

- BILLOWS R., "The Religious Procession of the Ara Pacis : Augustus' Supplicatio in 13 B. C.", in Journal of Roman Archaeology, 6, 1993, p. 80-92.

-  KLEINER D.E.E., "The Great Friezes of the Ara Pacis Augustae. Greek Sources, Roman derivatives, and Augustan Social Policy", in MEFRA, 90, 1978, p. 761., fig. 6.

- MICHON E., "Les bas-reliefs historiques romains du musée du Louvre", in Mémoires et Monuments. Fondation Piot, 17, 1909, p. 157-187, fig. 4.

作品データ

  • アラ・パキス(平和の祭壇)の破片

    前13-9年

    1568年にローマ、マルスの原にて発見

    ローマ

  • ローマ浅浮彫、高浮彫、大理石

    高さ1.20m、幅1.47m

  • 旧カンパナ・コレクション1861年購入

    Inventaire Cp 6468 (n° usuel Ma 1088)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    ドゥノン翼
    1階
    ローマ美術 ユリウス=クラウディウス朝I アウグストゥス帝とティベリウス帝の治世 紀元前27‐紀元37年
    展示室23

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