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アルバヴィルのトリプティカ

© 1990 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
中世

執筆:
Marie-Cécile Bardoz

このトリプティカ(三連板)はデイシスの表現、つまり聖母と洗礼者聖ヨハネが人類の救済を玉座のキリストにとりなす図を中心として構成されている。その下と翼の部分には、使徒、聖人司教、殉教者、聖人騎士がこの祈りの場面に集う。古典的伝統への回帰を目指したこのビザンティンの傑作は、宮廷付きの「ロマノス」工房が制作した象牙作品の中でもとくに洗練されたものである。本作品は、マケドニア朝時代のビザンティオン(コンスタンティノポリスの旧名)における文芸復興を立派に証している。

ビザンティン美術の傑作

このトリプティカにおいては、東方の影響と古代志向およびキリスト教的伝統が一堂に会しているが、これはマケドニア朝(867-1057年)におけるビザンティン美術復興の特色である。中央場面にはデイシスが配され、聖母と洗礼者聖ヨハネが人類の救済を玉座のキリストにとりなしている。その下と脇の場面には、フリーズ状に使徒、殉教聖人、聖人司教、聖人騎士が現れ、彼らもこの祈りの場面に参加している。中央場面の裏にはラテン十字の装飾が施され、その先端と中心にロゼット〔ばら形装飾〕がほどこされている。パネル上部は地に星を散りばめてあり、一方十字架の横木より下の部分には様式化された植物装飾が豊かに展開され、間には様々な動物(ライオン、うさぎ、鳥)が見える。この構成は天国の楽園の光景を想わせ、傾いた2本の糸杉は善の木と悪の木を、十字架は生命の泉を象徴している。両翼の外側には、本または十字架を手にし、2人一組になった聖人像が配され、聖人の胸像を収めた一対のメダイヨンで隔てられている。

「ロマノス」工房の作品

アルバヴィルのトリプティカは、「ロマノス」という宮廷付き工房による一群の象牙作品のうちの1点である。この名の由来は、フランス国立図書館メダル室が所蔵する、皇帝ロマノス2世(963年没)と皇妃ベルタ・エウドキア(945-949年)に戴冠させるキリストを表した装飾板である。アルバヴィルのトリプティカにおけるキリストの面差しは、ロマノス工房の象牙作品に見られるキリストの面差しに驚くほどよく似ている。卓越した技術、衣襞の仕上げおよび人物像の優美な物腰は、この2作品の類似を物語っている。そのため、トリプティカの制作年代はロマノス工房の象牙作品の年代に一致する。ロマノス工房の一群の作品は、10世紀半ば、あるいは10世紀後半に入ってまもない頃のコンスタンティノポリス宮廷に属すると思われる。
他にも、ルーヴルの作品に類似したトリプティカが2点存在する。ローマのヴェネツィア宮殿が所蔵する1点と、ヴァティカン美術館の1点である。これら3点すべてに、デイシスの図像および聖人と使徒たちのフリーズが見られる。

アルバヴィル家

このトリプティカの由来はいまだに不明である。アルバヴィルという名は、最後の所有者ルイ・フランソワ・アルバヴィル(1791-1866年)から来ている。この人物はアカデミー・ダラスの一員およびパ・ド・カレ県歴史的記念物委員会の委員長であり、本作品を儀父母の家系、アラスのブニー・ド・ポムラ家から相続した。本作品は1891年に、アルバヴィル氏の孫で相続人のアンリ・トラナン、レミ・トラナン両氏より購入した。

出典

Durand Jannic, Catalogue de l'exposition Byzance, musée du Louvre, 1992, notice 149.
Durand Jannic, L'Art byzantin, éditions Terrail, 1999.
Catalogue de l'exposition Visions du Futur, Grand-Palais, 2000-2001, notice 87.
Gaborit-Chopin Danielle, Les Ivoires médiévaux, catalogue des collections du département des Objets d'art, Editions de la Réunion des musées nationaux, n 16, 2003.

作品データ

  • アルバヴィルのトリプティカ

    10世紀半ば

    コンスタンティノポリス

  • 象牙、金鍍金の痕跡

    高さ(中央パネル)24.20cm、幅(開放時)28.20cm、厚さ1.20cm

  • ブニー・ド・ポムラ・コレクションおよびアルバヴィル・コレクション旧在1891年収蔵

    デイシスと諸聖人

    OA 3247

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    シャルルマーニュ
    展示室1

来館情報

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月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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