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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>アンティオキアのティシェ
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アンティオキアのティシェ
© 1993 RMN / Hervé Lewandowski
古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術
この小さなブロンズ群は、前3世紀に、シキュオン出身のエウテュキデスというギリシアの彫刻家によって制作された、とても有名な構成を再現した、ローマ時代に制作された作品である。現在のトルコにあるオロンテス河畔のアンティオキアの古代都市は、運命の女神で街の守護神であるティシェに擬人化されている。女神は岩の上に座った状態で、凹凸形の塔の冠を頭に被っている。足元には、街を潤すオロンテス川が擬人化された、泳ぐ若者の上半身が波に埋もれている。
エウテュキデスのブロンズ群像の反映
このブロンズ像は1967年にルーヴル美術館に収蔵された、クレルク・コレクション(ボイジュラン氏寄贈)の数ある作品の内のひとつである。この作品は、ギリシア人の彫刻家で画家の、シキュオンのエウテュキデスのとても有名なブロンズ作品を縮小した、ローマ時代の作品である。これは、シリアのトルソス(古代アンティオキア)に由来し、恐らく紀元1世紀にそこで制作された。オリジナル作品は、大プリニウスの『博物誌』34巻、51章と、パウサニアスの『ギリシア誌』6巻、2部、7章の記述にて知られている。エウテュキデスはリュシッポスの弟子で、前3世紀初頭に現トルコのアンティオキアの都市のためにティシェ像を1体制作した。元の構図は、おそらくオロンテス川左岸のシルピウス山の麓に、前300年セレウコス1世により創設されたばかりの街を記念するものであった。ヘレニズム時代とローマ時代の間とても好まれたこのエウテュキデスの作品は、何度もその縮小版で複製され、原作に多少なりとも忠実な模作品を後世に多く残すことになった。
オロンテス河畔のアンティオキアの栄光を称える作品
アンティオキアの都市は運命の神、街の守護神ティシェに同一視されている。女神は岩の上に座り、優美でゆったりとした布は、組まれた脚の優雅な動きをなぞっている。彼女は右手に豊穣の象徴である、麦の穂の束を握っている。頭には街の城壁を連想させる、凹凸形の塔が被さっている。足元には上半身が水面に埋もれている、若者の泳ぐ姿が見える。若者は街の一部を潤すオロンテス川の擬人化である。ルーヴル美術館のブロンズ群は、このギリシアの原作にいくらか自由な発想を取り入れたものである。数多くあるこの原作の複製(複製彫刻、宝石や前1世紀に造幣されたコイン)などを参照してみると、通常は、このブロンズ作品の構成と違い、ティシェの右足は泳ぎ手の右肩に置かれている。しかしこの台座が組み立てられたのは近代であると思われており、そしてその際、人物の位置が勝手に置き換えられてしまったのだろう。しかしながら、泳ぎ手がより右寄りに居たとしても、女神の足が、青年の肩の上に置かれるには、高すぎる位置にある。結論として、この2体の人物像は、統合される前は別々の作品に属していたものと考えるものもいる。
ヘレニズム時代のティシェのモデル
前4世紀末のディアドコイの時代に、街の創設者、守護神、又は君主の豊かな財産の象徴として初めて、ティシェの像が現れた。エウティキデスのブロンズ群像はヘレニズム時代に多く創設された町の擬人化の手本になったように思われる。アンティオキアのティシェのタイプは多くの場合その土地の神に同化し、運命の女神(フォルトゥナ)の象徴は制作地により異なった。
出典
- DESCAMPS S., Antioch. The lost ancient city, Worcester 2000, p. 118, n 6.- DEVAMBEZ P., "La donation L. de Clercq-H. de Boisgelin, Antiquités grecques et romaines", in La Revue du Louvre et des Musées de France, 4-5, 1968, p. 326.
- DOHRN T., Die Tyche von Antiochia, Berlin, 1960, p. 17-18, n 10, pl. 8, 9.1, 10.2, 32.2.
作品データ
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アンティオキアのティシェ
紀元1‐2世紀
タルソス(現タルトゥース)、シリア
シリア
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ブロンズ、空洞鋳
高さ16.5 cm
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クレルク・コレクション、1967年ボワジュラン氏寄贈
Br 4453
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シュリー翼
2階
ブロンズの間
展示室32
来館情報
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)
休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
