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作品 アンテフ王・セケムラー =ヘルウヘルマアトの棺の蓋

古代エジプト美術部門 : 宗教と葬祭信仰

アンテフ王・セケムラー =ヘルウヘルマアトの棺の蓋

© 1997 RMN / Hervé Lewandowski

古代エジプト美術
宗教と葬祭信仰

執筆:
Rigault Patricia

アンテフ王・セケムラー=ヘルウヘルマアトの棺の蓋には、屍衣に包まれたミイラ姿の王が描かれている。屍衣の上に大きな翼が2枚見え、故人となった王は、羽装飾が施されたひだ付きの「ネメス」頭巾をかぶっている。胸部は、ハヤブサの頭を模した留め金付きの幅の広い首飾りで覆われている。身体と顔面の肉付きは、どちらかと言えば原始的に描かれ、装飾の派手な色付けは、この王棺の様相にやや粗野な感じを与えている。

「リシ」と呼ばれる棺

全体に羽装飾が施されたミイラ形タイプの棺を、リシ棺と呼ぶ。「リシ」とはアラビア語で「羽の」という意味である。この独特のタイプの棺は、主に第17王朝以降からテーベ地方で現れ、第18王朝まで用いられた。木の中に彫ったり組み立てた棺の装飾は、死者の社会的地位によって、すなわち王族か私人か否かで異なった。概して私人の棺は、簡略に彫られ派手な色が使用されている。一方、王棺はより精巧にできており、時には金箔が豊富に施こされている物さえある。

質素な王棺

アンテフ王・セケムラー=ヘルウヘルマアトの棺は作製手法からみれば、王棺というよりむしろ私人の棺に近く、例外的なケースだと言えよう。これは王の短命な統治から説明がつくと思われる。王であろうと無かろうと、頭部にはいつもひだが付いた「ネメス」頭巾をかぶされ髪を締め付け、額にはしばしばファラオの記章「コブラ」が付けられている。また、胸部がハヤブサの頭を模した留め金付きの幅広い首飾りで飾られているものもしばしば見かけられる。

アンテフ家と第17王朝

蓋の中央に王の誕生名アンテフが縦書きに記されている。一方、首飾りのカルトゥーシュの中には、おそらく後に墨で付け加えられた即位名セケムラー=ヘルウヘルマアトが記されている。
このことから、第2中間期にエジプトで君臨したアンテフ家の一員であることが伺える。しかし、第2中間期は混乱期であったため、まだ解明されていないことが多く、例えば第17王朝の正確な王の継承順もいまだに確立されていない。したがって、セケムラー=ヘルウヘルマアトの正確な位置付けも確定されていない。ルーヴル美術館のセケムラー=ヘルウヘルマアトの棺の横に展示されている見事な金箔の棺は、ヘルヘルマアトの棺と同時に発見されたアンテフ王・セケムラー=ウプマアトのものである。セケムラー=ヘルウヘルマアトはアンテフ王・セケムラー=ウプマアトの後継者だったのだろうか。後者の銘文には「兄弟のアンテフ王が寄贈した」と示されている。あるいは、大英博物館収蔵の美しい金箔が施された棺の持ち主、アンテフ王・ネブウ=ケペルラーの後継者だったのだろうか。このように多くの疑問点が残っているが、目下のところ答えを出すには至っていない。

作品データ

  • アンテフ王・セケムラー =ヘルウヘルマアトの棺の蓋

    第2中間期、第17王朝、前1650-前1550年頃

    ドゥラ・アブ・アル=ナガ(エジプト)?

  • 木に漆喰と彩色、象嵌細工

    高さ1.885m、幅0.48m

  • 1854年にオーギュスト・マリエットから取得

    E 3020

  • 古代エジプト美術

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

「アンテフ」と「セケムラー=ヘルウヘルマアト」