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イギリスのジョージ3世の食器セットの食器類

© 1993 RMN / Martine Beck-Coppola

工芸品
18世紀:新古典主義

執筆:
Muriel Barbier

ロベール=ジョゼフ・オーギュスト(1723-1805年)は、ヨーロッパの王室に、―現在では消失してしまったが― 多くの金銀細工の作品を制作し、このルーヴルのセットは、その様子を想起させてくれる。このセットの食器類はイギリスのジョージ3世(1738-1820年)の刻印が押されており、18世紀のさまざまな食卓の作法に適応している。厳格な印象を与える新古典主義的な装飾の処理は、丸彫りの像によって和らげられており、これは最も重要なロベール=ジョゼフ・オーギュストの作品の例である。

18世紀の大掛かりな食器類

18世紀を通して使われていたフランス風の」食器類は、いくつかの異なる『段階」に分かれていた。前菜の食器類、肉料理の食器類、そしてデザートの食器類であるが、その間にも他の食器類が加わることもあった。各段階にはそれぞれひとつの食器が対応していた。金食器、銀食器、磁器の器、などである。そして各皿にはそれぞれ一つの容器が用意されていた。イギリスのジョージ3世の食器セットは、大掛かりな食器セットのさまざまな食器が、どういうものであったかを伺わせてくれる。ルーヴル美術館はこのセットから23点の食器を所蔵しており、その中には8本のオイル瓶―オイルと酢を入れるため―、グラスを入れる容器が数点―当時はまだ食卓にグラスを置く場がなく、各食事客は執事にグラスを取らせていた―、煮込み肉用壺が数点―肉を温かい状態に保つため―、明かりのための大燭台、からし壺、皿、ふた、などがある。制作年に関しては、この食器セットは、現在保存されているオーギュストが納入した作品のなかで、最後の大きな食器セットであり、よってフランス革命によって廃止された食卓の伝統を示す、最後のものなのである。

金銀細工における新古典主義の表現

ルーヴルの23点の作品は、明白な様式的統一性を表わしている。溝彫りが彫金され、月桂樹の半円形刳り形が周りを囲んでいる、皿と煮込み肉用壺は、中央に盛台があり、その周りは玉縁飾りで飾られている。これらの装飾は、からし壺やオイル瓶、煮込み肉用壺にも使用されている。この煮込み肉用壺の取っ手は、抱き合う二人のアモルから成り、その愛らしい姿が新古典的な意匠の堅さを和らげている。グラスを入れる容器とふたの底部には、一列の玉縁飾りが見受けられる。オイル瓶やからし壺は雄羊の頭に囲まれ、子供像(アモル)と同じく、全体を和らげる役割を果たしている。燭台に関しては、柱身が古代風の3対の女性胸像からなっており、それがより直接的に新しいギリシア・ローマの影響を想起させている。

ロベール=ジョゼフ・オーギュスト(1723-1805年)によって繰り返される型

オーギュストは、イギリスのジョージ3世のものや、ヨーロッパ宮廷のために制作された他のものと同時代、またはそれ以前の食器類と、同じ型を使うのをためらわなかった。ロシアのエカテリーナ2世の食器セット(サンクト・ペテルブルグ、エルミタージュ美術館蔵)のひとつには、イギリスのジョージ3世の食器セットのものと同じ型の、煮込み肉用壺が見受けられる。クルッツ伯爵の食器セット(スウェーデン王室コレクション)にも、同じような類似品が見られる。このタイプの煮込み肉用壺は、パリ国立高等美術学校にそのデザイン画が保存されており(目録番号O1273)、1783年にまた、オーギュストからルイ16世に届けられている。

出典

Poinçons検証刻印

オイル壺:検証刻印:職人:RJA 棕櫚の葉;役所 パリ1776-1777(王冠を頂いたN);パリの積荷1775-1781(王冠を頂いたA);輸出品として荷揚げ パリ1775-1781(ラクダの頭);1893年から条約批准国より輸入(ゾウムシの頭)

グラスを入れる容器:検証刻印:職人:RJA 棕櫚の葉;役所 パリ1776-1777(王冠を頂いたN)と1777―1778(王冠を頂いたO);パリの積荷1775-1781(王冠を頂いたA);輸出品として荷揚げ パリ1775-1781(ラクダの頭);1893年から条約批准国より輸入(ゾウムシの頭)

煮込み肉用銀製壺(OA10606):検証刻印:職人:RJA 棕櫚の葉;役所 パリ1778-1779(王冠を頂いたP)と1780-1781(王冠を頂いたR);パリの積荷1775-1781(王冠を頂いたA)と1781-1783(王冠を頂いたA,裏張り);輸出品として荷揚げ パリ1781-1789(水差し);1893年から条約批准国より輸入(ゾウムシの頭)

煮込み肉用銀製壺(OA10607):検証刻印:職人:RJA 棕櫚の葉;役所 パリ1778-1779(王冠を頂いたP)と1780-1781(王冠を頂いたR)パリの積荷1775-1781(王冠を頂いたA)と1781-1783(王冠を頂いたA,裏張り);輸出品として荷揚げ パリ1781-1789(水差し);1893年から条約批准国より輸入(ゾウムシの頭)

煮込み肉用銀製壺(OA10607):検証刻印:職人:RJA 棕櫚の葉;役所 パリ1778-1779(王冠を頂いたP)と1780-1781(王冠を頂いたR)パリの積荷1775-1781(王冠を頂いたA)と1781-1783(王冠を頂いたA,裏張り);輸出品として荷揚げ パリ1781-1789(水差し);1893年から条約批准国より輸入(ゾウムシの頭)

大燭台(OA10609):検証刻印:職人:RJA 棕櫚の葉;役所 パリ1778-1779(王冠を頂いたP、柱身)と1781-1782(王冠を頂いたS、腕木と蝋受け);パリの積荷1775-1781(PARIS 柱身)と1781-1783(花形模様のL二つ、腕木と蝋受け);輸出品として荷揚げ パリ1781-1789(水差し);1893年から条約批准国より輸入(ゾウムシの頭)

からし壺:検証刻印:職人:RJA 棕櫚の葉;役所 パリ1780-1781(王冠を頂いたR、台、本体のものは判読不可能);パリの積荷1781-1783(王冠を頂いたA台、と花形模様のL二つ、本体);輸出品として荷揚げ パリ1781-1789(水差し);1893年から条約批准国より輸入(ゾウムシの頭)

6枚の皿:検証刻印:職人:RJA 棕櫚の葉;役所 パリ1783-1784(王冠を頂いたU);パリの積荷1783―1789(組み紐文で二つのL);輸出品として荷揚げ パリ1781-1789(水差し);1893年から条約批准国より輸入(ゾウムシの頭)

ふた4つ(OA10619-10622):検証刻印:職人:RJA 棕櫚の葉;役所1784-1785(王冠を頂いたP);パリの積荷1783―1789(王冠を頂いたA);輸出品として荷揚げ パリ1781-1789(水差し);1893年から条約批准国より輸入(ゾウムシの頭)

ふた2つ(OA10623-10624):検証刻印:職人:RJA 棕櫚の葉;役所 1764-1765(王冠を頂いたA―消えている);パリの積荷1783―1789(王冠を頂いたA);輸出品として荷揚げ パリ1781-1789(水差し);1893年から条約批准国より輸入(ゾウムシの頭)

作品データ

  • ロベール=ジョゼフ・オーギュスト(1723-1805年)

    イギリスのジョージ3世の食器セットの食器類

    1776-1777年

    イギリスのジョージ3世の食器セット

    パリ

  • 銀、クリスタルガラス

  • 1975-1975年相続税代物弁済

    OA 10602, OA 10603

  • 工芸品

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

すべての作品に検証刻印:『GIII』 の印