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作品 イブン・トゥールーンのモスクの帯状碑銘文の断片

イスラム美術部門 : 正統カリフ時代

イブン・トゥールーンのモスクの帯状碑銘文の断片

© 2006 RMN / Jean-Gilles Berizzi

イスラム美術
正統カリフ時代

執筆:
Neveux Leclerc Annick

これは宗教建築の装飾の原則にしたがってモスクの祈祷室の天井の周囲に表わされたコーランの文句の断片である。クーファ体で書かれたアラビア語の銘文は、コーランの第二章の一部分を写したものである。地は、ヨーロッパ赤松で、アナトリアを急襲攻撃した時に手に入れたものを使用したものと考えられる。

モスクの壁に記された言葉

帯状の板は、角が丸くなった刳型で、上と下が縁取りされている。軽く膨らんだ文字は、縁が斜めに切り込まれていて、浮き出てみえる。これは、コーランの第二章の断片で、頻繁に引用される文句である。
「ヤマルーン(コーラン第二章、128/134、彼らは、していた。)
(言葉の保持者は)
ワ・カールー(コーラン第二章、129/135、言った。こうあれと。)」
同じ帯状装飾より出た、この第二章の別の部分が保存されている。それは、カイロのイスラム美術館に五つの断片、ジュネーヴの個人コレクションに一つの断片があり、ドゥエイのカルトジオ会修道院美術館の小さな木片が七つ目の断片である。しかしながら、コーランの名句の帯状装飾の大半は、今なおイブン・トゥールーンのモスクの壁の天井の下へ約30cmの位置、本来あったところに残されている。帯状装飾は全体で、ほぼ2kmに及ぶが、言い伝えとは逆に、コーランの言葉をそのまま写してはいない。クレスウェルによると、約十五分の一が記されていて、それだけでも、ほぼ一万八千の文字が表わされている。(コルベット・ベイによると、コーランの十八分の一が表わされていると推算されている。)



碑銘

クーファ体は非常に簡素で、文字の横の線が、縦の上る線と末尾の下がる線とで、直角を形成し、はっきり、それと判るものである。ただ、ほんの少し遊びで、末尾と縦の上る線が最後斜めに終わる前に外側に広がっていることで、ワーウ(w)とカーフ(q)の結び目は右に尖って伸びている。コーランの普及には欠かせない碑銘は、回教の宗教建築の最も重要な装飾で、この種の建築装飾として許可されている幾何学文様とアラベスク模様と花文様よりも、ずっと貴重なものである。それ故に、碑銘は特別に意味のある位置に、すなわち人々が礼拝するメッカの方向にあるキブラ壁や、後の時代には、丸天井や、モスクの入口の扉に、入念に配置されている。

ヨーロッパ赤松

ヨーロッパ赤松はエジプトにはないもので、この当時、アラブ人が何度も急襲攻撃をかけたアナトリアから持って来たものに違いない。

出典

- ANGLADE Élise, Catalogue des boiseries de la section islamique, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1988, n 7.

- CRESWELL K.A.C., Early Muslim Architecture, II, Clarendon Press, 1940, p. 344

作品データ

  • イブン・トゥールーンのモスクの帯状碑銘文の断片

    876–879年

    エジプト、カイロ

  • ヨーロッパ赤松、彫刻装飾

    縦0.302m、横1.450m、厚み0.022m

  • 1948年、INALCO(国立東洋言語文明研究所)より寄託

    HI 10

  • イスラム美術

    リシュリュー翼
    地上階
    アッバース朝 8‐10世紀
    展示室2

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