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作品 ウンスーの墳墓の壁画 農作業場面

古代エジプト美術部門 : 新王国時代(前1550-前1069年頃)

ウンスーの墳墓の壁画 農作業場面

© 2008 Musée du Louvre / Christian Décamps

古代エジプト美術
新王国時代(前1550-前1069年頃)

執筆:
Sophie Labbé-Toutée

この断片は、ウンスーの墳墓の礼拝堂を装飾していた一連の壁画の一部分である。ウンスーはアメン神の穀物会計書記の役職に付いていた人物で、この場面は、ウンスーが農地で監視しなければならなかった耕作、播種、収穫、麦わらから穀粒を分離する脱穀などの農作業を表しており、下から上へ読むように描かれている。

あるテーベの墓

英国領事であったヘンリー・ソールトの豊富なコレクションの一つであったこの断片は、1826年にシャンポリオンがソ-ルトから購入したものであるが、この作品についてソールトからもたらされた情報はごくわずかなものであった。ウンスーの墳墓の正確な位置も分かっていないが、王家の谷から程近いテーベの頂のふもと、私人のネクロポリス内にあったことは確実である。これらの壁画の年代は、第18王朝前半、おそらくトトメス3世の治世下のものと推測される。エジプトにおいて、壁画技術が発達したのもこの時代であった。
昔から既に知られていた壁画技術が盛んになった理由として、二つの要因が挙げられる。第一に、この地帯の石灰岩の質が悪かった点、第二に、彫るより迅速に出来上がる点である。壁面には、ムナと呼ばれる泥土と細かく切った藁の混合物を塗って滑らかにした後、きわめて薄い石膏を覆った。この手法で、墓が掘られる石灰岩の壁の不規則な表面を、素早く滑らかにすることができた。
壁画には、フレスコではなく、テンペラという技法が駆使され、使用されている顔料は、黒(炭素)を除いて全て鉱物性のもので、すりつぶした後に、いまだに成分が分かっていない結合剤と混ぜて使用した。

開放された礼拝堂の装飾

埋葬室の入口が埋葬の後に閉鎖されたのに対し、墳墓の礼拝堂は開放されたままにされ、生者たちはそこへ死者の葬祭儀式を行うためにやって来た。つまり、壁の装飾は人々に永遠に開放されていたことになる。通常、このような装飾の主題は「日常生活の場面」と呼ばれている。死者が職業に従事している様子や、役職の務めを果たしている様子を描いたものもよく見られ、こうした「日常生活の場面」の中には、確かにエジプト人の習慣や風習をよりよく理解するのに役立つものも多い。しかし大半の場面は、なによりもまず、死者が(冥界で)生き続けられるようにという呪術的な目的をもったものであったと思われる。こうして、農作業の場面が食糧を供給し、死者は墓の中で生き続けることができるとされていた。

野良仕事

簡素な腰衣をつけ、暑さのため剃髪した農夫たちが、農作周期のさまざまな活動に励んでいる様子が、三段にわたって描かれている。下段では、農夫たちが犂や無輪犂を使って地を耕している。ここで着目すべき点は、きわめて稀なことに、播種を行なう人が種を投げ蒔きする間に、犂を引いているのが牛ではなく人間であるという点である。また、二つ並べて描かれた目や、わずかにずらして二重に描かれた脚から、二人一組になって働いていることが見てとれる。中段では、刈り入れをする人たちが半月鎌で穂を刈っている。家畜の餌や田の肥料にするために茎は残され、刈り入れする者に続いて、少女たちが落ちた穂を拾い上げている。そして上段では、男たちが穂で一杯になった籠を運び、牛に踏ませて脱穀をするために牛の足の下に穂を落としている。

出典

POTVIN M., PIERRAT-BONNEFOIS G., Les conventions plastiques de l’art égyptien Au temps des pharaons, Louvre, collection « visite jeune public », Dossier pour enseignants, Paris, 2002, p. 24-25.

ANDREU G., RUTSCHOWSCAYA M. H., ZIEGLER C., L’Egypte au Louvre, Hachette, Paris, 1997, p. 106-107, notice n° 43.

ZIEGLER C., in Le Monde de la Bible, 1992, tome 78, p. 38-41, pl. 2.

作品データ

  • ウンスーの墳墓の壁画 農作業場面

    新王国時代、ハトシェプスト女王、またはトトメス3世の治世下、前1479-前1425年

    テーベのネクロポリス出土

  • 泥土と麦わらの混合物に彩色、顔料

    縦68cm、横94cm

  • 1826年にソールトコレクションから購入

    N 1431

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    畑仕事 マスタバ
    展示室4

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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