Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>エジプト形飾壺と飾台

エジプト形飾壺と飾台

© 2001 RMN / Walter Marc

工芸品
19世紀

執筆:
Barbier Muriel

ブレーズ=ルイ・ドアルムは、1791年より工房長として、エナメル塗装の金属板を使った工芸品の制作をした。小品から始めて次第に大作を手掛けており、政府の奨励を受けて,このパリ、マルテル通りの金属板エナメル塗装製作所は、現在ルーヴルに保存されているエジプト形飾壺の他、もう一点、計二点の大型飾壺を制作している。この大型飾壺は、19世紀初頭にみられる新しい素材と古代エジプト文明への関心を今日に伝えるものである。

金属板の大壺

技術革新に対する嗜好が種々の素材を用いた大壺を生み出す。この傾向はまずセーヴル磁器製作所にフランス革命前の旧体制下で現れて、19世紀全般を通じてみられたものである。この巨大な物に対する嗜好がこの大型飾壺と飾台を生む。経営難にあったドアルムの再三に渡る要請に答えて内務省は1804年大型飾壺二点を発注する。 金属板エナメル塗装製作所は建築および室内装飾を対象にしてエナメル塗装、金装飾、色絵付けした金属板の工芸品を制作していた。1800年から1804年まで内務大臣であったジャン=アントワーヌ・シャプタル(1756−1832年)は、政府内の部屋を装飾する壺の図案を提出させて、メディチ形飾壺(ルーヴル美術館所蔵)とエジプト形飾壺を選んだ。この壺は1806年に完成して内国勧業博覧会に展示された。その後チュイリュリー宮殿の正殿の第一広間に飾られ、1808年からはディアナの回廊にメディチ形飾壺と一対にして飾られた。

エジプト趣味

ナポレオン・ボナパルトのエジプト遠征は、 軍事的敗北という事実を忘れさせてしまうだけの数多くの出版物を生み出した。ドミニック・ヴィヴァン・ドノンはこの遠征に従軍して数々のクロッキーを持ち帰り1802年ボナパルト将軍遠征中の『上・下エジプトの旅』と題して発表した。最初の案の段階では、ブレーズ・ルイ・ドアルムは必須と考えられていた科学的な根拠としてドノンの作品からという注釈を付けた。ところが、その図案はどこからみてもドノンの作品に基づいたものではなかった。ドアルムにはドノンの作品をもとに図案を作り出すだけの知識がなかったようだ。建築家シャルル・ペルシエが自分の弟子の中から建築家フランソワ・ドゥブレ(1777−1850年)を紹介した。ドブレは当時まだ出版されてはいなかったエジプト研究所の別の作品、『エジプト誌』からアイデアを受けたようである。壺は唐草文様と通行人文様の帯状装飾で飾られてエジプトの浮き彫り彫刻を思い起こさせる。把手は蛇形でファラオの頭頂にその頭を置いている。このファラオのエジプトを想起させるテーマは当時の人々に栄光あるボナパルトの遠征と同一視された。そしてその遠征の場面が飾台のふたつの面を《ピラミッドの戦い》と《ジャファのペスト患者を見舞うボナパルト》の両場面で表されている。

王政復古期の修正

王政復古期になるとナポレオンの象徴はもはや好まれなかったため、壺にはかなり手が加えられたが、エジプト風の外観は相変わらず保たれた。 絵画2点は取り除かれ、鷲とナポレオンのNはバラ模様、「ヘムヘム冠」およびヒエログリフに換えられて今日に到る。ところで、こうしたヒエログリフは何の意味も持たず、ここでは純粋に装飾として用いられている。エジプトは異国的で魅惑的なよその土地と見なされ、その文明に対しては、ナポレオン・ボナパルトの時代も王政復古期も、国家を挙げてその権威に比肩したいと望んでいた。王政復古期にはシャンポリオンが、研究の成果、殊に文字に関する研究結果を出版している。

出典

Samoyault J.-P., "Chefs-d'oeuvre en tôle vernie de l'époque consulaire et impériale (1801-1806)", in La Revue du Louvre et des musées de France, 1977, 5-6, p. 322-334.
Égyptomania, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1994, p. 277-280.

作品データ

  • ブレーズ=ルイ・ドゥアルムフランソワ・ドゥブレ(1777−1850年)

    エジプト形飾壺と飾台

    1804‐1806年

    パリ、チュイルリー宮

    パリ、マルテル通り、金属エナメル塗装所

  • 赤銅板、鍛造、旋盤加工した鉄の骨組、上彫と艶消し鍍金した青銅装飾、大理石と石を模した絵付、エナメル塗装

    壺:高さ1.80m、直径0.95m台座:高さ1.32m、幅0.94m

  • LP 3275, LP 3277

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    ジャコブ=デマルテル
    展示室72

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する