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作品 オストラコン、王の横顔

古代エジプト美術部門 : 新王国時代(前1550-前1069年頃)

オストラコン、王の横顔

© 2004 Musée du Louvre / Georges Poncet

古代エジプト美術
新王国時代(前1550-前1069年頃)

執筆:
Sylvie Guichard

両面に図像が描かれているこの石灰岩の剥片は、オストラコン(複数形はオストラカ)と呼ばれている。オストラコンはギリシア語で貝殻を意味し、銘文や図像が描かれた石灰岩や陶器の破片を指す考古学用語である。エジプトの職人は、オストラコンをスケッチや素描の下書きに用いていた。

両面に描かれた図像

このオストラコンの表側には、右を向いている王の横顔が描かれている。図像は、赤と黄土色のインクで素描され、黒インクで修正が加えられている。王は、青冠ケペレシュ冠を戴いており、青冠は、王の守護神であるコブラで装飾されている。リボンが二本うなじに沿って垂れさがり、第18王朝末期以降から普及した耳飾の跡が耳たぶに残っている。頬のヴォリュームは、赤色のラヴィ(淡彩画)で丸く表現されている。肉太の顎、大きな鷲鼻、小さい口、顎にある皺などから、第20王朝の5代目のファラオ、ラメセス6世の横顔であることが分かる。この顔と同じ図像が描かれた複数のオストラカが、王家の谷にあるラメセス6世の墳墓で発見されたからだ。裏側には、王のかぶりものが断片的にスケッチされ、その横に、おそらく金を連想させるように黄色で塗られたウアジェト女神を表す、鎌首をもたげた立派なコブラが描かれている。スケッチであるものの、その完璧な美しい線から、熟練した職人が描いたものと分かる。おそらく、ラメセス王朝末期に王墓の装飾にたずさわっていた職人によって描かれたものと思われる。

デル・エル=メディーナ

テーベの小さな谷に、ひっそりと隠れているデル・エル=メディーナの遺跡は、ラメセス王朝時代に、王家の谷の王墓の建設や装飾などに従事した職人共同体の居住地であった。フランス人考古学者ベルナール・ブリュイエールが約30年間にわたって行なった、このネクロポリスの遺跡の発掘で、壁画が描かれている地下埋葬室、上部に小さいピラミッドが設置された礼拝堂、さらに現場監督、石切工、彫り師、素描画家、絵師とその家族が居住していた家屋が発掘された。王家の谷の職人は2グループに分けられ、10日連続して王墓の中で働き、その後、村に戻って他の仕事や用事を果たしていた。

図像が描かれたオストラカ

オストラカに描かれる図像のテーマは、動物、出産、授乳、身繕いなどの様子、楽士、風刺的なもの、王を描いた図像など多種多様である。今日知られている夥しい数のオストラカは、デル・エル=メディーナ村の瓦礫から出土し、何千ものオストラカが、深さ40メートルに及ぶごみ捨て場から発見された。作者不明の小さな資料ではあるが、新王国時代末期の人々の暮らしを物語るきわめて貴重な情報源となっている。

出典

Les Artistes de Pharaon, Deir el-Médineh et la Vallée des Rois, catalogue d’exposition, Louvre/Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 2002, notice 114.

- MINAULT- GOUT A., Carnets de pierre. L’art des ostracas dans l’Egypte ancienne, Paris, 2002, p. 22/3.

B. LETELLIER, L.M. BERMAN, Pharaohs. Treasures of Egyptian Art from the Louvre, The Cleveland Museum of Art in association with Oxford Press, 1996, p. 75 et 97.

- Mémoires d’Egypte, catalogue d'exposition, Bibliothèque Nationale, Strasbourg, 1990, p. 162.

作品データ

  • オストラコン、王の横顔

    新王国時代、第20王朝、ラメセス6世治世下(前1143-前1136年)

  • 石灰岩の剥片に彩色

    縦21.30cm、横22.50cm

  • 1827年に購入

    N 498

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    2階
    新王国時代:ラメセスの時代 紀元前1295‐紀元前1069年頃 ファラオ王朝
    展示室27

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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