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作品 オソルコン2世の名を刻んだ胸飾り、オシリス神の家族

古代エジプト美術部門 : ファラオ王朝時代末期及びプトレマイオス朝時代(前1069-前30年)

オソルコン2世の名を刻んだ胸飾り、オシリス神の家族

© Musée du Louvre/C. Décamps

古代エジプト美術
ファラオ王朝時代末期及びプトレマイオス朝時代(前1069-前30年)

執筆:
Pierrat-Bonnefois Geneviève

純金とラピスラズリで作られた、まさに古代金銀細工の傑作といえるこの貴重な宝飾品は、オシリス神の家族を表した三柱神像である。冥界の偉大な神を表しているものの、葬祭用の宝飾品というよりも、むしろ神殿の宝物であったのではないかと推測されている。

オシリス神の家族

純金で作られたこの三体の人物像は、オシリス神が息子のホルス神と妻のイシス女神に付き添われている様子を表している。ホルス神とイシス女神は、自らの父あるいは夫の肩の位置に手をあげて、加護を与える姿勢を取っている。3柱神が身につけている象徴物から、それぞれの人物を特定することができる。羽がついた教皇冠のような高い冠と屍衣からオシリス神、ハヤブサの頭と王の二重冠からホルス神、そしてハトホル女神のかぶりものを模した、牝牛の角に挟まれた太陽円盤からイシス女神であることが分かる。オシリス神は鮮やかな青色のラピスラズリ製の柱の上に身を屈めている。この鮮やかな青色によって三柱神の脚部が引き立てられている。コーニスを飾るヤシの葉模様と台座には、金の仕切りにラピスラズリと赤いガラスの象嵌細工が施されている。ホルス神とイシス女神の鬘にも同様な象嵌細工が施されていたが、今では消失してしまっている。詳細に表されている部分は、彫金が施されている箇所もあれば、跡をほとんど残さずに溶接されて付け加えられた箇所もある。人物造形の質の高さは、同展示室にある《神聖なる崇拝者、カロママ》(ルーヴル、N500)などの、同時代の最高傑作に匹敵すると言える。

台座の下の銘文

金製の台座の下には銘文が刻まれており、そのうち6行のみが残っている。左には、「上エジプトと下エジプトの王、二国の君主、アメン神から選ばれたウセルマアトラー、ラー神の息子、冠の主、アメン神から愛されるオソルコン」と読み取れる。その向側には、左から右に、「ラー神のごとく、アトゥム神の長い年月を授けよう、あらゆる武勇と勝利を与えよう、数え切れないほど多くの王位更新祭を祝うことができる長い統治を与えよう。オシリス・ウエンネフェルはこう語る。」と記されている。いつの時代かは不明であるが、イシス女神の足がついている辺りの台座の金板が、金色の銀の小片で修復されたため、銘文の終わりの部分が消えてしまっている。この部分には、オシリス神の彫像には滅多に見られない身を屈めた珍しいポーズを取り、通常アメン神やラー神などの偉大な神が宣う言葉を述べているこのオシリス神を、正確に位置づけるための手がかりとなる事柄が記されていた可能性もある。

神殿の宝飾品

ラピスラズリ製の柱の前方には、「上エジプトと下エジプトの王、二国の君主、アメン神に選ばれたウセルマアトラー、ラー神の息子、冠の主、アメン神から愛されるオソルコン」という銘文が刻まれている。身を屈めている人物の銘文なのであろうか。オソルコン2世は、全ての王が死後オシリス神になると信じられていたように、オシリス神に同一化すると同時に、オシリス神から加護を与えられるものとして、同一記念物に表されているのかもしれない。しかし、オソルコン王は「オシリス・オソルコン」という、死後王に与えられる亡き君主としての名称で呼ばれていない。その上、護符のようなこの人物像は、オソルコン2世の墓から出土したものではないと言われている。ピエール・モンテがタニスで発掘を行っていた際、昔に掘削した土石が積み上げられた下に、封印されたままの状態で発見されたからだ。また、銘文も葬祭用の宝飾品に刻むような内容のものではない。よって、この彫像のオシリス神は、生きている王の守護神として表されているものと考えられる。紀元前1千年紀には、オシリス神を祀った数多くの信仰の場がエジプト全土に存在していた。この彫像は、神殿の宝物、宗教上の高位の役職を象徴する持物であったのではないかと推測される。この彫像の背面には、胸飾りのように吊り下げるための環が備え付けられているからだ。非常に高価なこの品の用途が後に変更され、そのために台座の裏に刻まれていたと思われるこの神を表す形容語句が、故意に消されたのではなかろうか。

出典

- Tanis, l'or des pharaons, catalogue d'exposition, Galeries nationales du Grand Palais, Paris, 1987, pp. 172-173.

- ZIEGLER Christiane, STIERLIN Henri, Tanis : trésors des Pharaons, Seuil, Paris, 1987, fig. 107-110.

- ZIEGLER Christiane, BOVOT Jean-Luc, Art et archéologie : l'Égypte ancienne, Éditions de la Réunion des musées nationaux, "Manuels de l'École du Louvre", Paris, 2001, pp. 252-253, fig. 152.

- Von Babylon bis Jerusalem, catalogue d'exposition, Mannheim, 1999, p. 61, notice n 76.

- ANDREU G. , RUTSCHOWSCAYA M. H., ZIEGLER C., L'Egypte au Louvre, Hachette, Paris, 1997, p. 178-179, 255, notice n 87.

作品データ

  • オソルコン2世の名を刻んだ胸飾り、オシリス神の家族

    第3中間期、第22王朝、オソルコン2世治世下(前874-850年)

  • 金、ラピスラズリ、赤いガラス

    高さ9cm、幅6.60cm

  • 1872年、購入

    E 6204

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    2階
    紀元前千年紀から最初のペルシャ征服まで 紀元前1069‐紀元前404年頃:第3中間期 サイス王朝時代 最初のペルシャ征服
    展示室29

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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