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作品 カッセルのアポロン型のアポロン像

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Lepetoukha Charlotte

このアポロンの人物像の顔と髪形の構造と同様その姿勢は、紀元前460年代のアテナイの彫刻家達の研究の特徴的な例を示している。ポウサニアスによる叙述に近いこの種の彫像は、カラミス(その場合であれば、アテネのアゴラにある《アポロン・アレクシカコス》(悪を倒すもの)であろう)、または最も頻繁にペイディアス(この場合は、アテネのアクロポリスの《アポロン・パルノピオス》(キリギリスを殺す者)であろう)に帰属された。

男性裸体

この彫像は、両足を完全に地面につけ立った状態の男性裸体を表現している。複製彫刻家により付け加えられた木の幹は、大理石彫刻の確実な安定を確保するためだけのものである。おそらく大型ブロンズ像であったオリジナル作品には、それは存在していない。全体を紐によりおさえつけ、後方は三つ編みで結わいた頭髪は、中央の分け目により分けられた、いくつかのカールした毛の房を形成している。二つの縦ロールの毛の房は、それぞれの耳の裏側にしなやかに垂れている。厚いまぶたと厚ぼったい唇をもつ、重々しい卵型の顔をとりまくこの複雑な髪形は、この人相にいくらかの厳粛さを与える。

メルクリウスからアポロンまで

一度目の修復の際、メルクリウスのように復元されたこの大理石像は、1631年リシュリュー・コレクションに加わり、彼の城の中庭に設置された。二度目の修復は、現在その近代の両脚にのみに見られる。ルーヴル美術館に展示する目的で行われたその修復は、この彫像をローマ人の収穫の神、ボヌス・エヴェントスに変形させた。しかし実際は、その長い髪、そしてその若々しい人相により、アポロンの人物像のように区別され、今日ではその人物像とし展示されている。このルーヴル美術家の彫像は、ドイツのカッセルに保管してある、より保存状態の良い作品例がその型の総称の由来となった、ある種の作品を複製している。この他の複製品より、この彫像が示唆する動作を再現する事ができる。その左手は円柱の物体(おそらくアポロンの象徴である弓)を握り胴の部分まで上げられ、右手は、下に下ろされ、おそらくこの神に伝統的に関連付けられた月桂樹の枝を握っていた。

厳格主義の特徴的な作品

カッセル型のアポロンは、男性裸体の進化の重要な鍵である、動作中の体の表現の問題に対し、紀元前5世紀のアッテイカの彫刻家たちが得た答えのうちの一つである。重心がかからない脚のかかとは、まだ地面から離れていなく、両肩は水平線に沿ったままであるが、腰は右足の前進に答え傾いている。このオリジナル作品の制作時期はまだクラシック時代の初期であり、それはポリュクレイトスのコントラポストの解決法が提案される前である。その重々しい顔立ちとこの種の髪形はまた、この型のオリジナル作品が紀元前460年代に制作されたことを示す。事実、強調された顎の顔のなかにある、はっきりと表現されたまぶたと厚い口は、紀元前480年代から450年代にかけて繁栄した、厳格様式の作品の特徴である。
ところが、ポウサニアスが『ギリシア誌』にて言及している二つのアポロン像はこの年代に合致するように思われる。それは、ペイディアスの《アポロン・パルノピオス》(キリギリスを殺す者)とカラミス《アポロン・アレクシカコス》(悪を倒すもの)である。しかし保管されている多くの複製品の数がその著名度を証明する、ある種の彫像の中に有名な作家の名を探すことは、とても魅力的に思えるが、確実なオリジナル作品が一つも知られていない二人の作家のうちの一人へ帰属することは、極めて不確かな行為に過ぎない。

出典

SISMONDO-RIDGWAY B., Fifth Century Styles, 1981, pp. 184-185.
HARRISSON E. in PALAGIA O., POLLITT J.-J., Personal Style in Greek Sculpture, 1996, pp. 64-65.

作品データ

  • カッセルのアポロン型のアポロン像

    紀元前460年頃に制作されたオリジナル作品を元に作られたローマ皇帝時代の作品(紀元2世紀初期?)

    イタリア

    イタリア(?)

  • 大理石、丸彫

    高さ2m

  • 旧リシュリュー・コレクション、1800年革命没収品

    Inventaire MR 117 (n° usuel Ma 884)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

膝から下の脚は近代のもの