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作品 カンタロス型脚長の杯

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ヘレニズム時代のギリシア美術(前3-前1世紀)

カンタロス型脚長の杯

© 1998 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ヘレニズム時代のギリシア美術(前3-前1世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

この杯は、前4世紀末ギリシアのブロンズ鋳金師が制作した、宴会用の贅沢な食器の生産を物語っている。それは洗練された王室芸術の発展に貢献することに気遣う、マケドニアの君主の願望を満足させるためのものである。この食器は、幅の広い把手と刳り形の長い脚をもつ、聖杯型カンタロスの特別な形を持ち合わせている。複数の食器セットは、ギリシア北部の墓のなかで発見され、それは蓄財への関心を証明している。

ブロンズ製の贅沢な食器の生産

近年ルーヴル美術館に加わったこのブロンズ製の杯は、前4世紀後半、ギリシア彫金師により作り上げられた、宴会用の贅沢なある食器の製造に由来する。この容器は単なる杯というより、クラテルに類似する。とても例外的なその形は、これに類似した外見をもつ飲料用容器の数少ない連作により知られている。前330から320年に制作されたこの作品は、聖杯形の胴部を持ち合わせている。その側面は口に向かい広がり、それぞれの凹凸の部分が交互に入れ代わり、そこにリズムを与えている。これは刳り形の長い脚、二重の棒にて構成され、葉の形をした金具により胴部に固定された、湾曲した幅の広い把手を持ち合わせている。容器の本体、把手、脚は、別に鋳造され、後に溶接された後、線刻の線により浮き立たされている。その後全体は、金属の輝きと反射を与えるため周りが磨かれる。その元の色は金に近く、それは未だところどころに見受けられる。

特にギリシア北部で確認される壺の一種

首の長細い均整美と、とても簡素な口唇部は、その多くが中央ギリシア(ガラクシディとコリントス)、またはより頻繁にギリシア北部(アンフィポリス、ニキシアニ、デルヴェニ、ヴェルギニアなど)の墓の中で発見された一連の器具に類似する。ブロンズ彫金師はまた、同じ食器セットに属するかもしれない異なる容器の型に同類の形の把手、脚を取り入れた。一部の杯は、短い脚の上に置かれ、他の者は長い脚の上に置かれているのに対し、また別のものは脚や把手が存在しない。ブロンズだけでなく銀製での制作された、簡素な口唇部のカンタロスの型は、おそらくコリントス出身の職人にて制作された、より複雑な形から生まれたように見える。前4世紀の間、ギリシア北部の工房は、この形を大量に複製し、新しい型を生み出したようである。

マケドニア王室のための杯

貴重というより威厳のあるこの製品は、洗練された王室美術の発展を有利に計らうことに気を使う、マケドニアの君主の願望を満足させるため、王室の有力者の絶え間なく一新する申請に答えていた。この食器の贅沢さは、一部アレクサンドロス大王による東方制覇にその一部を帰している。それは傭兵の帰還(前330‐327年)と、その数年後の復員兵の老兵の帰還と共に富の大量流入にもたらした。貴重な壺の多くは埋葬品として発見され、墓の中にて死者の傍らに置かれていた。その前に、壺は何年もの間宴会の際に使用されていた。この現象は、ギリシア北部の支配階級にて多く確認される、家族の蓄財への関心を説明する。

出典

Catalogue des Nouvelles acquisitions (à paraître)
Descamps-Lequime S., "Acquisitions", in Revue du Louvre et des Musées de France 5, 1998, pp. 76-77, n 3.

作品データ

  • カンタロス型脚長の杯

    前330‐320年頃

    ギリシア北部(?)

    中央ギリシアまたはギリシア北部(?)の工房

  • ブロンズ、鋳造、線刻

    高さ11.60cm、幅19.40cm

  • 1997年(競売にて)購入

    Br 4787

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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