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カーネーションの杯

© 2007 Musée du Louvre / Raphaël Chipault

イスラム美術
近代イスラム帝国

執筆:
Gayraud Christine

この杯の装飾技法は、技法上の壮挙である。というのは、地色の紅は、珪石であり、したがって、ガラスとほとんど変わらない、色付きの釉薬に近いものであるから、焼成時に、少しでも窯の温度が上がり過ぎると、溶解してしまうものである。その上、花模様も、青と白の同じ釉薬で、絵付けされている。

技法上の頂点、紅の地に多彩装飾

この足の付いた杯は、大きいカーネーションと、小さくて先の尖ったチューリップと、おそらく勿忘草と思われる青い花で装飾されている。細い茎が、珊瑚の紅色の地に描かれたこれらの花の模様に区切りを付けている。
技法上では、他のイズニークのものとは違って、特に製法が微妙であるので、この種のものの数は、非常に限られている。珪石質の化粧土は、種類があまりないが、どれも、珪石すなわち酸化珪素を多量に含んでいる。この作品では、それが三重に重ねられている。
まず、地は、イズニーク特有の白色の化粧土が、素地に直接掛かっていて、白く滑らかな美しい表面をつくっている。
次に、鉄の酸化物によって色の付いた化粧土で、珊瑚色の地が出来ている。
最後に、絵付けは、別の顔料で色を付けた化粧土で、ここでは、白と青の花模様に黒の線と紅が加わっている。
この絵付けのあと、全体に透明釉が掛けられて、たった一度の焼成で出来上がる。
これらの化粧土は、すべて、多量の珪石すなわち酸化珪素が含まれているので、焼成時に非常に溶解しやすい、釉薬に近いものである。色が滲まず、混じり合わずに成功するのは、この作品で使われている色の数を考慮にいれると、めったにみられない手練の成果である。





初めてのもの

イスラムの地では、オスマン・トルコが、初めて、この「イズニークの紅」と呼ばれる有名な紅色を出すことに成功した。それまでは、13世紀に完成された、二度の焼成による方法でなければ、赤色は出せなかった。また、その赤の色も、このイズニークの紅色に比べると、色の深さと光彩の点で劣るものであった。そして、この技法は、すでに見捨てられていた。
イズニークの陶工は、1550年以降に、赤を求めて研究を始めている。そして、初めて、小さく部分的に現れた紅色は、1550年から1557年に、スレイマン大帝の命令によって建築されたスレイマニエ・モスクの人々が礼拝する方向、すなわち、メッカの方向を示す目印として重要視され、最も念入りに装飾されたミフラーブ(アーチ型の壁龕)を縁取る角の飾枠内と、このモスクのために制作されたモスク・ランプにある。当然のことだが、最初の制作は、宗教建築の中で、しかも、帝国のモスクの中で、見ることができたわけだ。

金工品から借用した形状

この杯の形状は、蓋付きの銀器のそれに近いものである。一般に貴重な金工品の形状やトンバックと呼ばれるイランの伝統音楽の太鼓の形を陶器がとるという経由は、イスラム美術では珍しいことではない。オスマン帝国の時代のものとして、ルーヴル美術館は、これ以外に、皿一点とモスケ・ランプ一点が金工品の形状を模しており、銀器の特徴である接合部分の脹れた筋まで写している。

出典

- SOUSTIEL Jean, La Céramique islamique, le guide du connaisseur, éditions Vilo, 1985, fig. 258, pp. 334-335.

- Soliman le magnifique, exposition au Grand Palais, AFAA, 1990, n° 291.

- ATASOY Nurhan et RABY Julien, Iznik, éditions du Chêne, 1990, pp. 233, 236.


Les trois groupes d’Iznik
La céramique d’Iznik a été produite durant un peu plus de deux siècles. De 1480 à la fin du XVIe siècle les plus belles pièces sortirent des manufactures, essentiellement de la vaisselle jusqu’en 1550, des carreaux  s’y ajoutèrent ensuite.
Trois grands groupes se succédèrent pour la palette, bleu sur blanc tout d’abord puis des turquoise, mauve avec des variations du rose au marron et vert doux un peu sauge s’y ajoutèrent pour le deuxième groupe, enfin dans le troisième un rouge vif, un peu corail, était allié à du vert émeraude, du bleu et parfois du turquoise.
La coupe aux œillets se rattache à ce dernier par l’utilisation du coloris rouge mais en diverge par les autres couleurs de sa palette. Sa technique se distingue par l’utilisation, pour les couleurs, d’engobes siliceux qui sont presque des glaçures, très fusibles à la chaleur.

作品データ

  • カーネーションの杯

    1557年–1570年

    トルコ、イズニーク

  • 珪石質陶器、透明釉下、珪石質化粧土上、紅色珪石質化粧土、珪石質化粧土による絵付

    高さ1.3cm、直径20cm

  • 1910年、シャルル・ピエット=ラトードリー遺贈

    OA 6325

  • イスラム美術

    リシュリュー翼
    地上階
    オスマン帝国 14‐20世紀
    展示室12

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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