Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>ガリエヌス帝(在位紀元261-268年)

作品 ガリエヌス帝(在位紀元261-268年)

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

ガリエヌス帝(在位紀元261-268年)

© 2011 Musée du Louvre / Thierry Ollivier

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Lepetoukha Charlotte

とても特徴的なこの顔はガリエヌス帝を描いたものである。弱体化した帝国を引き継いだ彼の、統治初期に制作されたこの種の肖像は、支配者であり霊感を受けた指導者として描かれた君主の意思を表現する。独裁的政治の道具としてのこの肖像はまた、ギリシア彫刻から取り入れた要素が物語るように、ギリシア文化に陶酔する皇帝の造形証明でもある。

ガリエヌス帝

彫刻又は胸像にはめ込まれていたこの頭部は、253年より父ウェレリアヌス帝の共冶帝として、そして261年からは唯一の皇帝として統治したガリエヌス帝の肖像である。人物認証に関しては、とても特徴的な人相から疑いもなく彼のものであると言えよう。広い額、鷲鼻、滴型のはっきりした上唇は、他の肖像やガリアヌス帝統治下に鋳造された硬貨により普及した、彼の特徴である。

政治的プロパガンダの道具としての肖像

この種の肖像は、ガリレウス帝の父がペルシア人に囚われた後、唯一の皇帝になった際に制作されたものである。帝国の統一性が国境での異国人侵入により脅かされ、そしていくつかの属州の権力の簒奪などの帝国の危機の最中に、ガリアヌス帝は帝政機能の威力を回復させることを望んだ。その願いは、独裁的で決意の固い者として描かれたこれら肖像の中に、充分に表現されているように見える。天を見上げる霊感を受けた視線は、彼に超人的な面を与える。ガリアヌス帝は秩序を立て直し、人民に繁栄をもたらす賢明な指導者として表されている。その事から肖像はこの皇帝の政治的熱望を表す役割を果たしている。それは、彫刻や硬貨のかたちで帝国全土に普及されたプロパガンダの道具であった。

ガリエヌス・ルネッサンス

ガリレヌス帝の治世はヘレニズム趣向の回帰により特徴付けられる。ギリシア文化に造詣の深いこの皇帝は、ハドリアヌス帝のようにギリシアびいきの人物として自己を表現することを望んだ。彼はプロティノスの新プラトン主義の哲学に興味を持ち、エレウシスの秘儀を伝授されていた。このギリシア文化への関心の再来は、その特徴から肖像の技巧によくあらわれている。膨らんだ髪形、天を見上げた視線などは、アレクサンドル大王の後継者たちの肖像を必然的に思い浮かばせる。他にも頭部の構造化された、明確な線による構成は、古典主義に傾倒する美術と神格化されたアウグストウスの肖像を想起させる。
それと平行して、荒く加工された髪形に見る単純化傾向や、厳格に構造化された四角い顔に見る幾何学模様化の傾向などの現れが見える。3世紀の皇室肖像に現れる、より抽象的な形に向かう美術傾向は、ここでは高圧的な人相を強調する皇帝の高尚化に役立っている。

出典

Spätantike und Früher Christendum, Francfort, 1982, n 13, p. 393
De Kersauson (K), Catalogue des portraits romains, II, Paris 1996, n 227, p. 482

作品データ

  • ガリエヌス帝(在位紀元261-268年)

    紀元261年頃

    イタリア(?)

  • ルーニ大理石、丸彫

    高さ39cm

  • 旧ルーヴル美術館コレクション目録番号MR 511(常用番号Ma 512)

    Inventaire MR 511 (n°usuel Ma 512)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    ドゥノン翼
    1階
    ローマ美術:後期古代 紀元3‐5世紀
    展示室27

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する