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キャビネット

© 1990 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
17世紀

執筆:
Barbier Muriel

17世紀前半にパリの「黒檀の指物師」は、フランドルやゲルマン諸国のキャビネット(陳列室)に由来する、キャビネット(飾り戸棚)という一種の家具を発展させた。型は異なるが、見る者を驚かせるという原則は同じである。キャビネットはまるで劇場のように、地味な外観の裏に豪華な舞台を繰り広げる。実際、黒檀で化粧張りしたのキャビネットの扉を開けると、高価な素材を使った作品が姿を現す。

パリの黒檀製キャビネット

キャビネットは常に大型で、8本の脚からなる独立した揃いの台に乗っている。ルーヴル美術館のものは、後方の脚は付け柱、前方の脚は円柱になっており、これらが平たい球で支えられた幅広い台座に乗っている。この脚部が支える板には引き出しが横に並んでいる。上部は浅浮彫の扉2枚で構成され、その上にはコーニスが張り出している。黒檀のキャビネットは非常に建築的な家具であり、そこにはドイツとフランス・ルネサンスの影響が溶け合っている。黒檀材には浅浮彫装飾がふんだんに施されている。この木材を用いることから、同業者組合は「黒檀の指物師」と名づけられ、18世紀初頭には高級家具職人(エベニスト:黒檀を扱う者)と呼ばれるようになった。素材が黒いため地味に見えるが、内部にはそれ自体黒檀の化粧張りをした沢山の引き出しとトロンプ・ルイユ(騙し絵)の細かい装飾が隠されている。キャビネットは、同じくキャビネットと呼ばれる書斎に置かれた。この書斎は、一続きになった部屋の奥に位置し、親しい者や賓客に限って入ることができた。

図像

浅浮彫は美徳、ローマの歴史と神話を主題にしている。2枚の扉は彫刻を施した枠と波形の刳形に囲まれている。左はエトルリア王ポルセンナ率いる軍に対して、ローマのスビリクス橋を守るホラティウス・コクレスを、右は橋を切断するホラティウス・コクレスの兵士たちを表している。両場面の隅には、左に信仰、希望、節制、正義の、右には慈愛、賢明、武勇、潔白の擬人像がいる。また両端の壁龕2つには、マルスとミネルヴァの彫像が収められている。その下のフリーズには、進軍場面を描いた5つの浅浮彫が並んでいる。扉の裏面には 風景が彫刻され、花と刳形で縁取られている。内部正面はアポロンの物語を描いた2つの場面が、20の引き出しには海の動物と遊ぶ子供が見られる。内部には、紙製の小さな家や貝殻で変化をつけ、人工の岩で作った風景が現れる。

一群のキャビネット

このキャビネットは、おそらく同じ工房が制作した一群のキャビネットのひとつである。この一群は、彫刻の出来栄え、外側の円柱や付け柱で区切った装飾の配分、丸彫の彫刻があるところに特徴がある。同じ一群に属する他の9点のキャビネットは、フランスのフォンテーヌブロー城、セラン城、エクアン城、米国のニューヨークとサンフランシスコ、イギリスのウィンザー城、オランダのアムステルダム、ロシアのサンクト=ペテルブルクおよび個人コレクションに分かれて収蔵される。この一群の中では、ルーヴル美術館のキャビネットがおそらく最古の品である。これらは、オランダ出身でフォブール・サン=ジェルマンに拠点を構えた家具職人アドリアン・ガルブランとその娘婿ピエール・ゴール周辺で制作されたようである。

出典

Exposition Un temps d'exubérance, les arts décoratifs sous Louis XIII et Anne d'Autriche, Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, 2002, pp. 236-237.

Alcouffe Daniel, Dion-Tenenbaum Anne, Lefébure Amaury, Le mobilier du musée du Louvre, t. 1, Dijon, Editions Faton, 1993, pp. 52-59.

作品データ

  • キャビネット

    1645年頃

    ピエール・レヴォワル・コレクション旧在

    パリ

  • 樫とポプラの骨組、黒ずんだ果樹材の台座、黒檀の化粧張り

    高さ1.84m、幅1.58m、奥行き0.56m

  • 1828年取得

    MR R 62, OA 6629

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    エフィア城
    展示室32

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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