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作品 クロタルを鳴らす女性

古代エジプト美術部門 : キリスト教時代のエジプト(紀元4-紀元12世紀)

クロタルを鳴らす女性

© 1996 RMN / Hervé Lewandowski

古代エジプト美術
キリスト教時代のエジプト(紀元4-紀元12世紀)

執筆:
Christiane Lyon-Caen

短い両脚でしっかり立っているこの若い楽師は宝飾品のみを身に付け、腕を上げてカスタネットに似た楽器クロタルを鳴らしている。その姿勢は、異教徒の儀式や非宗教的な宴会で、飛び回る体が柔らかい官能的な踊り子とはかけ離れて硬直しているが、コプト美術における美の著しい特徴でもある。

踊り子

当時、踊り子であり楽師であったクロタル演奏者はその優雅さやしなやかさで知られていたが、この小さい人物像はクロタル演奏者にしては驚くほど動きが無く硬直した姿で描かれ、平たい円形状の台の上に立っている。尖った鼻、丸い頬を持つ顔はこっけいで、鑑賞者に無表情な視線を投げかけている。切り込みが刻まれた短い髪は、ファラオ王朝時代の重い髪形を想起させる。円錐形をした乳房は、胸部にぎこちなく付けられているものの、首に付けられている下げ飾りが3個付いた装身具とよく調和がとれている。短い脚の上にのった身体の下部には重量感があり、太くて長い腿が繋がっているためスカートを履いている様に見える。三角形をなす恥骨部は普段見られない大きさで描かれ引き立てられている。クロタルを振り鳴らす両腕は、祈る人やゲッケイジュにしがみ付くダフネに見られるように型にはまった仕草で表されている。

クロタル

ギリシア神話では、鳴らすと耐えがたい調和を欠く音を出すこの楽器はヘファイストスによって作り上げられ、アテナがヘラクレスにステュムパリデス湖の怪鳥を退治できるように贈呈したものであると伝えられている。リボン状の金属をU形に折った先端に窪んだ小円盤を繋げて作られた2個の小シンバルからできている。キュベレとアティスを讃えるための行列やディオニュソスに従うバッカスのティアソスの行列にこの楽器が鳴らされた。ローマ人がエジプトに定住するようになってから現れた楽器である。

音楽と踊り

踊りと音楽は、今日では大きい位置を占めていないが、古代の暮らしにおいては重要な位置を占めていた。出産、誕生日、結婚、葬儀、宗教的な儀式、祭り、宴会などにすべての機会が、音楽のメロディーにあわせ、歌いながら踊る口実となった。このような多種多様な儀式にはしばしばプロの楽師や踊り子が雇われ、彼らの催し物の料金は署名入りのパピルス契約書に記されている。どの様な足運びの踊りであったのか、またどのようなハーモニーの音楽であったのかは謎に包まれているが、楽器に関しては、様々な美術作品に描かれており、また発掘の際発見された実物を通して比較的よく知られている。コプトの芸術家は特に踊りの図像を重視し、衣装をはじめ、装飾品、実用品、箱、家具の一部、櫛、大きい壁掛け、カーテンなどの装飾として用いた。

出典

Au fil du Nil, couleurs de l’Egypte chrétienne, catalogue de l’exposition, musée Dobrée de Nantes, Paris, 2001, n°116, p.157.

作品データ

  • クロタルを鳴らす女性

    ビザンティン時代、後395-643年

  • 鋳造ブロンズ、パティナ

    高さ22cm、幅10.60cm、厚み5cm

  • 1954年、購入

    E 25393

  • 古代エジプト美術

    ドゥノン翼
    地上階
    コプト美術のギャラリー
    展示室B

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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