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作品 サンダルを脱ぐアフロディーテ

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

サンダルを脱ぐアフロディーテ

© 1999 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

おそらくシリアに由来するこのブロンズの小像は、帝政ローマの東方の地域における、アフロディーテ信仰の重要性を表明するものである。この作品は、ヘレニズム時代より有名であった彫刻の型から着想を得たもので、それ以来何度も複製が作られた。女神は全裸で現れ、片方のサンダルを脱ごうとしている。女性の体を堂々と観察する口実を与えるこの主題は、古典主義の作品の流れを汲んでいる。

サンダルを脱ぐアフロディーテの型式

このブロンズの小像は、ボワジュラン氏の寄贈により1967年にルーヴル美術館に収蔵された、クレルク・コレクションの数ある作品のうちのひとつである。この作品はおそらくシリアに由来し、ヘレニズム時代の有名なオリジナル作品を縮小した、ローマ時代の複製品である。女神アフロディーテは全裸で表現され、金のブレスレットだけを身に付けている。今日では失われた柱に手をかけ、左足のサンダルを今まさに取ろうとしているところを表現している。もうひとつの手には、アフロディーテの伝統的な象徴のりんご、または化粧品を手にしている。この像は不安定な状態の一瞬と巧妙に釣り合いが取れた姿勢を捉えており、それにより裸体と女神の官能性を引き立たせている。

古代ローマにおけるアフロディーテ信仰

古代ローマ時代、シリアとエジプトではアフロディーテに深い信仰があった。女性と結婚の守護神であるこの女神は、ここではイシス・ハトホルやアシュトレトなど、現地の女神のギリシア化された形のように表現されている。紀元1世紀のいくつかの結婚契約書の中には、ブロンズまたは稀に銀製の女神の小像が、パラフェルナ(持参金に伴う品物と花嫁の日常生活品)のリストの中に含まれていた。家の中に設けられたラレスの祭壇にも、アフロディーテの肖像が置いてあることもあった。現地の工房で作られたこれらの小像は、概して、有名なアフロディーテの彫刻に倣っていた。これと同じタイプの図像は、テラコッタの彫像などにも用いられ、時には、ヘレニズム時代の信仰の諸教混合(シンクレティズム)の名残が残る象徴により飾り立てられていた。

ヘレニズム時代と古代ローマ時代にてとても人気のあった主題の由来

ヘレニズム美術でひいきにされた主題である、裸体のアフロディーテがサンダルを履く、又は脱ぐモチーフは、古代ローマでも頻繁に使用された。芸術家たちは、模作や、多少なりとも忠実に再現された複製、コインの装飾、彫刻された石、壺など、前4世紀中頃にプラクシテレスにより作り上げられた型を最大限に反復している。この主題は既に古典時代には出現していたようで、恐らく初めは絵画にて、次に彫刻にて、ニケ、エロス、婦人部屋の少女たちなど多彩な人物像に使われていた。前5世紀末に、アテネのアクロポリスにあるアテネ・ニケの神殿の手すりに彫刻された、勝利の女神の内の一体は、ルーヴル美術館のブロンズ像により再現されたタイプの、有名な前例を提供している。何度も複製された、元となる作品の著者と制作年代については何度も議論がなされたが、大半の者は前3世紀のポリマコス作のブロンズ像に着想を得た複製であると考える。彫刻家リュシッポスや、画家アペレスの伝統を汲む芸術家の作品ではないかと言及する者もいるが、この作品のオリジナルがアレキサンドリアの工房で作られた、と考える者はいない。

出典

E. Kunzl, Venus vor dem Bade - ein Neufund aus der Colonia Ulpia Traiana und Bemerkunden zum Typus der "Sandalenlösenden Aphrodite", Bonner Jahrbücher 170, 1970, p. 124, p. 136, p. 153, n B 48.
C. M. Havelock, Hellenistic Art, New York, 1968, n 87, p. 122-123.

作品データ

  • サンダルを脱ぐアフロディーテ

    帝政ローマ時代(紀元1世紀)

    シリア

    Syrie

  • ブロンズ、付け加えられた黄金の装身具、空洞鋳造、眼球には以前はめ込みがされていた

    高さ22.2cm

  • 旧クレルク・コレクション、1967年ボワジュラン氏による寄贈

    Br 4417

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ブロンズの間
    展示室32

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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